数秒後……


 「あ...あァ!?そうか、俺の声がうるさいとか意味分からんいちゃもんをつけてきたクソガキ…!というか、異世界転生だ?何をふざけ...」
 「まだ信じない気か?まぁいいや。お前に理解させる必要は別に無いし。ただ俺が満足すれば良いだけだし...!」

 まだ俺が杉山友聖だと認めないようだが関係無い。ただこいつをぶち殺せればそれで良い。
 まだ何か喚いている瀬藤の頭を掴んで天井にぶつける。落ちてきたところを胸倉掴んで拾い上げる。

 「かっはァ...!ハッ、仮にテメェがあのクソガキだったとしても、あのトラブルはどう考えても俺に非はねーんだよ。無駄に騒いで問題にしたテメェが悪いだけだろうが!人の大声くらいで難癖つけてんじゃねーって話しだ!」
 「......」
 「それにしても、あのクソガキが部屋で飢えて死んだって後で聞いた時はお笑いだったぜ!まさかあのご時世でそんな死に方をする奴がいたなんてな!というより死ぬ少し前からそいつは無職の引きこもりだったみたいだなぁ?ハッ、負け組に相応しい死に方だ!くだらない理由で人に文句を言いに来るような奴はさぞ社会でうまくいかず逃げてきた負け犬のクズだからそうなったんだろうなぁ!ざまぁないクソガキだったなぁ!はははははははははぁ!!」
 「......」
 「なぁおい。何か言ったらどうなんだ?テメェがあの社会の負け組クズだってんなら、死ぬ前どう思ってたのかを。どんな気持ちだったのかをよぉ。なぁおい、何か言えよ!!クソガ――」


 「あーもう、うっさい!」
 ブチィ...!「へ、え...?あ、あぎゃああああああ”あ”あ!!?」

 
 聞くに堪えないこのゴミクズのお喋りを黙らせるべく、右腕を素手で捻じり切ってやった。色んな筋繊維と関節と骨がいっぺんに折れる音がして、ズタズタな断面を残して右腕がぼとりと落ちた。その数秒後、目の前にいるこのゴミクズは情けなく絶叫した。

 「黙って聞いてれば、俺に非はなかっただの俺が負け組だのとかどうとか。え、何?何途中から俺の悪口ほざいてるわけ?今はそういう話してねーだろ?何クソ下らない質問投げかけてるわけ?今は俺が話の手綱を握ってるわけなんだけど?勝手に話題変えようとしてんじゃねーよ。今この時間は、お前が俺を馬鹿にする時間じゃねーんだよ。
 俺が、ただただ、お前をたくさん苦しめてから殺す...そういう復讐の時間なの。分かったかこのゴミクズが!!」

 「う、腕があああああ!!は?何でどうやって!?今素手でぇ!?いだい!痛い痛いいだいい、たいいいいいいいいいッ!!」
 「聞けよゴミクズが。勝手に喋っておきながら、俺の話は無視かよ、なぁ?」

 グシャッ!「い”あ”あ”あ”あ”あ”あ”脚が!左脚がぁ!!!」
 
 今度は左脚を踏み砕いた。脛が砕ける音は中々変わっていた。面白い。面白いので反対側も同じように踏み砕いた。そしたらまたうるさく叫ぶので顎を蹴り砕いた。
 
 「あ”っ!かばぁ...!」

 「もう一度言うぞ?俺は何の因縁が無い相手にこんなことはしない。こういうことをする原因は、必ずそいつ自身にあるんだ。なぁ思い出したか?お前が俺に何をしたのかを。思い出してるよな?日常的に、特に女か誰かを連れ込んだ時はマジでうるさくしやがって。就寝時までうるさくしたことあったよな?こっちはそれについて文句言ったわけ。そしたら逆ギレされて、挙句俺までお前と同列で悪者認定されたってわけ。全部お前のせいで、お前がうるさくしたのがきっかけで!俺は凄くすごぉく嫌な気持ちにさせられたわけ!
 なぁ、それが何だ?俺が悪いだけ?難癖つけただ?マジで何言ってんの?頭湧いてるのか、あ”?」
 
 「がっ!ごへっ!ぶがぁ!ひぎぃ...!」

 今度は俺が怒りと殺意が乗ったお喋りを披露していく。途中から顔面に拳を入れてやった。瀬藤の顔面がみるみる醜く腫れあがっていく。もう血と涙でぐしゃぐしゃになったこのクソ隣人の首を掴んで、そのまま何度も壁にぶつけまくった。
 壁にぶつける度に、肋骨が折れて内臓が損傷していき、血反吐を吐いている様はマジでキモかった。

