「その程度ですかな?」
不敵に笑う魔人メボシ。トチノハは、より強力な爆発魔法を浴びせるために距離を詰める。
その後ろからキヌが矢で援護射撃を行った。倍速の魔法で目にも留まらぬ速さで飛び、連射される矢。
メボシまで五メートル程の距離になり、トチノハは右手を突き出してメボシを爆破する。
「中々やりますな」
そんな事を言っていたが、魔人は傷一つ負っていなかった。反撃とばかりに光弾を飛ばしてくるも、今度はトチノハの爆発魔法で相殺される。
爆風の中から矢が現れ、連続でメボシを襲ったが、届くことはなかった。
「それでは、そろそろ」
飛んできた矢をわざと防御壁に刺さる様にして、そのまま指をクイッと上げる。
矢の方向は反転し、キヌ向かって飛んでいった。
軽く避けたはずだが、キヌは全身に矢が刺さる。なんと、矢がキヌを追尾して方向転換をしたのだ。
「ぐがっ」
いつも余裕そうなキヌがそう一言だけ声を漏らして地面へと倒れる。
メボシは空中に飛び上がり、トチノハの真上から連続で光弾を雨のように降らせた。
爆破魔法でそれらを防ぐが、やがて限界が来る。一つ、また一つと撃ち漏らした光弾をトチノハは浴びて、傷を負う。
「これで終わりです」
メボシの周りに大量の光弾が浮遊する。そして、一気にトチノハへ降り注いだ。
土煙が舞って、それが晴れた時。キヌはフッと笑う。
「遅いな、ヒーロー」
トチノハの前にはムツヤが立っており、ドーム状の防御壁を展開していた。
アシノ達もそれと同時に城へ乗り込む。
「助かったよ。ムツヤくん」
「大丈夫でずか!?」
「あぁ、私は大丈夫だ」
メボシはムツヤを見て高笑いをする。
「あなたが、恐らくこの世界で最強でしょう。楽しめそうだ」
ムツヤは防御壁を消し、メボシに向かって高く跳び、剣で切りつけた。
「流石は裏の世界の住人です」
メボシもどこからか剣を取り出してそれを受け止める。ムツヤの馬鹿力で手がジンジンとした。
光弾を飛ばしながら地上に下りるが、ムツヤが剣を振るうと業火で消し飛ばされてしまう。
地面に足を着けた二人は激しく斬りあった。ムツヤの剣を躱し、受け止め、反撃とばかりに剣を突き出す。
ムツヤもそれを軽く避けて左手から魔法の雷を打ち出した。
お互いに距離を取り、魔法の応酬合戦になる。
離れている兵にも伝わる程の熱波を放つ業火が空に上がったかと思うと、無数の氷の欠片達がそれを消す。
雷が落とされると、土壁が一瞬で現れ、ぶち当たり壁が崩れる。
その壁の土砂を巻き込んだ風がメボシ向かい飛び、矢のように注ぐ。
だが、それらは防御壁に全て弾かれる。そこめがけてムツヤが走り、剣を振り下ろした。
壁に傷が付き、そこを中心にヒビが入る。
「流石にやりますねぇ!」
恐怖するどころか、嬉しそうにメボシは笑っていた。
ムツヤは地上に立つと、目を瞑り集中する。
そんなムツヤ目掛けて、剣を片手に握り、メボシが急降下した。
青いオーラを身に纏い、ムツヤは目を見開いた。剣と剣がぶつかり合ったとは思えないような轟音が響く。
「ほう、それがあなたの本気ですか」
先程より更に数段速いムツヤの動きを見てメボシは感心する。
一般人では目に追えない剣さばきでムツヤは敵を叩き斬ろうとしている。
躱され、弾かれ、地面を足で強く踏む。土の槍がメボシを襲った。
防御壁で防ぐも、ムツヤはその壁を右手で殴りつける。なんと、その一撃で綺麗に割れてしまった。
「なっ!」
メボシの心に少しだけ焦りが芽生える。力を見誤ったかと。
「あなたのその能力。長くは持たないようですね。時間稼ぎをさせて貰いましょうか」
空に飛び上がり、そこから光弾を撃ち牽制をする。
しかし、ムツヤはそれを物ともせずに跳び上がった。魔力を込めた手で光弾を弾き飛ばし、メボシ目掛けて突っ込むが、ムツヤと言えど空中で方向転換をすることが出来ず、軽く躱されてしまう。
そんなメボシの背後に現れる影があった。気が付いて振り返るより早く刃が肩を貫く。
「っち、肩か」
勇者サツキである。アシノ達はムツヤが戦っている間に、勇者達の治療を行っていたのだ。
「ムツヤさん。上手く使ってくださいね!!」
サツキは竜巻を起こし、風力でムツヤをメボシに向けて発射する。
すれ違いざまの一瞬に十数回、剣がぶつかり合い、メボシに切り傷を与えた。
そして、ムツヤが飛ばされた先にも竜巻が待っており。それで回転をしてまた射出される。
そんな事を数回繰り返している内にメボシの体には傷が増えていった。
内心、少しまずいかと考えるメボシ。そんな次の瞬間。気配も感じさせずに下から無数の光の刃が飛んできた。
「俺もカッコいい所見せなくっちゃあな!!」
