あれから私たちは話さなくなった。
杉浦くんからメールで「話したい事がある」ってきていたけど無視をした。
とにかく杉浦くんと距離を置きたかった。
数学の時間は話さないように授業中、下を向いて真面目に勉強してるふりをしてみたり
チャイムぎりぎりに教室に入り
チャイムが鳴った瞬間教室をでる。
そして小走りで自分のクラスへと戻る。
できる限り杉浦くんの教室の前を通らないようにした。
はたから見たらバカみたいだけどこうするしかない。
こんなバカみたいな事をしていたおかげか、次第に私に関する噂はなくなった。
でもまだ杉浦くんのファンの子には睨まれたり文句を言われたりするし
面白がって大きな声で「杉浦の彼女ー!」と呼ぶ声もある。
その度に私は悲しくなる。
杉浦くんと隣にならなかったらこんな事にならなかった。
杉浦くんと話したからこんな事になった。
メールなんか交換しなきゃ、仲良くしなきゃ良かった。
私と杉浦くんは住んでる世界が違う。
それはわかっていたはずだった。

ちょっと優しくされて嬉しくなって調子に乗ってたんだ。