 「ぎゃあああああああ!!じ、事実だろがぎゃあ”あ”あ”あ”!!これは、ただの逆恨みだぁ!!こんなことしてもただ犯罪をおかしぎゃああああああああ!!!だ、から...もう止め......」

 「うん、お前がどう評価しようがどうでもいいから。お前は昔、俺を嫌な気持ちにさせた。とてもとても、不愉快にさせた。俺の日常の風紀を乱した。前世でのお前の罪はそんなところだ。さらに今日、お前は俺を侮辱した。これも名誉毀損罪。十分動機が揃ったな?だから復讐する。お前を残酷に殺すことが、お前への罰だ。これよりお前...瀬藤欣也の処刑を行う!お前にこの国の法律が適用されない。今この場この時間の中では、俺に全てが委ねられる!」

 錬成で造った大きな釘を四肢にそれぞれ雑にぶっ刺して空中に浮かせる。両手足から血を大量に出しながら、瀬藤は今さらながらに謝罪をしてきた。

 「わ、悪かった!昔、俺がうるさくはしゃいでた俺が間違ってた!ゴメン、ごめんなさい!あのことは謝る!そうだ、俺はここを出て行く!あんたは今あの部屋にいるんだろ?俺はここから出て行く。そしたら丸く治まるはずだ!頼む!もう赦してくれ!俺だけが悪かった!だから!なぁもういいだろ?これだけ謝ったんだし、あれからもう二十年以上経ったんだ!これだけ時間が経てば溜飲が下がったはずだろ?だから、もう赦してくれよおおおおおおおおおお!!!
 これを解いてくれえええええええええええ!!!」

 あれだけ俺が悪い、自分に非は無かったなどとほざいておいて、腕一本無くなって両脚砕かれて顔面何度も殴られたくらいで真逆のことを言いやがる...。

 「で?簡単に言葉を覆すそのクソみたいな言葉に、中身なんてあるのか?遺言はそれで良いようだから、これから本格的な処罰を行います!」

 「て、テメェエエエエエエエ!!この悪魔がああああああ!!!」
 「もう口を開くな。息が臭いんだよ」
 
 舌を焼き溶かして言葉を発せなくした後、俺は目にも止まらぬ速さで両腕を動かして、瀬藤の全身を滅多打ちした。体力は無尽蔵にあるので、10分間ずっと殴り続けた。
 全身に痣ができたところで、次は魔術による裁きだ。


 「 “目一杯苦しめ” 」

 テキトーに短縮詠唱した闇魔術を発動して、体内に細胞を破壊するウイルスを発生させた。闇属性の魔術は、人を幻術にかけたり、体力をごっそり奪う属性攻撃だったり、光属性を滅ぼすなど色々あるが、特に人を苦しめるという要素が、俺は気に入っている。
 今回は病原菌を発生させる闇魔術を使用した。あらゆる病気を発症させるウイルスを相手の体内に発生させて病死させるという、一種の拷問・処刑魔術だな。なんとも、復讐にぴったりな魔術ではないか!素晴らしい!見ろよ、あのクソ隣人の様を!
 体が次々と壊死していって、内臓が炎症を起こして破壊されて、なんか黒っぽい血を吐き出してて、それはそれは中々グロくて、でも無様で!


 「ぶっははははははははは!キモっ!今のお前、マジでキモく映ってるぞ?痛い?ねぇ苦しい?楽にはさせねーぞぉ。二十年以上積もったこの憎悪は簡単に終わらせねーから」
 「――!!―――!!!」

 「は?なんて?まぁいいや。そういやさっき、二十年以上も経ったなら溜飲が下がってもういいや、って思えるはずだとか何とかほざいてたな?

 んなわけないだろ?俺は根に持つタイプなんだよ。たかが二十数年で溜飲が下がるわけねーだろうがよ馬鹿かよ死ねよクソゴミ隣人が」
 
 「......!!」
 
 少し顔を近づけてガンを飛ばしながら、低い声でそう言った俺を見て、瀬藤は恐怖からかブルブルと震えて真っ青な面で涙を流した。50にもなるいい年したオッサンが、恐怖でそう泣いてんじゃねーよ情けないなぁ。

 「よし...おいもっと苦しめよ、瀬藤欽也。これは...お前らにとっては下らない復讐動機なのかもしれない。けどな、そんなこと俺には知ったこっちゃねぇ!!
 お前がしたことは、俺にとってはここまでする程の罪があったんだってことを、その体が完全に滅んで、死ぬまでしっかり教えてやる...!」



 そしてこの後...数十分間苦しめた後、脳にウイルスを侵食させてしっかり破壊した。
 これで瀬藤欽也を完全に壊して.........殺した!!


 まずは一人、復讐達成...!