苛立ち気味に問いかける俺に青山はただ震えるだけだった。質問の意味分かってねーのかこの低脳はよぉ。
「.........確かに、お前の当時のクラスの立ち位置が気に入らなかったっていう気持ちはあった。だがそれだけを理由に虐めに走ったわけでは――」
「あ~~~もう分かった。今の言葉で十分理解したわ。やっぱあれだったんだな?俺には初めから敵しかいなかったんだな?」
「な......何を言って...!?」
突然納得してさらに意味が分からないことを呟く俺に不審と恐怖の目を向けてくる。が、奴の疑問に答える気は俺にはなかった。
「俺に理不尽という理不尽を味わわせ続ける、それが俺の宿命だって言うならさぁ.........
俺も、お前らにとことん絶望と恐怖と後悔を与えて殺してやるよ...!」
「!!?ひっ、ひぃ...!!」
今、俺はどんな顔をしていたのか。いい年したオッサンになったこいつをここまで怯えさせるような顔をしてしまってたんだな...。だがな?そうさせたのは......お前らなんだぞ?
「というわけで復讐だ。お前を残酷に殺すとしよう」
「ひぃい!?や、やめろ...!ガキだった頃の話だぞ?あれから二十年以上も経ったんだ!も、もう止めようぜ?お前、これ以上罪を重ねるつもりか?ほら、俺の会社をこんなに...人をあんなにたくさん殺して...!い、今ならまだ間に合う!な?もうここまでで―」
「この建設会社、お前が今トップか。その年で社長たぁ大した出世じゃないかぁ。あれだけ人を蔑称で呼んで虐めて、人の尊厳や未来なんかを潰しておいて自分はこうやってリア充してるとか......不公平だなぁ?よおし、今から全部壊してやるよ...!」
青山の言葉をガン無視して、近くにあった大きめの破片を構えてスローイン投げの構えを取る。狙いは両脚だ...!
「グ......!くそがぁ!!」
プシイィィィィィィ!!
直前に、青山がやけくそに叫びながら上着ポケットから取り出した(防犯グッズか?)催涙スプレーを放ってきた......が遅い。ポケットに手を突っ込む動作をした時点で何かするかなんて丸分かりだわ。
即座にスプレーの射程範囲から離れて躱す。その直後に風の刃を発生させて青山の両手を切断した。
「あ”あ”あ”あ”あ”!!いでえええええ”え”え”...!!」
「動きが素人過ぎる。異世界でチート化した俺に通用するかよ。
......はいはいそうですか反省無しですか。まぁ反省しなくても良いし、謝罪も要らないし。ただ甚振って苦しめて殺すだけだし...なっ!!」
ガン!バキィ!ゴキィ!グチャ...!
「が、がぎゃあ”あ”あ”あ”あ”!!あ”謝る!!あ”の時のごど全部謝りますぅう!!ごめんなさい!!俺が間違ってだ!!赦してくださいぃ!!」
今になってこのクズは泣き叫んで謝罪してきた。怒り通り越して呆れた。
「あのなぁ......お前は俺を散々辱めて甚振っていた癖に、自分がその立場になれば途端に謝罪を始める。赦して欲しいと懇願する。
自分がされて嫌なら、他人にしなければいいのに。俺を踏み躙って、虐げていた時は嗤って楽しんでた癖に、いざ自分がその立場になる途端に泣き叫んで助赦しを求める...。
赦すわけ無いじゃん。最初に言ったよね?殺すって、さぁ!!」
ビシャアアアアアアアア...!!
「うわ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!!」
怒り任せに水魔術を唱えて、このクズの両腕を溶かし潰した。
「嫌だ嫌だ嫌だぁ!!止めでぐれぇ...!!」
「あの時俺がそう言ったのに、お前らは止めてくれたか!?都合良いことを今になってほざくなぁ!!お前らは俺をこうやって虐げて楽しんでただろ?俺はそれを再現してやってんだよ!立場を変えてなぁ!!」
「違う!!俺たぢはごごまでのことをしてなかっだだろうが!!お前のそれはただの犯罪だぁ!!」
はぁ......馬鹿かこいつは。復讐というものをまるで分っていない。
「自身が受けた痛み・屈辱・苦しみを、倍以上にして返すのが、“復讐”だろうが。“目には目を歯には歯を”なんて、生易しく済ませるわけないだろうが」
「ひ......ぎぃ!」
「それにお前らは俺を少なくとも3年間虐げてきた。けど俺はたった一日...いや数時間で終わらせて上げようとしてるんだ。優しいだろぉなぁ?たかが数時間の苦痛と屈辱くらい、堪えてみせろよこのゴミクズが」
「う......わ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”ッ.........!!!」
その後も三時間くらい、青山祐輝の体を壊し続けた。治せるところは治して、少しでも長く苦痛と屈辱を与えるように弄んで虐げた。
奴が死んだ時には、頭蓋が剥き出しになっていたり、腕とか脚とかの雑な切断面が見えたりしていたなど色々キモい絵面となっていた。
そんな死体に唾を吐いて、小便もかけてやりながら、俺は死体となった青山を冷たく見下した。
「イチモツが大きいことを馬鹿にしたお前には相応しい辱しめだろ?どうだ?コレのどこがデカいんだ?普通だろうが」
サイズ測ったことないから長さは知らないが、アダルトビデオとかの男優のとを比較すると俺のはむしろ小さかった。成長が早かっただけだったんだ。やっぱり俺はおかしくなんかない。
おかしいのは、周りと少し違っただけで奇異の視線を向け、理不尽な扱いを強いるお前らだ...!
とりま、(学生時代)二人目復讐完了。
小学校の男子間では、特によくあることだったのでは……と思う。人の体のコンプレックス(例えば出っ歯とか、毛深いとか)をつついてからかって、
やがて虐めになる………なんてことが。
人の痛みをロクに学んでない、もしくは学ぼうとすらしないクソガキは、中学生になってもそういう下らない虐めを止めることなく、そこからも無神経に、面白がって、悪意を以て貶しにきて、侮辱しにきて、傷つけるんだ。
腹立たしくて憎いと思うことは、最初に貶してくるクソガキもそうだが、それに乗っかって周りが囃し立てて一緒になって貶してくる奴らが問題だ。すごく憎くて、傷つけられる。あいつらはただ面白がって囃し立てる、自分らが面白ければそれで良いって思ってるだけの最低クソモブどもだ。
股間が大きい?だから何だよ?それだけじゃねーかよ。何でそれだけで俺はあんなにも不名誉極まりないレッテルを貼られて、どいつもこいつもから貶されて侮辱されなければならなかったんだ?
お前は本当にただ冗談で面白がってるだけだったのかもしれないが、そうやって貶された被害者は本気で傷ついてることだってあるんやぞ?
