「安心したかったんだなぁ、私」
「それにその先輩そんなにいい人だった?」
「いい人だったよ、優しい笑顔の素敵な」
「思い出補正掛かってるだけじゃない? 好きだから補正そろそろ取っ払うタイミングだと思うよ。まぁお姉さんの自由だけど。それに、本当に好きだった?」
また、どきり。本当に好きだった、と思う反面。ただの憧れで、唯一話しかけてくれる優しい先輩だったから縋り付いていただけな気もする。
近くにあった椅子に腰掛けて足をパタパタと跳ねさせる。その仕草になんだかふわりっと体が浮いた気がした。
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