これから、メリーの教育係になる天使クリスに連れられ、多くの天使と出会っていく。

 食いしん坊のフルー。
 甘えん坊のアリス。
 真面目なマクス。

 個性豊かだけど優しい、そんな天使たち。

 悪魔と天使の中間のような存在のメリーが、成長しながらも天界の慣れない日常を歩んでいく。
 ここでは生まれたてのメリーが、仲間たちと、天使として一人前になろうと奮闘していく。

 天界での基礎的な学びを得る学校、いざという時における訓練や楽しく愉快な冒険。
 慣れない世界で必死になって学び、吸収し、新たな姿に少しずつ変わろうとする。
 仲間とともに成長をしながら、天使として生きる元悪魔の現天使メリー。

 初めて触れる風景に感動を覚えたり、初めて感じる感情に少し動揺したり。
 彼は、好奇心と不安感を織り交ぜながら、誰よりも多くを見て、多くを聞き成長していく。

 物語も中盤、夢のようこの空間になれたことで余裕が生まれ、再び疑問として湧き上がる。
 どうして自分が天使となってしまったのか、また悪魔になってしまったのかという謎。
 その謎を究明しようと新たな冒険を始める。

 新しくできた信頼できる仲間とともに、自分の出自を探していく。

 悪魔として生きていた意味。
 天使として生まれた意味。

 優しさに囲まれた世界だからこそ、自身について見つめ直す。

 本当の自分の姿について、誰も疑問を覚えないこの世界で、メリーは真実の自分を追い求める。

 ここにいるのは、本当の姿の俺なのか。
 それとも、長い夢の中なのか。

 終盤、欠落した記憶の中の人物との感動的な再会を果たし、天界でのこれから続く平和を歩んでいくこととなる。

 あくまで天使な主人公がこの世界で一番人間らしく暮らす。
 そんな一つの人生。
 そんな物語。