「目立ちそうだけど、見つからないんスね」
「ホンマやで」
「一応、持っておきますけど、自分はしばらくはこっちの写真とにらめっこです」
そういって、有栖はスマホに映った一色の娘と黒猫の写真を見せる。
「そっちはそっちで頑張ってや。娘が夜に出歩くんも物騒で心配や」
「そうですね。可能な限り頑張ってはいるんですけど、情報が少な――」
有栖は愚痴るように、一色に見せていたスマホを自分で見る。そこに、一瞬だけど違和感を覚えた。視界の端に『それ』を捉えたのだ。
「綺麗に撮れていますね――色々と映ってる」
「有栖さんの探している猫の写真も見方を変えれば、色々とヒントが見えてくるかもしれませんよ?」
自然と――高本の言葉が思い出された。
「有栖、どうした?」
写真を見たまま言葉を止め、硬直する有栖を心配するように一色が尋ねる。言葉に反応しないので彼女の頭を軽く数回叩く。
「イチさん……」
「おぉ、生きとった。急に固まるから事務仕事のし過ぎで壊れたんかと思ったで。んで、何や?」
「ちょっと聞きたいんですけど――イチさんの奥さんって髪の色が緑だったりします?」
「ホンマやで」
「一応、持っておきますけど、自分はしばらくはこっちの写真とにらめっこです」
そういって、有栖はスマホに映った一色の娘と黒猫の写真を見せる。
「そっちはそっちで頑張ってや。娘が夜に出歩くんも物騒で心配や」
「そうですね。可能な限り頑張ってはいるんですけど、情報が少な――」
有栖は愚痴るように、一色に見せていたスマホを自分で見る。そこに、一瞬だけど違和感を覚えた。視界の端に『それ』を捉えたのだ。
「綺麗に撮れていますね――色々と映ってる」
「有栖さんの探している猫の写真も見方を変えれば、色々とヒントが見えてくるかもしれませんよ?」
自然と――高本の言葉が思い出された。
「有栖、どうした?」
写真を見たまま言葉を止め、硬直する有栖を心配するように一色が尋ねる。言葉に反応しないので彼女の頭を軽く数回叩く。
「イチさん……」
「おぉ、生きとった。急に固まるから事務仕事のし過ぎで壊れたんかと思ったで。んで、何や?」
「ちょっと聞きたいんですけど――イチさんの奥さんって髪の色が緑だったりします?」