「太陽」
道の端でしゃがんでいる太陽を見つけ、胸が痛む。
……俺が、太陽をこうしてしまった。
いつも笑顔で明るくて、誰にも隔てなく接する太陽の姿は、まるで本当の太陽みたいだった……のに。
俺はそれを……っ。
って、今はそんなこと考えている暇はない。
「太陽」
太陽に近づき、優しく声を掛けた。
「……っ、三日月」
怯えている太陽にそっと頬に手を添えた。
「……ついて来て」
そう言って太陽の手を掴んだが、すぐに振り払われてしまった。
やっぱりそうだよな、と肩をすくめる。
「……近づかないでって言ったのはっ、そっちでしょ……!」
震える声でそう言う太陽を見ると、ズキリと胸が痛む。
「……ごめん。反省してるから、一度だけ、ついて来てくれないか?」
優しく微笑み、そう伝える。
すると、
「……わか、った」
そう言って太陽は、大人しく俺について来てくれた。
俺はコクリと頷き、歩き出す。
太陽はそのままついて来ているのを確認して、また歩く。
ーーもうこのチャンスを、逃さないーー