朝、起きて私は背中まである真っ黒の髪を1つに結ぶ。
歯と顔を洗い最後に校則を忠実に守って制服を着る。
第1ボタンを閉め、スカートは膝下5cm。
靴を履きドアを開け外に出る。
学校に近づくほど生徒の声が聞こえてくる。
「「「キャーーー!!!」」」
っっ!びっくりしたぁ。
なになに?
朝からうるさいなぁ。
「「「王子様〜♡」」」
王子?あーあの人ね。
「めっちゃイケメン!桜樹くん!」
桜樹遥我(さくらぎはるか)。
その名前からか別名王子様。
私と同じクラスの2年B組。
黒髪に切れ長な目、高くてとがってる鼻、程よい薄さの唇。
バスケ部のエースで高身長。
きっと100人いたら100人は惚れる見た目だろう。
でも私はこの人が苦手だ。
なぜなら無愛想で怖いから。
告白してきた女の子を「無理」って言って振ったらしい。
ただの噂だけど、「火のないところには煙は立たぬ」
きっと本当のことでそこ女の子傷ついたんだろうな。
広められて振られて.....
いくらなんでもひどいんじゃないのかな。
まあ私には関係ないけど。
確かに毎日あんなにキャーキャー騒がれると女子に冷たくするのはわかるけど。
それにしてもこんなに暑いのに桜樹くんのために待つなんて本当にすごいな。
太陽の日差しがつらい。
冬と夏の気温を足して2でわってくれたら嬉しいのに。