実際、中学校のスキー実習の時、合同で大浴場に入るって分かった時に俺はさらに多くのクズどもから馬鹿にされて傷つけられるんだと思って、仮病つかって欠席したくらいだ。
そしたら休んだら休んだで、登校したらそいつらが休んだことでまた貶しだすんだ。人のコンプレックスで(別にコンプレックスでもないはずなのに、コイツらがそうさせたんだ)ずっと馬鹿にし続けやがって、やがて虐めとなっていく。
そして厭になって学校に行かなくなるんだ。
体の部位のことでネタにして面白がって、虐めにつなげるのは最低極まりないことだ。というか名誉毀損罪で慰謝料請求して良い案件だ。人の尊厳を踏みにじる行為と何ら変わらない。
どいつもこいつも分かっていない。クソガキどもが理解できていないのは、大人どもが悪いからというものもある。そして今まさに行われているそういう虐めを止めない教師どもも無能でクズだ。あいつら全員ああいうのが小さな問題......そもそも問題としてすら見ていない。
近年の学校もどうせそういう下らない理由で人を馬鹿にして貶して傷つけて、虐めを起こしてるんだろ?
まともなガキに育てられない親なんて要りません。お前らみたいなクズが産む子どもが、お前らクズ親どものクズさが感染《うつ》ってダメになるに決まってるのだから。
...という気持ちで今回のエピソードを作りました。
部位的に下ネタっぽいエピソードになってしまいましたが、こういう出来事もかつて自分がガキだった頃には本当にありました。
周りの人とは違ってるというだけで、奇異の目を向けられ、時には忌み嫌われ、そして虐めになっていく。これは子ども・大人関係無くあることなのかもしれませんね。
身体的特徴など人それぞれだというのに、それがロクに学ばないまま大人になっていく人間が割といるのが現実でしょう。
意思が強い人は、そういう侮辱なんか気にしないで生きていけることができるのでしょうが、そうじゃない人は簡単にふさぎ込んでしまうと思ってます。
まぁここで私が言えることといえば、“体の部位のことで人を貶したり馬鹿にしたりして傷つけてはいけません” でしょう。当たり前なことなのに、平気でそういうことする人間は、果たして社会に必要でしょうか?
この文章に対して、共感するしない、批判は自由です。あくまで私個人としての見解なので
対象 井村遼
「青山の奴と、こうして会うことになるとはな...」
運転しながら感慨深くひとり言を呟く男――井村遼は、携帯で時間を確認する。約束の時間まであと10分はある。目的地までは次の信号を通過したらすぐだ。余裕持っての到着になりそうだと彼は安堵する。
井村は、新卒で大手の建設会社に就職し、35歳にして会社から独立、自身の建設会社を立ち上げた。まだ目立った業績は上げてはいないが、ある会社と連携して近々大きなビジネスを狙っている。
連携先の会社に中学時の旧友がいるとのことで、そこと契約して上手くやるようになった。そして今、それぞれの社長が面と向かって仕事の話をしようとのことで、井村はこうして話をする場所...連携先の建設会社へ向かっていた。
そこの会社の現社長が、旧友の青山祐輝である。彼とは今も連絡を取り合う仲だが、直接顔を合わせることは滅多になかった。こうして直接再会することに井村は楽しみに思っていた。
「仕事の話が終わるころには退勤時間になるだろうし、そしたらアイツと飲みに行こうかな。中学の時の話とかまたしようか...」
中学で出会った彼とは気が合い、部活でも仲が良かった。クラスで一緒になった時はよく雑談もしていた。そして青山が面白がっていたことに悪ノリもして――
「......今にして思えば、あの男には悪いことしたのかもな。会う機会があればあの時のこと謝っておきたいものだ」
一瞬後悔の念が過ぎったが、目的の場所に到着するとすぐに仕事モードに切り替えて会社に入る。エレベーターで目的の階に降りて部屋の前に立つ。ノックしようとしたが――
(......?何か、鉄臭いな...。それに人の声も、何の音もしていない。誰もいないのか...?)
扉の前からでも分かる異臭と無音に不審に思う井村だが、とりあえずノックをした。
「井村建設会社から来た井村遼です!本日は仕事の話で訪問致しました!」
ノックと挨拶をするも、扉の向こうからは何の反応もしない。本当に誰もいないのかと、いよいよおかしいと思い始める。今日会う約束をしていたはずなのに、まさか忘れてるわけではあるまい。上着ポケットから携帯電話を取り出して青山に連絡を取ろうとしたその時――
「開いてるから、入って来いよ」
「っ!?」
突然部屋の中から声がして僅かに動揺した。若い男の声にさらに訝しげに思いながらも、言われた通りその扉を開けて部屋に入る。
そこには―――
「な......んだ、これは......!?」
赤い液体………血で真っ赤に染まっている壁、壊れてしまっている大きな机など......テロでも起きたかのような惨状があった。
「よう~~~~~~こそ!井村遼!!わざわざご足労いただきありがとう!」
そして...入室と同時に、先程の若い声が井村にかけられた。声がした方に目を向けると――
「――二十数年振りだなぁ。杉山友聖が、この腐れ糞社長に変わってお相手いたしまーす...!」
悪魔を思い浮かべるような笑みを浮かべた男が、こちらを見ていた―――
*
青山祐輝を殺した俺は、死体をある程度潰してから社長机の中を調べてみた。そこで偶然にも面白い発見をした。
「へぇ~!?こいつ、あの井村遼と連携しているのか!しかも今日ソイツがここに来るのか。これはラッキー。捜す手間が省かれる。ここで待っていれば、何も知らない馬鹿がノコノコやって来てくれたんやからなァ...」
あの時のことを思い出して、青山と同時にあのゴミカス野郎もぶち殺したいって丁度思っていたところだったんだ。今すぐ殺したい奴が来てくれるなんて、今日はツイてる!
「アイツが来るまで、どうやって甚振って苦しめるかを考えていようかぁ。あー楽しみ楽しみ...!」
「いや~~~、そのキモいくせ毛は相変わらずか~。おいその腹、さっき殺したあのゴミよりも出てるなぁ?中学の時も若干デブ体型だったが、今は完全にデブだなお前」
呆然と俺と部屋を見ていることしかできないでいる井村を嘲笑うようにそう吐き捨てる。そして井村に見えるように、あえて消さないでおいた青山祐輝だった汚物を浮かび上げて見せた。それを見た井村の顔が、驚きと怒りに染まっていく。
「おいそれ......青山の、顔か...?お前!ここでいったい何を!?」
「お前じゃない、杉山友聖だって。何ってそりゃあ...あの時の恨みを晴らすべくの復讐だよ。この粗大ごみはその結果だ。ほらよっ(ブンッ)」
軽いノリで、井村に向けて浮かべていた青山の死骸を投げつけてやった。咄嗟のパスに反応できなかった井村はべちゃっと死骸を落としてしまった。
「あーもうお友達をそうやって落っことしちゃってぇ。ちゃんとキャッチしてあげなきゃダメだろうが。かわいそうに、青山クソ野郎君w」
「お前、杉山......何てことを!!!自分が何してるのか分かっての上かぁ!?何でそんなお遊び感覚でこんなことを...!青山を!?こんな...!何でお前は笑ってられて...!」
ケラケラ笑う俺にたいそうご立腹した井村が怒鳴りつける。その言葉を聞いた俺は、突如笑うのを止めて、はぁ?とわざと大きな声で返して......
