俺の家に陽飛がくる。
その予定だった。
実際に家来たのは陽飛と音羽さんだった。
俺の部屋に移動した3人は無言で座った。
びっくりした。もう2度と会えないと思っていた。
しばらく見ない間にさらに綺麗になっていて目が離せなくなりそうだった。
やっぱり大好きだ。
「翔夜、もうちゃんと話したら?」
陽飛が言った。おれはこいつにも気を遣わせてるんだ。
改めて思った。
「杉浦くん。教えて?話してほしい」
音羽さんは悲しんでいた。
俺はどう選択しても間違えるんだ。
「俺の存在で音羽さんを困らせた。だから避けて関わらないようにした」
俺がいなかったら音羽さんは学校に通えていて風馬さんもあんなに取り乱すこともなかった。
「何で?私話してないよね?」
どうしてなんだ?
なぜ彼女はこんなに優しいんだ?
本音と言ってることが一致してる。
俺のことが怖くない、大好きだって心の底から思ってる。
嬉しい。素直に大好きだって言いたい。
そんなことしたら今まで俺がしてきたことが無駄になるからしないけど。
「.....ごめん」
ありがとう。認めてくれて。
「私、杉浦くんのこと好きって言ったよね?」
そう言った彼女は顔が赤くて可愛かった。きっと俺も顔が赤いだろう。
「何で俺なんか....」
「俺なんか、じゃない!杉浦くんには何度も助けられたし救われた。だから好きになった。お願いだからそんな事言わないで」
思わず泣きそうになって下を向く。
涙を見せたくない。ここまで泣かずに頑張ってきたんだ。
俺は泣いちゃいけないんだ。
「だって俺がいたから音羽さんはからかわれてたんだよ。俺がいなかったら音羽さんは苦しまずに済んだんだ」
俺のせいで愛する人を苦しめた。
「私の心見て。見えるんでしょ?見てよ」
もう見えてるよ。見たくないのに見えてしまうんだ。
音羽さんの話していたことはわかっていたけど本当だった
俺のことを本当に心配して本気で好きでいてくれていた。
恐怖や憎悪などの負の感情が1つもなかった。
音羽さんはやっぱり真っ白だ。
心も綺麗で素敵だ。