どこにいても、何をしていても、いつもどこか息苦しい――こんな自分のことが大嫌いだ。

毎日、同じ景色を見る。

玄関をくぐり、人々の目線が私に集まる。
男子も女子も関係ない、羨望そして憧れの目が私に向けられる。

席に着けば、自然と私の周りに人が集まってくる。

テストを受ければ、必ず学年順位の1位の席を私が座る。

スポーツをさせれば、毎回私が活躍する。

そう、私は優等生。
傍から見れば羨ましいと感じるだろう。
何をしても成功する、その才能。
何をしなくても集まる、その美貌。

羨ましいと思うだろう。
事実、私は天才だの美人だのもてはやされてるだろう。

だが、私はそうは思わない。
私はロボットだ。
自分の意志がない。

他人から見れば十分成功した人生なのに。
何か足りないのだ。
両親から支配された自分。
それは果たして本当の自分と言えるのだろうか。

いつもいつも偽りの自分を見て心の中で反吐を吐いている。

.....ああ、私の人生は一生こんな物か。

そう考え始めていた。
そんな私を本当の自分にさせたのはある人のおかげだった。
いや、人ではない。

高校3年の夏、私の人生はそこから転機を迎える。

始まりは父のその一言であった。

「菊音.....、ロボットに興味はないか?」

その一言から始まった。

これは私とAIとの物語。