私とは正反対の彼が、苦手だった。
私が生きたことのない世界を見ている気がして、羨ましかった。
いつも自信に満ち溢れていて、自分の思いを素直に伝える彼が、妬ましかった。

でもそれは、上辺だけの彼の姿。
私には想像のつかない辛さを知った彼だからこその人柄だった。
もし今の私が、昔の彼に出会っていたら、辛かったね、本当にごめんなさいと言って、抱きしめてあげたい。
彼の強い言葉の裏には、人一倍の優しさが含まれている事を、私は知っている。
人と関わろうとしないのは、その人を傷つけてしまうかもしれないって、思ってしまうからなんだよね。それでも本当は、孤独は辛かったんだよね。

でももう大丈夫。これからは私が傍にいてあげるから。私が奪ってしまった分、あなたにはもう寂しさを感じさせないから。
春は桜を見に行こう。
夏は海で遊ぼう。
秋は焼き芋を食べよう。
冬は雪だるまを作ろう。
人生は長い。たくさんの思いを感じるだろう。時には喜び、時には苦しみ。それでも、あなたが横にいるだけで、私は世界一の幸せ者になれるんだ。こんなにも広く、たくさんの人がいる世界で、君に出逢えたという事は私の人生の誇りです。
真っ直ぐな飛行機雲が伸びている青空の下、私達は、精一杯に生きている。