ドガッッッ!!「ごぉ...!?」
井村の腹に机の破片を投げつけて悶絶させた。膝を床に着けて苦しんでる奴のもとへ近づいて、何言ってんの?という言葉に続けてこう告げる。
「中学の時も、お前らはそのお遊び感覚で笑いながら、俺を辱めて虐げてただろうが。俺はお前らと同じことをしたに過ぎない。それのどこがおかしいんだよ、ん?」
「な......!?」
俺の返事内容がよほど衝撃的だったのか、井村はしばし絶句した。が、すぐに気を持ち直して反論する。
「あ、あの時と今の惨状を一緒にするつもりか!?確かに、俺たちはあの時お前に酷いことをしてしまったのかもしれない。だけどここまでのことはしなかったはずだろう!?人殺しだぞ!?中学生間の虐めとはワケが違い過ぎる!!全く同じじゃない!!」
「“本質”は同じだ!!軽い気持ちで、お遊びで、人を理不尽に虐げて、しかも笑いながら!かつてのお前らも、今の俺も!やってることの“本質”さは全く違わねー!!ただ行為の程度が違ってるだけだろうが。質は何も変わっていない!」
「だからその行為の程度が問題だと言ってんだ!命を奪うのは明らかにやり過ぎだ!!虐めで受けたお前の傷と死んだ青山の傷......どちらが重いかなど、考えるまでもないやろーが!!俺の、旧友をよくも...!」
途中大阪訛りになりながら俺を悪し様に非難する井村に、俺は心底の呆れを示した。このカス、全く分かってねーな。こっちはお前の心情は手に取るように分かるのに。
「そこのクズの傷は、所詮体の傷だろうが。全身ぐちゃぐちゃ、致死レベルの体の傷。そんなところだ。だけどこっちはなぁ!3年間ずっとお前らから心身共に学校で毎日傷をつけられてきた!3年間もだぞ!長期間に亘ってつけられて積まれた傷と、たかが数時間でつけられた体の傷。どっちも等しい程度だろうが...。というか、まだ俺の方が主に心の方での傷が大きいはずだろうが!!ああ!?」
ベキィ!ゴキン!「ぐげぇ!!」
とうとう短気を起こした俺は、井村の顔面に二発拳を入れて、壁に激突させた。鼻が陥没し左目が失明したみたいだ。さらに刃物が生えた靴で背中を何度も踏みつけて血だらけにしてやった。
「ぐあああ...!」
「ああ、お前は暴行には加わってはなかったなぁ。ただリンチ場面を面白がってただけだったなぁ。どうだ?それが、俺が見てた景色だ。少しは理解したか?地に這いつくばって暴力を受ける奴の最低な気分をよぉ?」
踏みつけが飽きたら次は蹴り上げだ!顎にハイキックを思い切り振り上げて天井へ吹っ飛ばした。天井にめり込んだ井村の足をジャンプして掴んで、今度は床に力一杯叩きつけてやった。
「が...あ”...!ぜーヒュー、ぜーヒュー...!」
肺が破れたか何かのせいで、苦しそうに呼吸する井村に容赦することなく、さっきの一連をもう一度やってみせた。叩きつけたらまた同じことを。上へ下へ、上へ下へ、上下上下上下...何回か繰り返して仰向けに倒すと、井村の顔は血で真っ赤になっていて、腕や脚が変な方向に曲がっていた。まるで拙い操り師によって動かされている人形のようで笑ってしまった。
「ぶっははははははは...!そうそう!お前らはそういう感じに横たわった俺を見て毎回笑っていたよなぁ、今の俺みたいに!俺はただお前らがしてきたことを似せて模したに過ぎねーんだよ。そこに生死とかは関係しない。ただ面白がってるだけだって」
「...!...!......」
「あ~~もう喋れないくらい壊れてる?しゃーねーな」
口をパクパク動かすだけの井村を少し治療する。ここで終わらせるのはまだダメだ。
「お......お前の心の傷と、青山の傷を、一緒にするな...!友を亡くした俺の心の傷の方が、お前なんかの傷よりも深いんだ...!おかしなことベラベラ並べてるお前は、ただの幼稚で――「おい...」――っ!?」
聞き捨てならない一言を拾ってしまった俺は、氷のような冷たい声を放って井村の罵声を遮る。
「お前なんかの傷?一緒にするなだと?お前はさぁ、俺の心の傷がどれ程なのか、知っているわけぇ?知らないよねぇ?冗談のつもりでずっと馬鹿にし続けてきただけのお前が、俺の傷の程度を語ろうとしてんじゃねええええええ!!!」
“苦しめ”
「!!うわ”あ”あ”!?」
怒りに任せて闇魔法を唱え、幻術にかける。様々な魔物によって肉を食いちぎられる幻覚を見せてやった。
“苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ”
「―――っ!?づあ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!嫌だぁ!!いだい!!止めてくれぇ、やべでぐれえ”!!」
何十にも幻術を重ね詠唱して、井村に地獄という地獄を体験させてやり、その本人は頭を振りまくって止めてと絶叫を繰り返した。そんな姿を見ても俺の溜飲が下がることなく、むしろさらに憎悪の念が強まり、こいつにはもっとたくさん苦痛を与えねばと思い、醜く肥えた腹に火をつけて炙った。
「!!ぎゃあああああああああ!!!痛い熱い痛い熱いいぃぃ!!!」
止めて止めてと泣き喚く井村の髪を掴んで持ち上げて、俺は努めて冷静な声音で話しかけた。
「あのな、さっきから止めてとほざいてるけど、お前はそんな俺になんて言ったか覚えてるか?
“冗談で言った 何マジになってんだよ” だったな?だったらこれも......冗談ってことで良いよなぁ?」
「そ、そんなわけあるかぁ!!!痛い!止めろ止めて下さい!!」
「でも冗談だったんだろ?便利だよなぁ冗談って言葉は。どんなことでもその言葉で色々治めようとする。
冗談で済ませて良いことなんて、全く無いっていうのによぉ」
「あ......あ、あ......ひぃ!!?」
「それでもアレは冗談じゃなかったって通すんなら......俺もいまやってることを、“冗談だ!マジじゃないから”って感じで進めても文句無いよな!?だって冗談なんだからさぁ!!」
「ぎゃああああああああああ!!ア”ア”ア”ア”ッ!!」
火が付いた剣を、奴の肩に突き刺す。傷口に火がついてジュウウウ!と焦げる音がした。
「あとさぁ。お前忘れてない?塾のことさぁ。学校でつけた蔑称を、あそこでも呼んできてさぁ。嫌だってのに面白がって冗談で繰り返しやがって。で、俺がキレたら俺が退塾させられてお前はそのまま。その後勉強が上手くいかなかった俺はロクな高校しか通えずロクな将来しか築けなかった。
対してお前は?塾とかで勉強して、大学行って就職して、今では社長の座を獲得か?人の勉強の場所を奪い、未来を潰しておいて、そうやって偉そうに社長とかやってんだ!?青山同様、俺の人生を狂わせる原因をつくったお前らが、そうやって地位を上げてることが、すっっっっっごく、虫唾が走るんだよおおおおおおおおおお!!!!!」
ブシャァアアア!!ジュウウウウウウウ!!
