私はベッドに横になると、そのまま疲れに負けるようにゆっくりと目を閉じました──


 次に私が気づいた時は明け方のような薄暗い感じの景色で、部屋のドアのほうを見ると、扉の隙間から何か明るい光が見えています。
 何か変だなと思ってベッドから降りて扉をあけました。

「──っ!!!!」

 目の前一面に炎が広がっていて、階段や隣の部屋のほうにも炎があり、私はどうしていいかわからなくなって足がすくんでへたり込んでしまいました。

「ど、どうしよう」

 火事だと気づいたのはその少し後で、シスターや他の子たちを呼んでも誰からも返事がありません。
 そして、私の記憶はここでぷつりと途切れました。



◇◆◇



 ふと目が覚めるとそこは見たことがないところでした。
 これはどこかのお屋敷でしょうか。
 白いカーテンのある窓に大きな本棚、机に椅子、天井には豪華な灯りもあります。
 私以外にも人がいらっしゃったようで、少し離れたところにいたメイドさんが私と目が合うと慌てて部屋の外に出て行かれました。

 数分後、ノックのあとで男のひとが二人部屋にいらっしゃいました。