「うん、じゃあお姉さん、ばいばい」
「帰るの?」
「うん、私が来た理由は終わったから」
「私に話しかけること?」
「うーん、どちらかといえば繋ぐことかな。まぁ最後はさ、自分自身が一番信じれるし。助けに来てくれるんだよ、やっぱり。だから、繋いだの私」
分かるようで分からない言葉に首を捻る。
もう一度強く抱きしめて、私に伝えてくれるのはやっぱり私が欲しかった言葉で。
「大丈夫。愛せるよ私のこと」
「本当は彼氏なんかじゃなかったの」
「そっか」
「私が勝手に思ってただけだし、ただ居場所が欲しかっただけなのかも」
「そっか」
「いつか幸せになれる?」
「自分を愛せるようになったらね」
「なれるかな」
「多分、辛い日々は変わらないよ。そこから飛び出すまでは。でも、いつかは、幸せで自分を愛せるようになるよ。ちゃんと自分自身を見てあげなよ。辛いなら辛いって言えるようになりなよ。話しかけてくれる子だって、クラスにも居るでしょう? 誰かに固執する必要なんてないよ。居場所はいくらでも作れるんだから」