「い”や”あ”あ”あ”あ”あ”!!!ごめんなさい!ごめんなさい!あの時杉山の勉強の邪魔をしてすみませんでしたあああ!!」
「そうだよ!!虐めが原因で学校の授業なんかまともに受けられなくて、成績を戻す処置としての塾だったのに、お前はそれすらも奪いやがったんだよおおお!!この最低腐れゴミカス野郎があああああああ!!」
“苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ苦しめ”
「あびやあああああああ”あ”あ”あ”あgfんFビオhdふぃGfh...!!」
ブクブクと血の泡を吹いて痙攣している井村を再度持ち上げて、その真下によく切れる剣を大量に召喚した。
「あり得たはずの将来はもう返って来ない!お前は取り返しのつかない罪を犯した!よってその汚れた命を散らすことで少しは償ってもらう!!!」
後頭部を鷲掴みにして、井村に大量の剣の山を見せつける。その光景に顔を真っ青にして全身をブルブル震わせる井村は、喧しく俺に叫びかけた。
「お願いだ!!赦して下さい!!今後一生はあなたに償いとして金を貢ぐ!会社の利益全てを杉山に回すから!理想の家とかも造るから!!奪った分を一生かけて返すからぁ!!お願いします!お願いします!!助けてぇ――
あ”あ”あ”あ”ああ”あ”あ”あ”あ”あ”!!」
聞くに堪えない命乞いを無視して、井村を掴んだまま真下へ急降下。剣に刺さる寸前、俺は嘲るように言ってやった――
「おいおいこれは冗談だって!マジになるなよクソ野郎www」
―――ブチャアアアアアアアァ...!!
ギリギリで剣から逃れて、その有り様を見る。
全身余すことなく剣に刺し貫かれて絶命した井村遼の姿がそこにあった。
「俺のことを馬鹿にして辱めた罪に対する当然の報いだ。こんな目に遭いたくなかったなら初めから下らないちょっかいかけてくるな。人間のクズが...!」
冷たく吐き捨てて部屋を出た。今回は現場はそのままにしておいた。別にバレても良いし、犯人なんて分かりはしないだろう。事前に監視カメラは破壊してるし。
とにかく同場所で二人殺すことに成功した。
学生時代、三人目復讐完了。
「は?冗談だって~~。何マジになってんの?ウケるww」
明日からこういうフレーズで言い返してきた奴、殺すつもりでぶん殴るから。
お前らはいつもそうだ...。
“誰かが言ってたから” “皆がそう言ってたから真似しただけ” “別に本気で言ったわけじゃない”
などとそれっぽいことを言って自分は無罪だと主張して逃れようとしやがる。理由になってない戯言をほざいて自分を正当化しようとしやがる。その冗談で俺が激怒して傷ついてるというのに、お前らは冗談だなどと笑って済ませようとしやがる。
じゃあ何か?ネット上の誹謗中傷・SNS炎上に関しても、お前らは同じように冗談だと笑って済ませようとするのか?
お前らが普段からふざけて行っているそれは、あれらと同じことなんやぞ?
自分がされたら厭なことを何でやろうとするかなホントさァ。理解できねーわ。
人の痛みをロクに理解しないクズどもはみんなそうだ。
人を蔑称で呼んで、しかも本人嫌がってるのにそれをやることのどこが、面白いん??なァ?今すぐ、お前の家族を冗談で皆殺しにしてやろうか?
そういうことやろ?冗談なら悪口言って良いし、暴力振るって良いし、殺しても良いんや。
だって冗談やもん。お前らが冗談でふざけて俺の傷を広げるのなら、俺も冗談でお前らの大切なモンを汚して潰して消してやるよ。
それが厭なら最初から冗談や悪ノリで人を傷つけるな!!!
...という気持ちでつくりました。7の続きになりますが、身体的特徴を馬鹿にして、それがクラスや学校中に広まって誰もがそのことでからかい、馬鹿にし出す......なんてことが小学校・中学校、稀に高校でもありました。
中でも不愉快に思ったのは、実際に見てもないのに、自分は見たかのように...
“アイツの〇〇はヤバい。俺一回見たんだけどマジでヤバくてキモかったww”
などとデタラメを言って噂を広めて面白がる...という流れがありました。
本当に不愉快でしたね。こっちの気持ちも知らないで、ただ自分が面白ければ良いみたいに無責任に嘘デタラメを吹聴して人を傷つけていく。
学校ではよくあることで、そういうのは中々無くなりませんでした。
これも完全な虐め行為だと私は思います。根も葉もないことを言われて傷つく人だっています。そういう当たり前のことをもっとしっかり理解して欲しいものですね、今の子ども世代には。そして今の大人世代にも理解して欲しいですね。
青山の会社を出た頃には、もう夕方になっていた。こういう時間にこういう建物から出ると、仕事したわけでもないのになんだか今日の俺は頑張ったなーって思ってしまう。軽く伸びして振り返って、奴の会社を見てるとなんか腹立ってきた。
そうだ、奴の財産でもあるこんなクソ会社なんて壊せばいい、と思い、高威力の魔術を派手にぶっ放ってやった。奴の会社は、屍と化した青山と井村ごと跡形も残らず消え去った。
そしていつもの通り記憶操作と認識阻害をかけて、誰も今起きたことを気にしないように細工した。ここに大量殺人事件と小さな会社破壊事件が起こったことなど全く気付かないでいる有象無象のモブどもは、日常を過ごしていく。目の前に破壊跡があるというのに誰もきにしてないという光景に思わず笑ってしまった、俺がやったことなんだけど。
帰り途中でブリ〇ストンの自転車屋を見つけて、つい入ってしまった。生前の自分の移動時の9割以上がチャリンコだったなぁ。スーパーもファストフードのチェーン店も本屋も全部チャリ移動だったっけ。今となってはチャリ不要の移動能力を有しているから不要なのだが、ズラッと並んでる性能良さげなチャリンコたちを見ていると、何だか乗りたくなってきた。
というわけで5~6万はする上等なチャリンコを購入。そして乗車......おお!この感覚ホントに久しぶりだ!そして漕ぐ...新品で高性能なだけあってグングン進む。快適だ!誰もいない通行路で軽くスピードを出してみる......あ、前走ってる車追い越した。
ここで悪目立ちをする気はないので即座に通路から離れて別の場所へ。今本気で漕いだら、スピード以前にチャリ自身が耐えきれずに壊れてしまいそうだな。力セーブしないと。
その後もしばらく久し振りサイクリングを楽しんでいると......
「――あ...?」
横断歩道の真ん中で停車してこちらの通行を邪魔する車が現れた。停止線あるのにも関わらずそれを越えて、明らかに歩行者たちが通る歩道の前で止まりやがった。
「.........ハァ」
生前も、こういう輩にかなり腹を立てたなぁ。いや邪魔だろうが。それ以前に交通違反だろうが。お前停止線見えてないわけ?太くデカい白線があって、停止する際はそこから前に出てはいけないって教習所で習ってるはずだろうが...!!
