当時のあいつら年下バイトどもは宅急便会社には就職せず、それぞれ別の会社で勤めているようだ。人の将来なんてそれぞれ違ってくるから当然と言えば当然だけど面倒だな。まぁ瞬間移動で回るから大した手間は取らないか。あいつらの住所は一瞬で分かる。
 すぐに行こうと思ったが、先にあのクソ責任者...渡邊宗貴への復讐を済ませるとしよう。あいつは4人への復讐における前座だ。ヘイト度合いとしてはあの4人よりは低いからな、先に低い奴から殺すとしよう。

 
 ――で、数秒で移動した先にあるのが......2年近く勤めてい宅急便会社 佐〇急便東大阪営業所だ。
 アイツは現在ここの所長を務めていると知った...順当に地位を上げてはいたようだな。ここを辞めた時点での奴の見た目の年は28才だったと思うから、今は少なくとも50才にはなってるってわけか...。

 まぁいい。早速行こうか。今は勤務中だろうから中にいるはずだ...!
 よしと叫ぶと同時に勢いよく所内に入り、周りの従業員どもを昏倒させて、一分も満たないうちに標的を発見した...!


 「――なっ!?だ、誰や君は!?彼らを......いったい!?」
 「お久しぶりですー、渡邊さーん。もう覚えてねーかもしれないけど、ここの元アルバイトの杉山友聖ですー。お前をぶち殺しにきましたーぁ!!」


 ガツンンンンンンッ!! ガシャアン!!
 「ぐぉ...!?」

 有無を言わさないまま渡邊の後頭部を上から叩き殴って、デスクも破壊した。大丈夫だまだ死んでいない。

 「とりま思い出しとけや。......お前は俺なんか虫けらとしか思ってなくて、どうせ俺がバイトしていたことすら憶えてねーんだろうよ?お前にとって俺の存在なんかその程度だったんやろーな」
 「う......お...!」
 「まぁどうでもいい他人なんて所詮その程度の認識だよな?当時の俺は、お前らとはまともにコミュニケーションを取ろうとはせず、残業なんて絶対しないで帰るし、仕事も大して出来たわけじゃなかったしなァ。そんな人間だったから、お前らは理不尽に俺を排除しようって考えてたんだろ?ちょうどあの4人のクソバイトが俺を忌々しく思っていたのもあって、俺をここから追い出そうとしたんだ...そうだったんだろ?」

 「そ...そうか。お前は20数年前の...!俺はただ......里山君らが君の素行に問題があったという報告を受けたから...。報告だけだったから君をどうこうするわけにはいかなかったから、クビにしようとはしなかった。これでも僕は君のことは大目に見ていたんだぞ!?」

 
 .................何言ってんのコイツ??


 「俺の素行に問題?お前はそんな奴らのデタラメ報告を簡単に信じたのかよオイ。俺がお前に告げたあいつらのサボり報告の方がまだ信憑性があったんじゃねーのかよ、え?」
 「......彼らのサボりを大目に見てやった代わりに、君の悪い評判についてもなかったことにしてあげた僕に、むしろ感謝してもらいたいと――」

 バキィ!「――づごっ!?」

 「.........もういいよお前。
 あいつらの下らない妄言を真に受けて、その嘘で作られた悪評をつきつけない代わりに俺がガチで告発したあいつらのガチの不正を無かったことにした......要はそういうことだろ、お前があの時やったことはよぉ。
 仲が良かったあいつらの嘘を信用して、職場の輪に入れず仲など一切良くない俺の本当の事はロクに信用しない。まぁ......それが“社会”ってモンだよな?信用・信頼、それらをするに値しない人間の言葉なんか、どれだけ正当で真実を帯びていようと受け入れられないのが現実だ...」

 ヒュ――ドガッッ「ぎゃあっ!」

 「まぁそれ以前に......俺という人間には誰も味方なんて存在しないから、あんな理不尽を強いられたんだろーな?俺が腰に手を当てて一息ついただけであんな大声で人前で俺を咎めておいて、お前らは好き勝手にやってたのは、単に俺が鬱陶しかったからだったんだろ!?」

 ドゴッ、ガスッ!「がふっ、おえぇ...!」

 「よくも......よくもよくもよくもよくも!俺を陥れてくれやがったな!?俺をハブって理不尽に咎めて、クビにしてくれたな!?あいつらの不正をスルーしやがったな!?赦さねー......ぶち殺す...!!
 ......ってのが俺の心中だ。そういうわけだから俺に残酷に殺されろ、渡邊宗貴...!」

 グイッ...「まっ待て...!彼らは本当に君の素行不良を目にしたと主張していたぞ!?それを棚に上げて、こうして僕に突っかかるのは間違って――(ザシュ!)ぐあああああ!?」 

 「もうお前と討論する気はねー。俺の言葉が嘘か誠かについて証明する気も失せた。ただただ俺の恨みをその汚い体で受け続けろ...!」

 全身を五寸釘でぶっ刺しまくり、顔面・腹を蹴って殴って、手足を釘ごと踏みにじって、熱湯を傷口にかけるなど……思いつく限りの拷問を執行した。

 「ぎゃああああああああ!!ぎゃあああああ”あ”あ”あ”!!助けてえええええ”え”え”え”え”...!!!」

 「俺は誰にも味方されずに生きてきた。誰からも味方されない、助けてもらえないという孤独感と絶望を実感しながら苦しめよ、ほらァ!!」
 「誰かぁ、誰かァ!!助けてくれェ!!この狂人を止めてくれっっ!!!」
 「......その無駄に出る声は邪魔だな......潰れろ」

 「―――がひゅっ!?―――っが......」

 喉を蹴りつけて声帯を破壊したことで、渡邊はもう声が出せなくなった。コイツの命乞いとか聞く気は失せた。後はひたすら甚振って潰せれば良いや。

 「お前にはあのクソバイトどもや今までの連中と比べて悪意はそれ程少ないのは分かった。それでも俺にとっては殺意を抱かせる程のヘイトを溜めてしまっているから、殺すことに変わりはねー。だけどまぁそこまで残酷に甚振ることは止めておいてやるよ......死ね」
 「ひっ!~~~~~~~~っ」

 拷問を始めてから1時間後、最後は大剣で叩き斬ってぶっ殺した。
 死ぬ間際の渡邊の最期の顔は、絶望に染まっていた。はは、いい気味だ。

 「よし。前座の復讐はこんなもんで良いか。
 残りの奴らに対しては、一人一人訪問して、殺すとしよう…!」


 営業所を爆破して、俺は次の標的のところへ向かった――。