「先輩とのデートのために買ったワンピース」
「あー家で洗うと縮んだりするもんね」

 うんうんと頷きながら、唇を人差し指で弄ぶ。その癖に見覚えがあった。いつの間にか私に移ってしまったおばあちゃんの癖。

「でも、高校生くらいでしょう? こんな時間に大丈夫?」
 
 彼女は興味津々といった形で、コインランドリーの中を歩き回る。私への質問はしつつも。ワンピースのことは、正直どうでも良くなっていて、今は目の前の親近感が湧いてしまう彼女の方が気になっている。