通行は歩行や自転車が優先だというのに、明らかに渡ろうとしてる俺の前を横切って横断する車に歩みや通行を妨げられるのは非常に不快だ。つーか悪だろ?俺の中では殺されても文句言われないくらいの悪行だね!!というわけで......
「邪魔なんだよぉこのクソ運転者が、消えろ!!」
――ドゴォ!!!
怒りに任せて通行先に止まってる車を思い切り蹴り上げる。浮いた車目がけて炎の弾を数発撃ち込んだ。直後、車は大炎上して爆発した!
「ぎゃああああああああ......!!」
クソ運転者の断末魔の叫びが少し聞こえたがすぐに消えた。すぐに死んでくれたみたいだ。復讐ではないから殺すことに手間はかけない。蚊を潰す感覚で殺した。周りから悲鳴が上がると同時にいつもの事後処理して騒ぎを鎮静させて立ち去る。まだ往来で俺の行動を認知はさせない、全てへの復讐を達成した後まで全て隠蔽するつもりだ。
まぁその間は自粛することなくこうやって制裁活動していくけどな。後で周りのモブどもの記憶を消せば済む話だし。
で、気を取り直してサイクリングしていたら......
「.........」(ピキィ...)
まーた歩行者優先無視して通行を遮ろうとするクソ運転野郎が現れたあーもう不愉快だ!
「――通行の、邪魔すんなあああああ!!」
右脚を大きく回して蹴りつけて、クソ車を近くの壁に叩きつけた。もの凄くひしゃげる音と破壊音がして車は大破。そして運良く無傷で降りてきた運転者(中年男)が、こちらに憤怒の形相を見せて詰め寄って来た。
「何さらしとんじゃお前ぇ!?俺がお前に何かしたんかぁ、ああ!?」
はいそうやって逆ギレ。ホントこういうゴミは目障りだからすぐに殺そう。
「横断する時に歩行者がいたらその場で停車することってことすらできないわけ?教習所からやり直せよクソゴミ野郎。まぁこの後生きて、通うことなんてないけど...なっ!!」
ブチィ!「ぎやああああああ―――!?(グシャ!)」
詰め寄ってきた汚い男の腕を引き千切り、さらには口に(魔術で生成した)剣を脳天目がけて刺し貫いてやった。投げ刺す寸前に男が恐怖した顔を見せたので気分が良かった。
「全く......日本の全国どこでも、交通ルールをロクに守らねークソ運転者はいやがるな。何でルールを守らないカスどもなんかに運転免許寄越してやがんだ。意味が分からない」
生前見たニュースでは煽り運転とかも出てたっけ。日本人に車という道具を与えたのは間違いだったんじゃないのかマジで。特に運送業の人間以外の奴らなんかには車乗る資格無いだろ、どーせロクにルール守らないんだからさ。まぁ今はどうでもいいか。この件については放っておこう。
さて......今日はまだこれで終わりにはしないぞ。少なくともあと一人は復讐しに行く。というより、次に誰を殺すかは...もう決まってある。チャリンコを拠点へ止めてから俺はその対象がいる場所へ向かっていく。どうやって殺してやろうかなー?楽しみだ、くくく...!
*
時刻は19時。17時30分に定時上がりした男......中林大毅(45歳)は、最近通うようになった、ミドル世代で構成されたフットサル活動の最中であった。小学ではクラブ、中学と高校では部活動、大学ではサークル活動と10年以上のサッカー経験者であるお陰で、このフットサルメンバーの中では彼がいちばん上手くプレーしている。
今回もいい汗をかいたことに満足して、着替えて帰路に着くところだ。中林の通勤路には、途中小さな公園がある。今日も暗くなって誰もいない公園を通って帰って行く......はずだった。
いつもは何事も無く公園を跨いで行く中林だったが、今日はそこで立ち止まってしまった。
立ち止まらずには、いられなかった。それも彼のように平穏な日々を過ごしていた者にとっては無理もないことだ。彼が跨ごうとしていた公園には、人がいた。別にそれだけなら中林は気にすることなく素通りしていたのだろうが、今この場にいるその人間が、常軌を逸していることをしているのならば、話は別だ。
「な......ぁ!?」
公園の真ん中で立っているその男の両手には――
「ったく、公園は喫煙所じゃねーんだよ。ここは自分らの敷地だといった態度でスパスパ吸いやがって。実に不愉快で最低だ。死ぬべきゴミどもだ。
――お前もそう思うよなぁ?
中林大毅ぃ?」
若い男性の首と腕があって、彼が立つ地には赤い血だまりがあった―――
対象 中林大毅
中林大毅は悪賢い男だ。教師などバレたらまずい相手たちから見えない場所で俺を虐げてきた。中学時代での虐めが露見されず大して問題に挙げられなかったのは、中林大毅の巧妙な隠蔽によるものだった。
「おいお前ら、顔面ばっか狙うのは止めときや?先生たちに勘付かれるからなぁ。あと10分したらそろそろ戻るで!」
「うーい」
「じゃあ腹狙うか~~w」
「無様やなぁクソ野郎。ぎゃははははは!」
暴行痕がバレるのを防ぐ為の顔以外への暴行指示と撤退タイミングの良さ。奴はそうやって教師どもから上手く逃れながら俺を潰しにかかった。
「お前、らなんか...いつか裁いて、潰してやる......(ドカっ)ぐあっ!」
「はぁ裁く?やれるもんならやってみろや雑魚が!お前程度の声で誰かが助けてもらえると思うなや!?証拠をロクに押さえられない雑魚が何したって無駄じゃアホがぁ!あっはっはっは!」
「つーか死ねよゴミ虫が!お前が死んだって誰も悲しまへんわ!オラぁ!!」
「っが...!だま、れクソ野郎...!」
「まだ言うか雑魚がぁ!!」
常に多数で取り囲み、一斉に殴られ蹴られて、後は袋にされて終わる...。集団で甚振るようになったのも、中林大毅による策略だ。小学生の時から俺を敵視していた本山純二、中林とはいちばん仲が良い谷里優人を中心に、俺は暴行を受けていた。時々もう一つの虐めグループも加わることがあるが、そいつらがいてもいなくても俺はいつも惨めに無様に傷つけられて終いだ。
「はははっお化けみたいなキモい面しやがってw なぁお前......何で学校に来てるわけ?いつも俺たちに惨めにボコられてるのに懲りずに登校しやがって。いい加減目障りだから、自殺するか不登校になるかして消えてくれへんかなぁ?誰もお前が学校に来るなんて望んでへんって気付けよなクソ野郎」
本山らが主に力による暴力、そして中林はそうやって言葉の暴力をぶつけてくる。
「るせー......お前らみたいにコソコソ隠れて下らない虐めをしやがる、卑怯者のお前らこそが、学校から消えるべきだ!!このクズや――」
「そうやって未だに反抗してくるのがムカつくってんだよボケぇ!!雑魚で何の人望も無いカスのお前が、俺をディすってんじゃねーぞ!!」
(ゴス...!)「ゔえぇ...!」
ムカつくことに、悪賢いだけじゃなく喧嘩も強かった。サッカー部で鍛えた蹴りは、俺をよく傷つけた。同じサッカー部の谷里も同じくらいの威力があるが、中林は的確に鳩尾や肺部分を突いてくるという精度の高さもあった。受けた痛みの中で、いちばん物理ダメージが大きかったのはこの中林だった。
「ほら、またいつもみたいに先生たちに通報してみろや?どーせ意味ねーけどなぁ。だぁれもお前を味方する奴はおらへんっちゅー話や、ざまぁ!!
