「転生して帰って来た俺は 異世界で得た力を使って復讐する」はこれにて完結です。
最後まで読んでくれた方々には感謝しかありません。復讐パートだけ読んでくれた方々にも感謝してます。
最後は作者の私による作品の雑感などを色々記して終わろうと思います。飛ばし可です。
そもそも、こんな物語を書こうと思った時の自分は、リアルに対して苛々していてばかりの日々でした。
社会での活動・人間関係でのクソムカつくこと。
通勤途中にちらほら出現してくるヤニカスや、歩行者や自転車の横断を優先せずに突っ走ろうとする交通ルール違反者。
他にも近所のうるさい声や、バイクや車で必要の無い大きな音を出す。ロクにしつけをさせてないクソ犬の耳障りな吠え声などなど。挙げたらキリがない程です。
それらの社会・日常で生じる苛立ちや不快感を少しでも晴らすべく、こういった物語を書きました。
内容はほとんどが学生時代・学校への復讐となってますが、あれらの出来事は割と誰もが経験したことがあるのではと考えてます。
大人になった今では、中学や高校で根に持ってたことなどもう気にしてないしどうでもいいと思う人もいれば、学生時代で受けた仕打ちを思い出すと未だに腸が煮えくり返る、あいつぶん殴りたい(殴りたかった)などと思う人もいると思います。
後者側の人間である私は、当時の忌まわしい記憶を掘り起こして、さらにもしもあの時、あいつらをああしてたらこうしてたら...あんな目に遭わせられたら...と考えながらこの作品をつくりました。
私は、出来た人間ではないが故に未だに学生時代での出来事や日常でのちょっとしたトラブルのことを引きずって根に持つことがあります。そしてその何もかもを全部相手のせいにして、さらにそいつらが不幸や絶望のどん底に落ちたらなーと思ってもいます。
そういった負の感情を糧に、本作「転生復讐」をつくりました。
この作品は読めば分かると思いますが、「万人受け」ではないです。かなり偏った読書層に向けた、もしくはどの層にも受けない感じの作品です。主人公がただただ自分の恨み憎しみを晴らす為、自分の快の為に人殺しをしまくる作品です。
復讐から始まり、それが終わった次は自分が気に入らない・要らない種類の日本人を片っ端から消していくという、織田〇長とかヒ〇ラーとか金〇恩とかがマシに思える(?)ような、狂いきって壊れきった人格障害者。それが今作の主人公でした。
復讐といってもやり方はいくらもあります。対象の財産(経済)を破綻させて追い込むやり方、社会的地位を徹底的にぶち壊して底辺のさらにどん底に突き落とすやり方、心が病むまで精神的に色々追い込むやり方等々。
しかし私が考える最高の復讐とは、単純な物理的手段による方法です。
相手の顔を腫らすまでぶん殴る・蹴る。手足を粉砕する。アバラ骨を何本も折って内臓も踏み潰す。目玉をくり抜いて生爪をべリべリと剥がす。
そして対象の命を完全に絶つ...つまり殺すことです。
単純にそいつが生きていること自体が我慢ならない、許容できない、この世から消えてほしい、生きてたらそのうちまた自分に害が降りかかるかもしれない。
など、単にムカつく、目障り、危険だから物理的に排除しよう。
それが私が考える理想的な復讐です。
物理的手段…要は「暴力」で相手を痛めつける。これ自体がもう快感に思うのです。自分の手で直接ズタズタにしてやることこそが最高の復讐だと私は今も思っています。
そういうわけで今作の復讐対象には、皆残酷に甚振られて無惨に殺されてもらいました。痛めつけてばかりでつまらないなどの批判コメもいただきましたが、私が望むやり方を突き通させてもらいました。私が望んでいるのは飽くまで「物理的に残虐非道な手段」ですから。今さらですがそういった展開が無理な方は、ブロック推奨です。
以上が私が「転生復讐」をつくることにおいてのきっかけや、書く時の動力源などについてでした。
今作で主に活躍した人物は、主人公とリリナ王女だったと思います。
すれ違いから生じた惨劇。現代世界に戻って復讐と過激な粛清、そして利己的な日本列島改造を進める主人公と転生して女神になって色々成長していくリリナ。やがて二人はそれぞれの譲れないものの為にぶつかり合います。
最後はあんな終わり方になりましたが、リリナには我がままになる、ならざるを得なかったという選択をさせました。
どうやっても更生させる術が皆無の主人公。自分の声・言葉ではもうどうすることもできない。ならばもう自分の我がままに付き合わせるしかない、という展開に持っていきました。
どうしようもないから自分も勝手になって我を無理矢理通す。リリナが選んだ解決策はそういったものでした。
この結末は、最初から考え付いていました。主人公は復讐を完遂させるが、最後は主人公が望まない結末を迎えることになる。そういう物語を最初から頭にぼんやりと浮かべながら書いていました。
説得が無理、情に訴えても効果無し。だから我がままになって相手を巻き込んで何もかもを自分の思惑に嵌めていく。盤面を叩いてひっくり返す。そこには理屈のりの字も、論理のろの字もありません。
しかし時にはそういった手段が必要な時もあると考えられます。今作の主人公への対応がまさにこれが適任だったと思います。彼はもう誰にもどうしようもできないくらいに壊れ切ってしまってたので。
最後の最後にアナザーエンドという「ifエンド」を書かせてもらいました。
これは本編を書き切った後に思い浮かんだ内容で、いわゆる気まぐれで書いたお話でした。元々は書く気はありませんでした。しかし後で全部読み返してみて、「最後は少し、優しい世界にもっていこうかな...?」と、ふと思い浮かんだので、急遽書き足しました。
二人には仲良く幸せになってくれたらなと思います。
長々と色々書きましたが、これにて「転生復讐」の連載は終わりにさせていただきます。
読んでくれた方々に改めて感謝!!
「転生して帰って来た俺は 異世界で得た力を使って復讐する」 完
*本小説サイト「ノベマ!」では本作の他にも掲載している作品があります。そちらの方も読んでいただけると嬉しいです。