「おい谷里、こいつか?締めてほしいっていう野郎は」
 「うっす!弱いくせにイキってて、俺らの悪口も散々言いやがってて!しかも俺らサッカー部のことも悪く言ってましたよ!」
 「ほぉ~~?それはいけないなぁ、そこの後輩?人の悪口言ってはアカンってこと、先輩が教えてやらんとなぁ...!」

 ドスッ「ぐふっ...!わ、悪口は俺の方が酷く言われてる.....俺は俺をこんな目に遭わせてるクズどもにしか悪口は言ってねぇ...!」
 「ほらっ!コイツ今もそうやって俺らのことクズって!ホンマ杉山は悪い奴やなぁ!」
 「おうおう、確かに聞いたなぁ。じゃあ先輩の責務として後輩を締めるかっ」

 ドガッ、ゴッ、ゴスッ...

 「......っ、うぅ...」
 「ははは!面白いサンドバッグだ!そんでムカつきもするなぁ?未だ俺のことを睨みやがるところがなぁ!!」

 谷里と中林が連れてきたサッカー部の上級生 下田天武《しもだてんむ》。俺のことは事前に谷里から聞いていたらしく、説教っぽいこと言いながらも内心はただ俺を甚振ることだけが目的の、先輩などと敬う要素ゼロの糞カス野郎だ。
 2年生になると、奴も俺へのリンチに加わり、時には仲間の上級生も連れて俺を甚振りやがった。

 「や......め、ろ......や!!」
 「ああ?先輩への言葉遣いがなってへんなぁ、クソ後輩がっ!!」
 「ゲラゲラゲラゲラゲラ...!!」

 こんな奴に敬語使う価値無い......この世に存在する価値も無いクズだ!
 この糞カス野郎も......殺してやりたい、いつか――!




 
 「いつか......ぶち殺そう!ってそう決めてたんで、こうしてお会いにきましたよー!先~~輩っ☆」
 「あがが...!?」
 「ぐ...あ......」
 「ば、けもの...!」

 場所は名前も知らないキャバクラ...の路地裏(店内じゃあ嬢たちに迷惑かかるしな~)。店内で騒いでいた復讐対象含む3名をここに引き摺って連れてきた。もちろん誰も俺らのことは気にならないように細工しておいた。引きずられながら周りの奴らに助けを求めてたこいつらは滑稽だったな。

 で、ここにいる復讐対象は下田天武だけだが、残りの二人は...一人は下田と同じ中学で俺への暴行にも加わったことがあったクソ野郎(確か生野《いくの》って名前だったか)で、一人は無関係のオッサンだ。こんな奴の仲間になるような奴もどうせクズなんだろうから、全員殺そう。

 「が......がぴぃ」

 掴んだままでいる下田の顔面に爪をさらに食い込ませて、頬の骨にヒビが入ったところで下田を乱暴に投げ捨てた。

 「お前には1年近くも殴られたり蹴られたりして虐げられたなぁ。あそこに転がってる生野って奴も唆して俺に暴行させたよなぁ?ただ面白がって俺を虐げてくれたなぁ。だからこうして復讐しに来たわけだけどぉ、お分かりいただけたー?」

 グサッ...「~~~っぎゃあああああああ!!」

 ナイフが脛部分に深く刺さると激痛に転がり回って絶叫する下田。四十後半の男あみっともない醜態晒してやがる。面白いので撮影した。ながら生野とかいうクソ野郎にもナイフを数本突き刺す。頭踏んづけてるせいで手足だけをジタバタしてる格好もまたお笑いだった。

 「ひぃえああああ...!ち、中学の......お前、谷里たちに虐められてた下級生の...」
 「お前も虐めに来てたろうが惚けてんじゃねーぞ糞カス野郎っ」

 グソサァ!「あぇぎああああああああああ!!か、勘弁してくれ...!!」

 「忘れたんなら別にそれでもいいや。俺が憶えてさえいれば良いしな...。あの時の虐めに対する報復をここで執行する。お前は処刑だ...!」
 「お、覚えている!お、俺はあの時お前に暴行をしてしまって、生野も唆して一緒になって...!ひっ、ごめんなさい!!悪ふざけが過ぎたぁ!!」 

 動かなくなった脚を引きずって俺から距離をとって、必死に謝罪をした。

 「謝るんなら何でそうやって俺から逃げて――」
 「~~ああああああああ!!!」
 ドンッ!!