あっははははははははは...!!」
そうやって見下して甚振って傷つく言葉を吐いて嘲笑う中林に、俺は一度も報復できなかった。ただ悔しがることしかできなかった...。
*
「あーぁ、お前には本当にしてやられたよ。いくら俺が声高に叫んでも味方は現れない。お前らによって調教でもされたからか。教師どもも全く機能しないクズばかりで、孤立無援の日々だった。お前さえいなかったら、中学での虐めは簡単に無きものにできていたやろうなぁ。
お前がいた、せいで...!!」
「っ......!!」
いつも通勤途中で通るとしているこの公園で待つこと十数分、思ったよりも早く現れてくれた次の復讐ターゲット...中林大毅に、俺は一人でに長々と過去の話をした。なるべく本人が俺に何をしてきたのかを思い出せるように話してやった。
その甲斐あってか、俺が誰であるかを理解した中林の顔色が悪くなっていく様は、滑稽で笑えたね。
「杉山、か...!?まだ20代に見えるな...。
――ハッ!あの低脳な雑魚が、まだそうして生きてるなんてな...」
「...ほう?」
これは意外だ。この状況でまだ俺をディする余裕があるとは。いや、よく見ると平静ではないみたいだ...。さっきから俺に恐怖しているのが丸分かりだ!
「それより......それっ、それだよ!!何やそれは!?ひ、人のく...!?血だらけで!お前まさか、人殺しを、したんか!?バ、バラバラにして...!!」
「おいおい大阪訛りと標準語が混ざってんぞ?どっちかで喋れや。で?ああ、このゴミか。いやさっきも言ったろ?ここ禁煙区域じゃん?なのにここで屯して喫煙してやがったもんだから、待ってるついででゴミ処理の一環で殺した。分かったか?」
あっけらかんと答えた俺を、中林は理解できないと言わんばかりの顔を向ける。額からは冷や汗らしきものを流し、即座にスマホを操作する。ああ通報するのね。頭の回転が悪い方で良いのは相変わらずか。
けどなぁ...生憎だが、今の俺は中学生だったあの無力少年とは違うんだよな...!
スパン...!「ぇぁ...!?~~~~~~っ!!?」
瞬時に中林の真横に移動して、スマホを持ったその右手を斬り落としてやった。激しい出血音とともに中林の声にならない絶叫が公園中に響く。因みにこの公園には人払いの結界を張っており、さらにはしっかり防音細工もしてあるので、誰もこの光景を目にすることはない。まぁいつもの対策だな。簡単に失血死とかされたら困るのでなるべく治療は施してあげる。まずは......そうだ、サンドバッグにして遊ぶか。ここは公園だし、たまには体をしっかり動かさないとな!
「というわけで...オラぁ!!加減してあげてるから、簡単に死ぬなよっ!!」
ゴッッッ!!「あ”...!!」
ガスンンンンンン!!「ぐおあっ!!」
ゲシゲシッ!ドカッッ「がっ!ごっ!え”あ”...!」
本気で数発殴っても死なない程度まで弱体化してから一人リンチを繰り広げる。10分間殴り続けると、この寒空の下でもけっこう汗をかくものだな。
「ハァ、ハァ、ガフッ!ォエ...!」
そしてさっきから一方的に殴られ続けていた中林は、前歯が全て折れて、鼻が陥没、両頬は腫れあがっていて、スーツは土と泥で汚れて破けていた。
「ははは、無様だな。お前らが俺にしたことを今一人で全て再現してみたんだが......あ~~思い出すなぁ、あのクソッタレな日々を。俺はこんな風に無様を晒して倒れていたんだな?そらお前らも嗤ったわけだ!だって今のお前、すげ~~~無様で笑えるんだからさぁ!あーーーはっはっはっはっは!!」
しばらく腹抱えて笑っていると、よろよろと覚束ない足取りで立ち上がって、荒く呼吸をしながら中林は俺を睨む。
「お、ま、え...!!いきなり俺にこんな仕打ち、を...!暴行、刃傷沙汰、そして殺人...!言い訳が効かないくらいの犯罪を重ねたお前、は......死刑や死刑!!中学の時から分かってたことやったが、お前は悪人や!!いつか犯罪を犯すだろう生きる価値無いクズや!だから...正義側に位置する俺らが、あの時から裁きの一環でお前を排除しようとした!そして思った通り、お前はそうやって犯罪に走った!」
「......」
「言い返せないか?何せ事実やもんなぁ!?あれからお前がどうなったかは知らんままでいたが、どうせロクな人生を歩んでやかったんやろなぁ?雑魚で低脳で人望が無いお前なんかに、社会での居場所なんかどこにもな――「もう黙れウザい」
――がぺっ!?」
うるさく喚く中林の顔面に、溜めに溜めたパンチをめり込ませて、遊具へ吹き飛ばした。というか、聞くに堪えない戯言がいくつか聞こえて、いったいどこからツッコめば良いのやら...。とりあえずこれだけは言うとしよう。
滑り台で伸びてる中林の胸倉を乱暴に掴んで地面に再度這いつくばらせて、見下しながら言葉を吐く。
「あのさぁ......“正義”っつったお前さぁ?誰が?お前が??なぁ...マジで何言ってんの?
仮に俺が悪だったとしてもだ。あの時、多勢に無勢と言う卑怯な策略を行い、陰で俺を虐げてきたお前が、自分が正義側とかって、どういう了見なんだろうな...?悪人相手だろうが、ああやって日常的にリンチを行ってきたお前こそが、悪人で犯罪者なんじゃねーのか。というかモロ犯罪者だろうが。自分のこと棚上げして俺を犯罪者呼びするとか意味分かんねーんだよ。頭沸いてんのか、え?」
「な、にを...言って......ぇえ”!?」
「何言ってんのかってお前にだけは言われたくねーよ。ここまできてまだ惚ける気ですかー?んん?
お前らがしてきたアレは虐めだよ虐め!紛れもない事実だろうが。人を心身ともに傷つける行為をそう呼ばずして何て呼ぶんだよええ?しかもお前らは重度の虐めを!俺にしてきたんだ!!忘れたとは言わせねー!!ここにお前らの被害者が、こうして憤慨して憎悪の目を向けてる限り、人の何もかもを踏みにじったあの最低行為をした覚えは無いだなんて絶対に言わせねーぞ!