不敵に笑う魔人メボシ。トチノハは、より強力な爆発魔法を浴びせるために距離を詰める。
その後ろからキヌが矢で援護射撃を行った。倍速の魔法で目にも留まらぬ速さで飛び、連射される矢。
メボシまで五メートル程の距離になり、トチノハは右手を突き出してメボシを爆破する。
「中々やりますな」
そんな事を言っていたが、魔人は傷一つ負っていなかった。反撃とばかりに光弾を飛ばしてくるも、今度はトチノハの爆発魔法で相殺される。
爆風の中から矢が現れ、連続でメボシを襲ったが、届くことはなかった。
「それでは、そろそろ」
飛んできた矢をわざと防御壁に刺さる様にして、そのまま指をクイッと上げる。
矢の方向は反転し、キヌ向かって飛んでいった。
軽く避けたはずだが、キヌは全身に矢が刺さる。なんと、矢がキヌを追尾して方向転換をしたのだ。
「ぐがっ」
いつも余裕そうなキヌがそう一言だけ声を漏らして地面へと倒れる。
メボシは空中に飛び上がり、トチノハの真上から連続で光弾を雨のように降らせた。
爆破魔法でそれらを防ぐが、やがて限界が来る。一つ、また一つと撃ち漏らした光弾をトチノハは浴びて、傷を負う。
「これで終わりです」
メボシの周りに大量の光弾が浮遊する。そして、一気にトチノハへ降り注いだ。
土煙が舞って、それが晴れた時。キヌはフッと笑う。
「遅いな、ヒーロー」
トチノハの前にはムツヤが立っており、ドーム状の防御壁を展開していた。
アシノ達もそれと同時に城へ乗り込む。
「助かったよ。ムツヤくん」
「大丈夫でずか!?」
「あぁ、私は大丈夫だ」
メボシはムツヤを見て高笑いをする。
「あなたが、恐らくこの世界で最強でしょう。楽しめそうだ」
ムツヤは防御壁を消し、メボシに向かって高く跳び、剣で切りつけた。
「流石は裏の世界の住人です」
メボシもどこからか剣を取り出してそれを受け止める。ムツヤの馬鹿力で手がジンジンとした。
光弾を飛ばしながら地上に下りるが、ムツヤが剣を振るうと業火で消し飛ばされてしまう。
地面に足を着けた二人は激しく斬りあった。ムツヤの剣を躱し、受け止め、反撃とばかりに剣を突き出す。
ムツヤもそれを軽く避けて左手から魔法の雷を打ち出した。
お互いに距離を取り、魔法の応酬合戦になる。
離れている兵にも伝わる程の熱波を放つ業火が空に上がったかと思うと、無数の氷の欠片達がそれを消す。
雷が落とされると、土壁が一瞬で現れ、ぶち当たり壁が崩れる。
その壁の土砂を巻き込んだ風がメボシ向かい飛び、矢のように注ぐ。
だが、それらは防御壁に全て弾かれる。そこめがけてムツヤが走り、剣を振り下ろした。
壁に傷が付き、そこを中心にヒビが入る。
「流石にやりますねぇ!」
恐怖するどころか、嬉しそうにメボシは笑っていた。
ムツヤは地上に立つと、目を瞑り集中する。
そんなムツヤ目掛けて、剣を片手に握り、メボシが急降下した。
青いオーラを身に纏い、ムツヤは目を見開いた。剣と剣がぶつかり合ったとは思えないような轟音が響く。
「ほう、それがあなたの本気ですか」
先程より更に数段速いムツヤの動きを見てメボシは感心する。
一般人では目に追えない剣さばきでムツヤは敵を叩き斬ろうとしている。
躱され、弾かれ、地面を足で強く踏む。土の槍がメボシを襲った。
防御壁で防ぐも、ムツヤはその壁を右手で殴りつける。なんと、その一撃で綺麗に割れてしまった。
「なっ!」
メボシの心に少しだけ焦りが芽生える。力を見誤ったかと。
「あなたのその能力。長くは持たないようですね。時間稼ぎをさせて貰いましょうか」
空に飛び上がり、そこから光弾を撃ち牽制をする。
しかし、ムツヤはそれを物ともせずに跳び上がった。魔力を込めた手で光弾を弾き飛ばし、メボシ目掛けて突っ込むが、ムツヤと言えど空中で方向転換をすることが出来ず、軽く躱されてしまう。
そんなメボシの背後に現れる影があった。気が付いて振り返るより早く刃が肩を貫く。
「っち、肩か」
勇者サツキである。アシノ達はムツヤが戦っている間に、勇者達の治療を行っていたのだ。
「ムツヤさん。上手く使ってくださいね!!」
サツキは竜巻を起こし、風力でムツヤをメボシに向けて発射する。
すれ違いざまの一瞬に十数回、剣がぶつかり合い、メボシに切り傷を与えた。
そして、ムツヤが飛ばされた先にも竜巻が待っており。それで回転をしてまた射出される。
そんな事を数回繰り返している内にメボシの体には傷が増えていった。
内心、少しまずいかと考えるメボシ。そんな次の瞬間。気配も感じさせずに下から無数の光の刃が飛んできた。
「俺もカッコいい所見せなくっちゃあな!!」


