「そうか! 六文字か! じゃあ次は文字にいくね」

 こうして順番に一文字ずつ言葉をあてていってくださいます。
 そして15分ほどたったでしょうか。
 ついにその時がきました。

「イ? ん?」

 私は最後の伸ばす発音を伝えるために両手で握りこぶしをくっつけて、一生懸命両手を広げて伸ばすことを伝えました。

「ん? ああ! 伸ばすのか! リー!! ローゼマリー!!」

 私は伝わったことが嬉しくて自然を笑みがこぼれました。
 そしてラルス様は私の頬に手をあてると、にっこりと笑ってこう言われました。

「ようこそ、ヴィルフェルト家へ。ローゼマリー」