 体に衝撃がきたと思ったら、腹に弾丸がめり込んでいた。無関係の男が半狂乱になって発砲したようだ。だから距離をとったのか。

 「は、はははははは!!復讐だかなんだか知るか!死ねよクズが!!はははははははッ!!」

 俺の腹に着弾したのを確認した下田は、先程と打って変わって下卑た笑みを上げて俺を罵った。撃った本人も半笑いだ。まったく......効いてないってまだ気付いてねーのか。

 「俺の体を銃なんかで壊せるかっての...」
 「はははははは......え?は...??」
 
 何とも無い様子で腹にめり込んだ銃弾を取り出す俺を見た下田たちの下衆顔が凍り付いた。呆然とした様子でいるさっき撃ってきた男に、銃と同じ速度で弾を弾いて頭に当てる。男は即死した。

 「は?え、へ......!!?ぁあ...?」
 「ごめんなさいする気ねーよなお前?さっきの態度でよぉ~く分かったからもう地獄に落ちろよ糞カス野郎」

 グサドスザクブシュッ!!

 「あぐぇごぁぎえがっ......げああああ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”...!!」
 
 指全部と脇腹など特に痛覚がよくはたらく部位にナイフを深く突き刺して、文字通り地獄を体験させる。この糞カス野郎が泣こうが止めて赦してなどと喚こうがもう知らん。ただ残酷な処刑を求めて虐げ続けた。

 「祖アtvんTヴぇGおお”prおげあぁ...!!」
 「いぎゃあああああ!!!いだいっ!やべでぐれぇ!!」
 「も”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!!」

 目の前で生野を爆殺してお前もこうなるんだよと脅してみたり...

 「あああああああ...嫌だ嫌だ、なりたくない...あんな最期は嫌だ...!!」

 身も心も絶望に染めてやったところで、そろそろ仕上げに入る。地面を高熱のフライパンのように加熱する。脚から血を流し過ぎたせいでロクに立つことができない下田は、その場で無様にのたうち回る。

 「ぎゃああああああああづい!!たすっ助げてぇ!!さっきはごめんなさい!!魔が差したんだぁ!!もうしません、あんなこと言いません!!お願いですごめんなさい赦してぐだざい”っ!!!」
 「知るかよ、お前はもう残酷にぶち殺すって決めたっつったろ?解放したらどうせ発砲でもするんだろうが。つーか復讐しにきたんだから、もう生きること諦めろよ糞カス野郎。早く死ねよコラ」

 ジュウウウウウウウ!!
 「う”わ”あ”あ”ああ”あ”.........」

 地面の温度が大体500度に達したところで、全身焦げがついた下田天武は死んだ。全身焼き爛れて焦げて、肉が焼けた臭いが充満していた、臭い。

 「学生時代はこれで11人か。残る主犯者は二人だ...どっちも凄く殺したいって思ってるから楽しみだな~~」



 ウキウキ気分でキャバクラを後にしてしばらく歩いてくと、また歩きタバコ吹かしてるヤニカスが近づいてくる。
 顔面に金属バットで殴りつけて、そいつの頭を遥か彼方まで吹っ飛ばした。

 「だぁかぁら~~受動喫煙させようとしてんじゃねーよ俺にさぁ!この国はマジで喫煙モラルがクソ過ぎるはホンマさぁ!!」

 ドガラシャアン!!
 
 八つ当たりで金属バットを投げ飛ばしてどっかの店のガラスを壊してしまった......が、誰も気にしない様子でいる。俺がそうさせているから誰も騒がない。

 「ヤニカスはいつか全員滅ぼす。まずは復讐が先だ...!」

 そう自分に言い聞かせて、ゴミクズが蔓延る繁華街を出て拠点へ帰って行った。
 数分後、ガラスが派手に割れている様と頭部が無い死体を目にして大パニックを起こしたそうだが、どうでもいい。