今日の1時間目は数学だった。
少人数での授業だからクラスを移動する。
私と早羽はクラスが違うから1人で教室へと向かう。
今日は席替えをするらしい。黒板の前に座席表が張り出されてる。
私は窓側から2番目の1番後ろの席だった。
隣の席には杉浦翔夜(すぎうらとうや)だった。
容姿端麗、文武両道、知勇兼備。
学力テストでは学年1位を争うほどの頭脳の持ち主で、
100m走は12秒前半で色んな部活から勧誘を受けている噂らしい。
運動部に入れば100%活躍できるのに美術部に入っていて余裕があるところもモテている。
ゆるくカールした地毛のダークブラウンの髪に端正な顔立ち。
明るく笑顔の多い彼は男女共にモテている。
コミュニケーション能力が高いのか、常に友達と一緒にいるけど自分のことはあまり話さないらしい。
そんなミステリアスな性格も惚れる一因なのかもしれない。
「授業、始まんぞ〜!」
山中先生の合図によって始まった授業。
隣にはいつの間にか座っていた杉浦くん。
太陽の光に照らされる杉浦くんは真面目に先生の話を聞いているような感じはしなかった。
どうやったらあんなに頭がいいんだろう。羨ましい。
「....い!おい、音羽!問1の答えは?」
え!?やばい聞いてなかった。
どうしよう。頭の悪い私は問題を見ても答えは分からなくて。
「....ねぇ」
隣から声がした。
思わず横を見ると杉浦くんのノートの端っこに答えらしきものが書いてあった。
「これ」
杉浦くんは何でもないような顔を反対側に向けた。
「えと、(x-y-3)+(3x-2y)です」
合ってるか不安だけどとりあえず言ってみる。
「おっ、正解だ。もう少し真面目に話を聞けるといいな」
うっ、見られてたのか。
ていうか、答え合ってた。
杉浦くんの方を見て小さい声で「ありがとう」と言うと「いいえー」と笑ってくれた。
その後は何事もなく授業は終わった。
「杉浦くんっ!」
私の声で振り返った杉浦くんはこっちへやってきた。
「さっきはその、ありがとうございました。すごい助かりました」
「あぁ、気にしないで。これからはもっと真面目に授業受けようね」
そう言って意地悪な笑みを浮かべた杉浦くんは「じゃね〜」って言って、
いつも一緒にいる男の子と帰って行った。
優しいんだ。杉浦くん。
「ちょっと〜!那月何で杉浦と話してんのよ?何?好きなの?」
驚いた様子の早羽は私と腕を組みながら聞いてきた。
「ち、違うよ!分からない問題の答えを教えてくれたのっ!杉浦くんの好きじゃないから!」
早羽ったらまったく。
「照れてんじゃないのぉ?」
「照れてないっ!もうやめてよっ!」
恥ずかしい〜。
「ごめんごめん笑」
「本当やめてよねー!」
私と杉浦くんはすんでる世界が違う。
そう、違うんだ。
私はそんなことを考えながら早羽と一緒に教室へと向かった。
少人数での授業だからクラスを移動する。
私と早羽はクラスが違うから1人で教室へと向かう。
今日は席替えをするらしい。黒板の前に座席表が張り出されてる。
私は窓側から2番目の1番後ろの席だった。
隣の席には杉浦翔夜(すぎうらとうや)だった。
容姿端麗、文武両道、知勇兼備。
学力テストでは学年1位を争うほどの頭脳の持ち主で、
100m走は12秒前半で色んな部活から勧誘を受けている噂らしい。
運動部に入れば100%活躍できるのに美術部に入っていて余裕があるところもモテている。
ゆるくカールした地毛のダークブラウンの髪に端正な顔立ち。
明るく笑顔の多い彼は男女共にモテている。
コミュニケーション能力が高いのか、常に友達と一緒にいるけど自分のことはあまり話さないらしい。
そんなミステリアスな性格も惚れる一因なのかもしれない。
「授業、始まんぞ〜!」
山中先生の合図によって始まった授業。
隣にはいつの間にか座っていた杉浦くん。
太陽の光に照らされる杉浦くんは真面目に先生の話を聞いているような感じはしなかった。
どうやったらあんなに頭がいいんだろう。羨ましい。
「....い!おい、音羽!問1の答えは?」
え!?やばい聞いてなかった。
どうしよう。頭の悪い私は問題を見ても答えは分からなくて。
「....ねぇ」
隣から声がした。
思わず横を見ると杉浦くんのノートの端っこに答えらしきものが書いてあった。
「これ」
杉浦くんは何でもないような顔を反対側に向けた。
「えと、(x-y-3)+(3x-2y)です」
合ってるか不安だけどとりあえず言ってみる。
「おっ、正解だ。もう少し真面目に話を聞けるといいな」
うっ、見られてたのか。
ていうか、答え合ってた。
杉浦くんの方を見て小さい声で「ありがとう」と言うと「いいえー」と笑ってくれた。
その後は何事もなく授業は終わった。
「杉浦くんっ!」
私の声で振り返った杉浦くんはこっちへやってきた。
「さっきはその、ありがとうございました。すごい助かりました」
「あぁ、気にしないで。これからはもっと真面目に授業受けようね」
そう言って意地悪な笑みを浮かべた杉浦くんは「じゃね〜」って言って、
いつも一緒にいる男の子と帰って行った。
優しいんだ。杉浦くん。
「ちょっと〜!那月何で杉浦と話してんのよ?何?好きなの?」
驚いた様子の早羽は私と腕を組みながら聞いてきた。
「ち、違うよ!分からない問題の答えを教えてくれたのっ!杉浦くんの好きじゃないから!」
早羽ったらまったく。
「照れてんじゃないのぉ?」
「照れてないっ!もうやめてよっ!」
恥ずかしい〜。
「ごめんごめん笑」
「本当やめてよねー!」
私と杉浦くんはすんでる世界が違う。
そう、違うんだ。
私はそんなことを考えながら早羽と一緒に教室へと向かった。