お前は特に赦さねー!!ここであの3年間溜めてきた憎悪を全てぶつけてやるよ。生まれたことを後悔する程の苦痛を与えてやるっ!!!」
「か......く、るし...!」
まだ惚けようとする中林の首を掴んで持ち上げながら罵詈雑言を苛烈にぶつけていく。
「苦しいか?ハッ、この程度で音を上げてんじゃねーよ。俺はこんなのが楽に感じるくらいの傷と痛みと屈辱と苦しみを散々与えられてきたんだからなぁ!お前から受けてきたんだよ......中林大毅ぃ!!!」
「!!あづああああ”あ”あ”!!」
摂氏数百度にまで熱した鉄の棒を当ててやる。ジュゥウと炒め物を調理するみたいな音がした。
「まだまだ行くぞっ」
「いだあああああ!!」
次は卸包丁で――――、熱した棒を押し当ててグリグリと――――、さらに――――など、楽しく甚振ってやった!
「!!う”わ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”いだいあづいいだいあづいぃいいいいい!!!や、べろっ!!その棒を手足に当てるなぁ!!」
「あ?お前が俺にあれこれ指図する立場だと思ってんのかクズが。誰が止めてやるかよ。俺がそうやって制止の言葉を叫んでお前らが止めたことあったか?ん??」
「そ、ぞれは...!」
「まぁそれはそうと...この熱い棒は嫌か...。だったら、これはどうか...なっ!?」
そう言ったと同時に、俺の両手から粗塩を召喚させた。それを手に万遍なく付けて、中林の剥き出しになった赤い体に思い切り叩きつけた!
「あ”......あ”あ”微kjgふぃfgfg伊hhごあ”あ”!!?ぎゃああああああああ!!!」
「あっはははははははは!!どうだ?目がチカチカして意識飛びそうになったか!?痛いだろ~~?傷口の粗塩塗りはマジで痛いよな~~~。
これも、お前がしたことなんだけどなぁ...!」
「あ......あああああああああああああ...!!い、たい...痛いよぉお!」
ホントあれは拷問に近い仕打ちだったね!このクズは大体最後、傷口に家庭用の粗塩を塗りたくってきて、激痛にのたうち回る俺を見て嗤ってやがったんだ!今もあの時と同じ仕打ちを、今度は俺がこいつに体験させたに過ぎない。まぁその痛がり方には同意するよ...。
「ほら、塩はまだまだあるから......ここにっ!」
ドンと音を立てて、人一人が入りそうな壺を召喚。そこに中林を無造作に放り入れる。
「ひぃ、何を......こ、これは全部塩―――ひぃぎゃあ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!!い”やあ”あ”あ”あ”あ”あ”、た、助けでぇ!!!」
「ぶはあはははは!!そう、その壺の中には粗塩がぎっしり詰まってる!そんな傷だらけの体でこんなところへ入ったら、それはそれは......お気の毒です!ぶわははははははははははっ!!」
壺に蓋をして、暴れる中林を閉じ込める。あーあー、暴れたりなんかしたら余計に塩が体に付いてしまうというのに...。壺を横倒しにして、軽く蹴って転がしてやった。中から中林の声にならない絶叫が聞こえてきてすごく笑えた。数分間転がしたところで、壺を割って、中身を出してやる。上半身塩だらけで憔悴しきってる無様な姿は滑稽だった。
「杉山ァ......許さん!!お前みたいな狂った男は法で裁かれて、死刑にされろぉ!!
誰かァ!!今すぐコイツを抑えろォ!!おいっ!誰か近くにいないのか!?早くこの狂人を何とかしてくれぇ!!!」
中林は壺から出るなり俺に罵声を浴びせて、公園の近くにいるであろう誰かに助けを求める。今さら助けを呼んだか...遅くね?余裕なかったのかねぇ。まぁ叫んでも全然意味無いが。
「あー必死に叫んでるところ悪いんだけど、どんなに頑張ってヘルプシャウトしても誰もお前に気付いてくれねーぞ?俺がそういう風に細工しておいたから」
「は、あ...!?何言ってんだお前はぁ!!これだけ騒いでたら近所の住民か誰かくらいは気付く―――!?」
「おお、悪賢いお前なら気付いてくれると思ったぜ。そうおかしいよな?さっきか凄い音量で喚いてるのに、誰もここに近づいて来ねーもんな?つまりそういうこと。ここには誰も来ないし誰もお前の有様に気付かない。そうだなぁ...ここに人が来るとしたら、お前が俺に殺された後じゃないかなぁ?」
「な......な、な...う、そだ...!あ、ああ...!!」
咄嗟に俺の言葉を否定したが、この状況と俺の言った内容とを照らし合わせて辻褄が合ってることを認めた様子になって、絶望した...ってところかな。面白いなぁ...復讐対象がこうして絶望してくれるのはさぁ...!
「な、なぁ...。俺は確かに中学では杉山には大変なことをやらかしてしまった...!最初は本山や谷里に誘われて軽い気持ちでやったことなんだ――」
「出たよその“軽い気持ち”っていうフレーズ。お前らはどうしてその軽い気持ちとやらであんな風に人を理不尽に虐げたりするんだろうな...。こうして話してみれば、やっぱりお前こそが最低な悪人にしか思えないよなぁ。違うかい、ねぇ!?」
俺に凄まれてすっかり萎縮した様子の中林は、辛うじて見苦しい言い訳を続ける。
「あ...あの時の俺は、まだ物事の区別がつかずにいたガキだったから......人の痛みのことなんかロクに考えずに行動してしまって、それで――」
「“ガキだったから”......僕たちは若かった、子どもだったからあんなことしてしまいましたー、って言いたいのか今度は?なぁ......言い訳するならもう少しマシなことを言えよ。さっきのにしろ今のにしろ、ソレっぽいことを都合よく言って、逃げようとしてるようにしか聞こえねーんだよアホカスが。
それに当時13才のガキにでも分かることだよなぁ?“人が本気で嫌がることは止めましょう”、“むやみに傷つけるのは止めましょう”ってさぁ。小学校の道徳とかで習わなかったわけぇ?
そういう当たり前のことをロクに守れない分際がさぁ、俺が悪人だ犯罪者だ狂人だとか抜かしてるのは何なんだろうな...?お前は何?自信もって言えるのか?自分は潔白だ、正義側だ、悪いことはしてきてませんって...」
「う......あああ...!」
「そろそろさぁ......自分がしてきたことについて真剣に何か言うことないわけぇ!?」
(骨が砕ける音) 「――びぇああああああ”あ”あ”...!!ご、ごめんなさいいいいい!!俺は、悪人だ!寄ってたかって杉山を甚振って虐めたことは事実で、それはやってはいけないことで......悪いことでしたああああ!!俺が悪かったあああああ!!すみませんすみませんすみません...!!」
両脚の脛を砕かれてまた絶叫を上げてから、中林は自分が悪だと自認して、今更虐めのことを謝罪してきた。赦す気なんてこれっぽっちも無いのに必死だねぇ...。
「言ったよねぇ?生まれてきたこと後悔させてやるって...。これで終わりにするわけねーじゃん。あの3年間を上塗りするまで、お前は...俺に理不尽に虐げられて、もっと苦しむんだよ...!俺は、お前に復讐しに来たんだから...!」
“痛覚過敏化” もっと痛がれぇ!!
