さて、本日はフェーヴル伯爵家でお茶会があるので、その準備をしましょうか。
 お兄さまからは昨日の一件があり、お茶会への参加はやめたほうがいいのではないかと言われたのですが、今日はクリスタさんも一緒ですし大丈夫と言って行かせていただくことにしました。
 クリスタさんはこれでも武術の腕前があり、男のひとでも軽々と投げ飛ばせるそうです。
 それを聞いてクリスタさんから恨みを買うようなことはしないでおこうと、心に誓いました。

「ローゼマリー様」
「(は、はいっ!)」

 思わずクリスタさんのお声にびくりとしてしまいました。
 これでは失礼ですね。申し訳ございません、クリスタさん……。

「本日のドレスはこちらでいかがでしょうか?」
「(はい! それにしましょう!)」

 今日のお茶会はテーマが赤色なのです。ドレスや髪飾りなど赤をモチーフにしたものを皆さんつけて来られるそうです。
 私も少し控えめではありますが、赤と白を基調としたドレスに身を包み、お茶会に向かうことにしました。



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