中学生になって初めての夏。

「優ちゃん～今日遊ぼうよ」
そういう彼女は幼稚園からの腐れ縁だ。
貴方みたいな能天気な馬鹿と遊んでる暇ないの。
「ごめん今日塾があるのまた今度でもいい？」
口が動く。こんな自分が嫌になる。しかし、持つものと持たざるもの、できる人間とできない人間。そこには明確な差がある。そのことに気づくのが私は周りに比べて少しばかり早かっただけだろう。
「最近構ってくれないね。前みたいにいっぱい遊べたらいいのに。」
私のことなんてさして知らないくせに何を言ってるんだ。
第一、私より頭が悪いくせに遊ぶだなんて。学、教養が人間という個体それぞれの価値を決めるというのに、どういう考えを持って発言してるのか私には理解できない。
まあ、1番理解できないのは私自身のこのひねくれた考えなのだけれど。
どこで道を踏み外し人を卑下するようになったのだろう。
私より格上の人間なんて嫌という程いる。無駄にプライドだけが高くなってしまった私に、女神は微笑まない。しかしそんな事はどうでもいい。意地でも口角を上げさせてやればいいのだ。