「みゃあーぬ」
少しクセのある鳴き声に、また泣き出しそうになる。小さい頃ずっとそばにいてくれた、金色の毛をした私の大切な家族。
「だから、美味しいご飯作ってくれるの?」
ふふふっと笑ってキンカさんの頭を撫でる。お父さんが拾ってきたんだよね、キンちゃんも。
きっとお父さんは、そういう類が見える人で助けてあげる人だったんだと思う。だから、みんなこのお店に来て、私を娘のように可愛がってくれるんだよね。
ぷすーという寝言が聞こえて、キンカさんの方を向けば金色の毛並みをした私の大切な家族が丸まって寝ていた。そっと抱き上げると温かいキンちゃん、キンカさんのぬくもりに柔らかい気持ちになる。