九角形のビフレスト(虹の橋)の鍵で開いた石の扉から、蔓の巻き付く螺旋階段を戦士チームが降りてゆく。体重の軽い順番で、チーネとアリダリ、トーマとソング、ジェンダ王子とエリアンが腐りかけた踏み板を確認して足を踏み出す。

「真っ暗で、下が見えねーぞ」

 ソングとジェンダ王子が松明の明かりを下方に向けて照らすが、螺旋階段の着地地点は見えない。

「まるで、古城の魔物の棲家だ」
「ほんと、怪しい雰囲気っす」
「アリダリ、下にはウルズの泉があるだろ?」
「そういえば、水中を潜った記憶があるぜ」
「わしがソングを人間界から連れてきてやったのじゃ。まだ幼かったから、気絶して往生したぞ」
「ふーん」
「チーネ。トーマもバカにすんな」
「フム、下には門番の地竜がいるから気をつけろ」
「チーネは平気だ」

 チーネが手摺りの蔓も使わずに螺旋階段を降り、アリダリに手を貸して順調に先頭を進むが、中程の踏み台の根元には切れ目があった。

 ナイフで細工した微妙なトラップで、トーマとソングが踏んだ時は大丈夫だったが、ジェンダ王子で少し傾き、エリアンがその踏み台に足をかけた時に完全に折れ、王子、ソング、トーマ、アルダリとドミノ倒しのように螺旋階段を落下する。

「アリダリ」と、チーネが柱の蔓に捕まって手を伸ばすが、アリダリの足を掴んだソングとトーマと王子が連なり、最終的にエリアンが全員を道連れにした。

「アッ、痛~」

 広い岩室の床にアリダリとトーマ、ジェンダ王子が重なって落ち、ソングの上にエリアンがボディープレスして、螺旋階段の切れ端が頭や背中を打ち付ける。

 ソングは仰向けでエリアンの豊満な胸と石床にサンドされ、息苦しさと心地よい弾力に呻く。

『ブェッ、ジ、ヌゥ……』

 普通の者なら重症か死に至る滑落であるが、戦士チームは神族と妖精族から選び抜かれた能力者であり、ソングも人間とはいえ勇者ゼツリの息子である。息を詰まらせながらも、戦闘服からはみ出した乳房の感触に股間のドラゴンが目を覚ます。

「あっ、ソング。大丈夫か?」

 エリアンが上半身を起こして悶絶気味のソングの顔を見下ろすと、またもやキュートなソングが瞳に映り、思わずハミ乳を押し付けて抱きつき、ソングの股間の膨らみに太腿を擦り付け、挟み込むて悦ぶ。

『魔法の効き目は順調ですね』と、うつ伏のジェンダ王子がその光景を横目で見て微笑み、アルダリとトーマは起き上がったが、踏み板の破片が落下してアルダリの頭に当たり、またもやバタッと倒れ込む。

 螺旋階段から飛び降りたチーネはエリアンの体を持ち上げて剥がし、朦朧としているソングの顔を覗き込んで頬をペタペタと叩く。

「ソング、しっかりしろ」

 ソングは恍惚の表情で涎を垂らして「オッパイ……」と呻き、チーネは股間を足蹴りにしてエリアンに警告した。

「エリアン。戦闘服から乳がはみ出てるぞ」

 茫然と突っ立つエリアンは胸がもろ見えな事に気付き、慌てて戦闘服を胸元を上げて隠し、肩を竦めてチーネの視線を逸らす。

「誤魔化す気ね?」と険悪な雰囲気になったが、エリアンもチーネも優秀な戦士である。こんな騒動の中でも、戦いの本能は失わず、不穏な視線を感じて剣のグリップに手を掛け、顔を見合わせて辺りを警戒した。