ここは、この世界は、童話の登場人物達が記憶を持ったまま転生し、普通の生活をおくる世界。
その者達が転生者であるという事は、生まれ出てた時から、自らのモチーフともいえる物を手に握りしめているからこそ分かるのだとか。例えば、白雪姫なら真っ赤な手のひらサイズの林檎、シンデレラなら手のひらサイズのガラスの靴、人魚姫なら何故か泡が無限に湧いている手のひらサイズの小瓶、眠れる森の美女なら手のひらサイズの綺麗な糸車、ライオンの王なら自慢の相棒達をかたどった手のひらサイズのマスコット、アリスなら手のひらサイズの黒いリボンのカチューシャなどといった物を握りしめていた。
悪役達は、手のひらサイズの毒林檎、手のひらサイズの薄汚れてヒビの入ったガラスの靴、手のひらサイズの黄金の契約書、手のひらサイズの壊れた糸車、手のひらサイズのヒビの入った牙、手のひらサイズのハートの錫といった物であったとか。