昔ながらのレトロな喫茶店。
店内はジャズメドレーが流れている。
「何名様でしょうか?」
喫茶店の店員が私達に問いかける。
「2人です。」と彼が答える。
いつもより少し暗めな雰囲気だなと思ったが気のせいだろう。
店員が奥の店内に案内する。
2人分のレトロな椅子と長方形の机がある席に案内された。
「ご注文お決まりでしたらお申し付けください。」と店員がそう言った。
「じゃあクリームソーダで。」と彼が早々に答えた。
「私はホットコーヒーで。」
彼につづき私も注文した。
彼は大人ながらクリームソーダが好きでよくデートに行く時も頼んでいる。
「お待たせしました。」
店員がそう言って私の机の方にクリームソーダを置こうとする。
「あっクリームソーダはあっちです。」と店員に私は言った。
「申し訳ありません。」
そう言って彼の方にクリームソーダ、私の所にホットコーヒーが届いた。
私が子供っぽく見えるのか、それとも男性がクリームソーダを飲まないと言う偏見があるのか分からないが、よく間違えられる。でも付き合って3年、もう慣れっ子だ。
「あのさ、」
店員が去ってすぐに彼は私に声をかけた。
「どうしたの?」
私は暗い表情で言う彼を見た。
「別れて欲しいんだ。」
「えっ?」
彼がそう言ったと同時に彼の好きなクリームソーダの氷が溶けてカランッとグラスが鳴った。
「どういう事?」
私は戸惑い彼に問いかける。
「もう和奏の事興味が無くなった。」
「興味って何?」
「ごめん、とにかく別れて欲しい。」
そう言われた途端私の中の何かが吹っ切れた。
「分かった、別れよ。」
そう言って私はコーヒー代を置いて店を出た。
帰りの電車は帰宅ラッシュで人が大勢いたのに自分だけしかいない空間に思えた。
最寄り駅に着き、駅を出て家路を歩く。今思っても私に何が足らなかったのかは分からない。
そう考えながら歩いているとやがて自宅に着いた。
自分だけの空間になっても何も思わない。泣く事も無かった。
失恋をしたはずなのに。
でも"クリームソーダ"だけ飲めなくなった。
店内はジャズメドレーが流れている。
「何名様でしょうか?」
喫茶店の店員が私達に問いかける。
「2人です。」と彼が答える。
いつもより少し暗めな雰囲気だなと思ったが気のせいだろう。
店員が奥の店内に案内する。
2人分のレトロな椅子と長方形の机がある席に案内された。
「ご注文お決まりでしたらお申し付けください。」と店員がそう言った。
「じゃあクリームソーダで。」と彼が早々に答えた。
「私はホットコーヒーで。」
彼につづき私も注文した。
彼は大人ながらクリームソーダが好きでよくデートに行く時も頼んでいる。
「お待たせしました。」
店員がそう言って私の机の方にクリームソーダを置こうとする。
「あっクリームソーダはあっちです。」と店員に私は言った。
「申し訳ありません。」
そう言って彼の方にクリームソーダ、私の所にホットコーヒーが届いた。
私が子供っぽく見えるのか、それとも男性がクリームソーダを飲まないと言う偏見があるのか分からないが、よく間違えられる。でも付き合って3年、もう慣れっ子だ。
「あのさ、」
店員が去ってすぐに彼は私に声をかけた。
「どうしたの?」
私は暗い表情で言う彼を見た。
「別れて欲しいんだ。」
「えっ?」
彼がそう言ったと同時に彼の好きなクリームソーダの氷が溶けてカランッとグラスが鳴った。
「どういう事?」
私は戸惑い彼に問いかける。
「もう和奏の事興味が無くなった。」
「興味って何?」
「ごめん、とにかく別れて欲しい。」
そう言われた途端私の中の何かが吹っ切れた。
「分かった、別れよ。」
そう言って私はコーヒー代を置いて店を出た。
帰りの電車は帰宅ラッシュで人が大勢いたのに自分だけしかいない空間に思えた。
最寄り駅に着き、駅を出て家路を歩く。今思っても私に何が足らなかったのかは分からない。
そう考えながら歩いているとやがて自宅に着いた。
自分だけの空間になっても何も思わない。泣く事も無かった。
失恋をしたはずなのに。
でも"クリームソーダ"だけ飲めなくなった。