ソングの周辺に熱エネルギーが漂い、頭髪がハリネズミみたいに跳ね上がると、鍛え上げた体の中に一瞬だけ何かが見えた。
「まさか、お前、ゼツリの神器を引き継いだのか?」
元老院の四人と王女エッダには見えなかったが、アルダリは未曾有のドラゴンのエネルギーと、背骨の剣、臀部の盾がソングの体の中に隠されている事を知る。
傍聴席のジェンダ王子とエリアンも荒ぶるエネルギーを感じ取り、目を凝らしてソングを見つめた。
「な、なんだ?」
「ゼツリの遺産だろ。勇者ゼツリはドラゴンを倒し、そのエネルギーを剣と盾に宿らせたと云われている」
「そうだよ」
チーネが我が事のように喜び、深呼吸をして火照った顔を手で扇ぐ。
「ドラゴンの炎で呪いを焼き払えるんだ」
「マ、マジか?ソングってすげ〜な」
トーマが素直に感心し、ソングとも仲良くなれそうだと思った。隙を見て秘書官からプロフィール用紙を盗み、自分と同じく両親がいないのを知って親近感を持つ。
「悲しみを乗り越えて、強くなったのか?」
しかしソングは思いのほか苦戦し、股間のドラゴンを出現させる事も、体に隠された剣と盾を手にする事もできなかった。
「なんか、違う。上手くいかねー」
あの時、ドラゴンが火を吹いて呪いを焼き払い、背骨には剣があり、臀部には盾があったとチーネに教えられたが、それをコントロールして扱うのは難しかった。
「まさか、お前、ゼツリの神器を引き継いだのか?」
元老院の四人と王女エッダには見えなかったが、アルダリは未曾有のドラゴンのエネルギーと、背骨の剣、臀部の盾がソングの体の中に隠されている事を知る。
傍聴席のジェンダ王子とエリアンも荒ぶるエネルギーを感じ取り、目を凝らしてソングを見つめた。
「な、なんだ?」
「ゼツリの遺産だろ。勇者ゼツリはドラゴンを倒し、そのエネルギーを剣と盾に宿らせたと云われている」
「そうだよ」
チーネが我が事のように喜び、深呼吸をして火照った顔を手で扇ぐ。
「ドラゴンの炎で呪いを焼き払えるんだ」
「マ、マジか?ソングってすげ〜な」
トーマが素直に感心し、ソングとも仲良くなれそうだと思った。隙を見て秘書官からプロフィール用紙を盗み、自分と同じく両親がいないのを知って親近感を持つ。
「悲しみを乗り越えて、強くなったのか?」
しかしソングは思いのほか苦戦し、股間のドラゴンを出現させる事も、体に隠された剣と盾を手にする事もできなかった。
「なんか、違う。上手くいかねー」
あの時、ドラゴンが火を吹いて呪いを焼き払い、背骨には剣があり、臀部には盾があったとチーネに教えられたが、それをコントロールして扱うのは難しかった。