PIPUの洗脳を解かせるには.....一つだけ方法がある。
それは.....私たちが過ごしてきた時間をもう一度戻す。

即ち、私たちがよく食べていたラーメンを作る。
そして、PIPUに食べさせる。
それが、私にできること。

半数は町の人たちにこの事を伝えに言った。
もう半数でPIPUの洗脳を解く。

「皆、初期配置について!」

「了解!」

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完成品を見て、自分ながら何をやってるんだと思ってしまう。
戦争が始まったというのに、慌てずにラーメンを作っているんだから。

「できた.....」

「PIPU.....食べて」

PIPUが好きだと言ってくれたラーメン。
PIPUと会った初日に食べたラーメン。
それを.....今食べさせる。

「ぐぅぅぅぅ.....。は、離せ!」

暴れてる。
けど、大勢で取り押さえられてて何とかPIPUは拘束されている状態にある。

「PIPU.....。思い出して.....!」

「っ.....。!」

私はPIPUの口に作ったラーメンを入れた。

「ぐ.....。うぅ.....」

「PIPU、聞いて.....」

効果があるか分からない。
だけど、少しだけPIPUの力が弱くなった気がする。

「PIPUが私の家に来た時、私嬉しかった。純粋な話し相手が出来て。初めて気の許せる友達が出来た」

「.....」

「だから、一つ言わせて。ありがとう」

「そして.....これからも私と一緒にいてくれますか?」

「ピ.....ピピ.....。菊音.....」

「.....!PIPU」

今、一瞬私の名前を言った。
気のせいじゃない。
今、確実に私の名前を言った。

「.....菊音の声、私の心の届いたよ」

「PIPU.....良かった、戻ってきてくれて」

「菊音も.....。私を見つけ出してくれて、ありがとう.....」

「うん!!」