陽飛は学校に来ない。
なら俺は家に行く。
陽飛の家を知ってる奴に聞いて陽飛の家を突き止めた。
表札には『宮舘』とおしゃれなフォントで書かれていた。
ここか。
ピンポーン
「はーい」
しっかりしてる女性の声が聞こえて心構えるが出てきたのは優しそうな初老のおばあさんだった。
「陽飛、いますか？」
「あぁお友達？いますよ。さあ上がってくださいな」
「お邪魔します」
陽飛の家には男子高校生が好きそうな物が１つもなかった。
「陽飛ー！お友達よ」
「ありがとう。でも帰ってもらって」
久しぶりに聞いた陽飛の声は前みたいに元気も余裕もなくて聞いてて切なかった。
「ダメよ。せっかくきてもらったんだから」
「....わかった」
初めて家族以外の部屋に入った。
「久しぶり」
「...うん」
何でそんなに生き生きしてないんだよ。
「大丈夫か？」
「大丈夫に見えるか？」
見えるわけねぇだろ。
「...ごめん。俺のせいだよな」
俺さえいなかったら....
「謝んなよ。そんな事されたら責めたくても責められねぇだろ」
陽飛は諦めたような弱々しく笑い下を向く。
「翔夜はすごいよな」
陽飛の心の中は絶望、悲しみ、怒りに溢れていた。
「何で学校来ないんだよ」
言った途端負の感情が頭に流れ込んできた。
憎しみ、苦しみ、悲しみ、怒り、羨望、妬み、恨み、嫉み。
何だこれ....？
これが陽飛が学校に来なくなった理由か？
一体何があったんだよ。