「ソング。具合はどう?」

 チーネは編み込んだ黄金色の髪を肩まで下ろし、薄布を羽織っているが胸と腰の付近は微妙に透けて、ピンク色の細い布巻きと赤い紐パンが微かに見えている。

「ああ、もう痺れも取れたぜ」
「じゃー、食事にする?それとも、卒業試験に再挑戦してみるか?」
「いや〜、いくら俺でもまだムリ」

 ソングは笑ってベッドから起き出そうとしたが、チーネの様子がなんかおかしい。いつもなら、「まだ寝てんの」と言って叩き起こす筈だし、部屋着はもっとスポーティなのを着ている。

 しかも少し恥ずかしそうな笑みを浮かべて、羽織っている布をぱらりと床に落とした。

「バカね。愛の方だよ。そっちの試験さ。そっちはまだ試してないだろ?」
「いや、戦いに負けたし。そ、それに夜空に星が……見えてないぞ」

 焦ったソングは窓から陽の沈む夕空を見て、早く夜空に星が輝くことを願い、ボンヌに言われた恋のマニュアルを実行する。森の木と葉で作られた屋根の一部は天窓になるので、手を伸ばして紐を引っ張って開き、星はともかく夕空で雰囲気を醸し出す。

「俺、チーネが好きだ。絶対、最強の愛の戦士になってチーネを守るよ」
「バカね。守るのはこっちだぞ。だって、チーネが最強だもん」

『ヤバい』また、どっちが強いかで言い争いになりそうだと思ったが、その前にチーネの唇がソングの顔に迫って来た。

「好きってだけでいい。チーネもソングが好きだし」

 苺の唇が甘く囁き、ソングの唇にぴったりと重なった。それだけで全身のエネルギーが湧き上がり、ソングは爆発しそうになった。