そして、その理由がラルス様だと気づいたのは、彼女が食事中にずっと笑顔でラルス様を見ているからでした。

 ああ、恋をしているんだなあと女の勘で思いました。
 でもきっとローゼマリー様のご様子や性格から、兄にそのような気持ちを向けては失礼と思っているのでしょう。
 遠慮がちにラルス様をちらっと見てはすぐに目を逸らされ、小さく首を振っておられます。

 この恋が実ればいいと考えますが、そう単純なものではないのでしょう。
 おそらくラルス様もローゼマリー様のことを好きなのではないかと思います。
 しかし、ここで私がお手伝いをしても何も解決しないのです。

 恋は勝ち取ってこそ、幸せが待っています。
 私はローゼマリー様がこれからも幸せであるように、今はただ、そっと傍にお仕えして支えるのみです。