ドゴッ...!「ごえええええ!!いだ、あああ...!」
「お前の痛覚を数倍強くした。こんな弱い蹴りでももの凄く痛いやろーなぁ。さて、今すぐ死ねると思うな?まだまだ満たされていないんだよ...。さぁ続けるぞ!!」
「い”、やあ...!ごめんなさい赦して赦して赦して助けて助けて殺さないで見逃して―――」
――この後も、夜が深まっても中林を甚振り続けた。
朝日が昇り始めたところでようやく終了してやった。非常に楽しかった。こいつは虐めの主犯格だったから、今まででいちばんスカッとした!
太陽の光を全身に浴びながら、拠点へ帰って行った。
学生時代の復讐 4人目完了。
最近、大阪市内の至るところで奇妙な惨殺事件が発生している。死後からだいぶ時間が経っているものがあれば、死んで間もない状態のもあった。
被害件数は確認できている限りでは既に10件以上にも上っている。被害者の死因はどれもバラバラで規則性は無い。
ただ...そのうち3人は激しい損傷を受けていたのこと。その3人に余程の怨恨があったとされる。
これだけの内容だと、猟奇的な連続殺人事件として捉えられることだろう。しかしここ最近で発生した殺人事件のどれもが、屋外...それも往来の場所で発生していたのだ。にも関わらず、殺害の瞬間を目にした者・犯人の姿を目撃した者は誰一人としていなかった。屋外の監視カメラでさえ、犯行の瞬間を捉えておらず、突然死体が浮上したとのこと。
この時点でも前代未聞の怪事件とされるのだが、おかしな点はまだあった。
殺された者たちの身柄が、一切不明になっているのだ。名前や住所を示す物を頼りに戸籍確認しても被害者たちに該当するものは無く、勤め先と思われる会社もそのような人物は社員の中にはいないとのこと。
まるで......被害者に関する記憶・情報までもが、消されてしまったかのような、不気味な現象が起こり始めていた...。
*
「ひょおおお!このボリューム、相変わらずだぁ...!」
虐めの主犯格の一人...中林大毅を殺した後、朝帰りしてすぐ眠ってしまい、目が覚めた頃にはすっかり昼になっていた。腹がすごく減っていて何かガッツリ食いたいなぁと思っていると、ツイッターで偶然、あのラーメン画像を目にしてしまい、衝動的にその店に行った。
その店は既に行列ができており、注文する番まで30分以上待つことになった。普段長時間待つのを嫌う俺であるが、今回は我慢できた。それだけ待つ価値が、俺にとってあるからだ。
ラーメン二郎。生前俺が好きだった超ドカ盛りラーメンだ。
このラーメンの凄いところは...とにかく量がもの凄いことだ。いちばん小さいサイズで普通のラーメン店の大サイズと変わらないボリュームだ。分厚い焼き豚、大量の野菜と背脂とニンニク、そしてうどんと見間違えるかのような極太麺。総重量は最大3㎏を超える程で、カロリーは成人男性の一日必要な分のそれに匹敵する。
今まさに、俺が食そうとしているラーメンがそれだ...!丼から高さ15㎝は積まれた野菜と肉を前にした俺の目は輝いていた。こうしてまたこの怪獣サイズのラーメンを食べられることに俺は感激しながら食べた...!
口を大きく開いてかぶりつく焼き豚の食感と味は最高!麺を固めで注文しておいたからすぐにはのびない、楽しく食べられる!天地返しという麺と野菜の配置を逆にするこの食べ方がいちばん美味しいのだ!おお、ニンニクがこれまたすごく合う合う!!そして最後に余った野菜に背脂をかけて一気に食らい、スープも飲み干す!!
異世界活動の影響からか、生前の思春期以上に胃袋がデカくなっていて、いちばん大きいサイズの全部乗せでも容易に完食した。
「ああ、最高だ...。脂質と糖分がもの凄い食べ物だと分かってても、止められないんだよなぁ...。こうして肥満人間が出来上がっていくんだろうなぁ...なんてね」
来月また来ようと誓って、新しいゲームを買って帰って行く。今日は...のんびりしよう。ああいう復讐活動って、けっこうエネルギー使うんだよねー。俺には力がある。俺がしたいことは、この世界でなら何だって出来る。焦る必要は無い。復讐の合間はこうやってゲームや懐かしいグルメを楽しもうではないか。
しっかし、当時はバージョンが4までだったプレイステーションが、今ではもう6になってたとは。俺まだ5で遊んでねーってのに。スマホも今何て言ったっけ?種類多すぎて分からない。適当にいちばん高いやつ買ってきたからこれが最新型だと思うが。携帯ゲーム機のswitchも最近生産が終了していたのか。まぁこないだヤフオクで見つけたから落札したから大丈夫だけど。
本当に色んなゲームが出てる。知らないポケモンが数百匹いるし、新しいモンスターや新しい狩猟武器がわんさか出てるし、スマブラファイターもまた増えてるし。何から手をつけようか。こーいうのにハマってるとつい他のことを忘れてしまいそうだ。まぁこのゲームをクリアーしたら動くとしよう。
復讐の道はまだ序盤の方だ。殺さないといけないゴミクズはまだいっぱいいやがる。学生時代の復讐対象は残り8人。どれも腸煮えくり返るくらいに恨みがある奴らだ。というか、残り全員が虐めの主犯格だから、そりゃ苛つくわけだ。一人一人丁寧に苦しめて甚振って、地獄を見せてやろう...!
引きこもり生活を続けること約1週間。ゲーム全てやり終えた俺はもう殺る気満々だ。次殺す奴も決まっている。今回は...3人揃っているらしい。一気に復讐ができそうだ...!
場所はここから数十キロ。では、さっそく行こう!!
*
大阪府内の比較的北部に位置する市......東大阪市。中小企業が盛んな地域、かつてラグビーワールドカップが開催された地として有名だ。
その市にあるやや大きめの公園...花園公園に、彼らはたむろしていた。
その会話内容は......聞くに堪えない下衆なものだった。最近レイプした女のこと、恐喝した時のことなど...人としてクズな内容だった。
金髪ピアスでタバコを吸ってる男...中村一輝《なかむらかずき》。
黒短髪の長身でスマホを見ている男...小西陽介《こにしようすけ》。
黒髪で眼鏡、高価なコートを羽織っている男...前原優《まえはらゆたか》。
彼らは中学からずっとツルんでいる仲で、かなりの悪事をしてきている。
恐喝・強姦・傷害・煽り運転......数えるとキリがないレベルだ。
これだけ悪事を働いているにも関わらず3人がこうしてのうのうと暮らしているのは、前原の強い権力が理由とされている。
彼は府知事と繋がっていて、とある暴力団とも提携している。彼の親類がそれらと親友関係だったこともあって、前原本人はそのコネクションを利用して後を継いだ。それを良いことに、過去数十年間様々な場所で犯罪行為を裏で犯してきた。
そして中村と小西も、そんな前原のコネのお陰で今日まで捕まらずでいられている。
そんな3人が公園のベンチを占領して駄弁っているところに......
俺は、非殺傷性の爆弾を投げつけた――!