久しぶりに学校へ行った俺は音羽さんとよく一緒にいる風馬早羽さんという人に呼び出された。
2人っきりの空間で沈黙が流れる。
それを打ち破ったのは風馬さんだった。
「ねぇあんたのせいで那月は苦しんでるの？」
彼女の中には俺に対する憎しみ、怒りがあった。
「ごめん」
「何で？何で私に謝るの？那月に謝ってよ....！」
風馬さんは俺を睨みつけた。
「あんたのせいで那月は悲しんでるの。毎朝メールで『学校に行きたくない、杉浦くんと話したくない』って来るの！」
驚いた。そんなに音羽さんを傷つけていたんだ。苦しめていたんだ。
俺が話しかけたから、俺が仲良くしたかったから。
俺のせいで音羽さんを傷つけて彼女が行きたくなくなった学校に呑気に通ってる。
「あんたがいたから....那月は苦しんでるの！」
俺が...いたから。
「いなくなってよ....！もう那月の前に現れないで！」
そう言って風馬さんは走り去って行った。
俺はいなくなるべき。
俺の存在は音羽さんを傷つける。

『いなくなってよ....！』
そう言った彼女は哀しみ、怒り、憎しみが溢れ出ていた。
音羽さんの友達でさえこんなに苦しめているんだったら本人はどうなんだろう。
きっと俺の存在が風馬さんの何倍もつらくさせてるはずだ。
俺はいなくなるべきだ。