その後、有栖は姫野を拘束し、一色が現場に来ることを待った。
 結果として、一色が組織に正式な手続きを終えて、到着したのは有栖の最初の電話から二時間後のことだった。
 充分な人数を用意してもらったが、到着した頃にはカラーズは全員倒れており、その戦力が仕事をすることはなかった。
 有栖はこっそり逃げようかと思ったが、一色に捕まり、状況の詳細説明をさせられた後、勝手な行動に対するお叱りを受けることになった。

 後日――まず、右京の処分が決まった。彼はカラーズに所属していたが違法ハーブの売買に関係していなかったこと、結城に騙されていたこと、自首という貢献をしたことにより、無実。特にお咎めもなしだった。

 カラーズのメンバーは違法ハーブの売買に関しては認めながらも、それに協力していたヤクザについては知らないの一点張り。これは話さないことでヤクザ側に筋を通そうとしているのだ。もし、暴露すれば罪は軽減されるかもしれないが、釈放されたときに自分達の命が危ぶまれるからだ。
 自分の刑期と命を天秤にかけて、後者を選んだということだ。
 結果、ユースティティアはカラーズだけを逮捕する形になった。協力していたヤクザにはたどり着くことは出来ずに――

 余談だが、命令外の行動をした有栖だが、今回の功績を認められ、始末書の提出で現場復帰が認められることになった。そのことで一色に書き方を教えてもらったことは言うまでもない。