ここは筑波峰高校。
伝統ある偏差値75の進学校。
私の前に堂々とその高校は立っていた。
コンクリートが黄ばみ、鉄骨が黒ずんで錆びている。
その様子はまるで還暦を迎えた老人のようだ。
だが、その立ち振る舞いは何百年生きてきた歴戦の兵士。
その高校の豪華な校門を生徒たちが歩いていく。
その上品な振る舞い、裕福な家庭に生まれたのだと分かる。
気高くそして美しく。
だが、その足跡の前を覗いてみれば何百人の倒れた後がある。
何倍もの倍率の受験戦争を勝ち抜いた者達。
まさにエリート達。
そして、その選ばれた者の中でも私は頂点に位置する。
「.....はあ」
毎回毎回その大きすぎる高校の様子にため息を吐かされる。
「菊音さん、おはようございます!」
「ええ、おはよう。」
「今日も見事な立ち姿ですね、菊音さん。私、菊音さんがこの高校の生徒会長で良かったって思ってる。」
そうその女の子はニコッと笑ってみせた。
「あっ!菊音さんだわ。」
「今日も大変美しい.....。」
「さすが我が校が誇る生徒会長だわ!」
ああ.....。
校門を潜り抜けたら、いつものようにそう尊敬の眼差しが向けられる。
その眼差しを見るたびに私は責任という名の重さを感じる。
そんな、私は褒められた人間ではない。
私の名前は東三七 菊音。
筑波峰高校に通う、高校3年生。
自分で言うの何だが、学年で1番の学力順位を持っている。
学業だけが取り柄ではない、運動も完璧に出来る。
スポーツをやらせれば私は毎回無双できる。
テストを受ければ、毎回上位に入れる。
もう今となっては1位以外拝んだことがない。
そして、他にも私は美貌を持っている。
街を歩けば、人々は皆我を忘れて私に目がいく。
少々勘違いするような発言をしてしまったが、これは自慢ではない。
事実である。
私が今深刻に悩む事実。
傍から見れば私は優等生に見えるだろう。
だが、私は自分を誇りに思うことはない。
「菊音さん.....。そのキーホールダーって.....。」
「あっ!こっ、これは兄が持ってたもので。」
そう私は鞄にかけてあったキーホールダーを隠した。
__危ない危ない、危うく私がオタクだとバレる所だった。
私は外では優等生のようにふるまっている。
だが、家では生粋のオタクになるのだ。
私は家である有名な男性アイドルを推している。
家に帰ったら勉強をする。
いや、勉強をしないと親に怒られる。
私の親は厳しい。
自分が望むとおりにやらないと、すぐに不機嫌になる。
だから.....両親の前では完璧な自分にならなきゃいけない。
だが、12時を過ぎた辺りからそこは私の時間だ。
ペンライトとうちわを持って、ハチマキを付けて、有名アイドルのコンサートを見る。
こんな姿、同級生はおろか両親には絶対には見せれない。
学校の校門をくぐり、生徒から憧れの視線を向けられる。
私の周りにはすぐに人が集まってくる。
そして、私を聖人・優等生のかのように扱う。
だが、そこでいつも私は思う。
今、讃えられているのは本当に自分なのか。
両親が作り出した、理想の誰かなどではないか。
そこにいるのは虚の私。
だが、本当の私をさらけ出したら周りはどう思うか。
恐ろしくて本当の私を出すことが出来ない。
そして、いつも思う。
__何でも言える友達が欲しいな
だが、私の願いは予想だにしない形で今日叶った。
人間の知能を持ったAI、通称「PIPU」
人間ではない。
だが、高い知能を持ち豊富な感情を持った.....ロボット。
私の人生はそこから変わった。
伝統ある偏差値75の進学校。
私の前に堂々とその高校は立っていた。
コンクリートが黄ばみ、鉄骨が黒ずんで錆びている。
その様子はまるで還暦を迎えた老人のようだ。
だが、その立ち振る舞いは何百年生きてきた歴戦の兵士。
その高校の豪華な校門を生徒たちが歩いていく。
その上品な振る舞い、裕福な家庭に生まれたのだと分かる。
気高くそして美しく。
だが、その足跡の前を覗いてみれば何百人の倒れた後がある。
何倍もの倍率の受験戦争を勝ち抜いた者達。
まさにエリート達。
そして、その選ばれた者の中でも私は頂点に位置する。
「.....はあ」
毎回毎回その大きすぎる高校の様子にため息を吐かされる。
「菊音さん、おはようございます!」
「ええ、おはよう。」
「今日も見事な立ち姿ですね、菊音さん。私、菊音さんがこの高校の生徒会長で良かったって思ってる。」
そうその女の子はニコッと笑ってみせた。
「あっ!菊音さんだわ。」
「今日も大変美しい.....。」
「さすが我が校が誇る生徒会長だわ!」
ああ.....。
校門を潜り抜けたら、いつものようにそう尊敬の眼差しが向けられる。
その眼差しを見るたびに私は責任という名の重さを感じる。
そんな、私は褒められた人間ではない。
私の名前は東三七 菊音。
筑波峰高校に通う、高校3年生。
自分で言うの何だが、学年で1番の学力順位を持っている。
学業だけが取り柄ではない、運動も完璧に出来る。
スポーツをやらせれば私は毎回無双できる。
テストを受ければ、毎回上位に入れる。
もう今となっては1位以外拝んだことがない。
そして、他にも私は美貌を持っている。
街を歩けば、人々は皆我を忘れて私に目がいく。
少々勘違いするような発言をしてしまったが、これは自慢ではない。
事実である。
私が今深刻に悩む事実。
傍から見れば私は優等生に見えるだろう。
だが、私は自分を誇りに思うことはない。
「菊音さん.....。そのキーホールダーって.....。」
「あっ!こっ、これは兄が持ってたもので。」
そう私は鞄にかけてあったキーホールダーを隠した。
__危ない危ない、危うく私がオタクだとバレる所だった。
私は外では優等生のようにふるまっている。
だが、家では生粋のオタクになるのだ。
私は家である有名な男性アイドルを推している。
家に帰ったら勉強をする。
いや、勉強をしないと親に怒られる。
私の親は厳しい。
自分が望むとおりにやらないと、すぐに不機嫌になる。
だから.....両親の前では完璧な自分にならなきゃいけない。
だが、12時を過ぎた辺りからそこは私の時間だ。
ペンライトとうちわを持って、ハチマキを付けて、有名アイドルのコンサートを見る。
こんな姿、同級生はおろか両親には絶対には見せれない。
学校の校門をくぐり、生徒から憧れの視線を向けられる。
私の周りにはすぐに人が集まってくる。
そして、私を聖人・優等生のかのように扱う。
だが、そこでいつも私は思う。
今、讃えられているのは本当に自分なのか。
両親が作り出した、理想の誰かなどではないか。
そこにいるのは虚の私。
だが、本当の私をさらけ出したら周りはどう思うか。
恐ろしくて本当の私を出すことが出来ない。
そして、いつも思う。
__何でも言える友達が欲しいな
だが、私の願いは予想だにしない形で今日叶った。
人間の知能を持ったAI、通称「PIPU」
人間ではない。
だが、高い知能を持ち豊富な感情を持った.....ロボット。
私の人生はそこから変わった。