俺が展開した処刑場では、俺の幻術で心を壊して絶命した兵士の屍がいっぱい転がっていた。その中でギリギリ生きている奴もいたが、もう元に戻ってこられない奴しかいなかった。とりあえず後処理といこうか。
まずはまだ生きている兵士どもに止めを刺しにいく。
全員死んだことを確認した次は、アイテム“屍族転生の種(アンデッド・シード)”を取り出す。
こいつの特徴は他にもあった。念じた数の分だけ、きっちり発現するというところだ。
この種を死んだ兵士の分だけ増やして、全ての死体に植える。
しばらくして、大量のゾンビ兵士ができた。こいつらを使ってなにをするのかというと、ドラグニア王国に対する宣戦布告だ。
―—甲斐田皇雅がこの王国を滅ぼしに来るぞ―—
……と。
そろそろ俺の存在を、俺を生贄として見捨てて殺したあのクソ王子、ついでに国王ら王族どもにも知らせていい頃だろう。あいつらが俺が生きていて、しかもこれから殺しに来るって知ったら、どんなリアクションをしてくれるのだろうな?やっぱり殺したあいつらと同じ、俺を完全に嘗めてかかるだろうか。
それはそうと同じ展開にも飽きてきたし、ここからは少しシチュエーションを変えることにしよう。
まずは音信不通の兵士たち、それと救世団(笑)のメンバー8名が甲斐田皇雅によってぶち殺された…ということを王国に広めてやる。
その役目を全うするのは、たったいまつくりあげたこのゾンビ兵士どもだ。
これから俺は一旦アレンたちがいる竜人族国サラマンドラに戻って休憩する。
その間、このゾンビ兵どもをドラグニア王国に行かせて、国王どもに宣戦布告を仕掛ける。
それが済んだら、テキトーに自爆でもさせよう。
これで少しは俺に対して警戒を抱いてくれるかな?そして自覚してくれるだろうか?テメーらが俺にしたことがどれだけ罪深いことだったかを…。
早速作業に取り掛かろう。ゾンビ兵士全員に命令をとばす。
―—今から隊列をつくってドラグニア王国へ帰還しろ。王宮内へ入ったら、
“テメーらが村に派遣させた兵士たちと救世団8名は、甲斐田皇雅が全員殺した。そしてこの後ここにいる王族どもも皆殺しにする。待っていろ”―と叫んで回れ。その後は勝手にしろ―—
命令し終えた直後、ゾンビ兵士どもは隊列をつくって、規則正しい動きを保ったまま、村を出たていった。その異様な光景を、村民たちが戸惑った目で見ていた。
村民たちに紛れて、俺は「迷彩」で姿と気配を消して堂々と村を出る。アレンたちのもとへ帰ろう。
「あ~次が楽しみだなぁ!こんなに充実した日々が続くなんて!!さっさと殺しに行きたいなぁ!」
初めての遠足を待ち遠しく思う小学生のような気分で、意気揚々と歩いて行った。
復讐は、まだまだ続く――
(第3章 完)
おまけ
主人公除くクラスメイト一覧(名前と職業)
*本編未登場の人物のみルビあり
青木智貴《あおきともたか》(砲撃手)
安藤久美(魔術師)
石倉大輔《いしくらだいすけ》(銃剣士)
井上詩愛《いのうえしあ》(双剣士)
宇川雅《うかわみやび》(ガンナー)
江島葵《えしまあおい》(錬成術師))
大西雄介(両手剣士)
小川奨貴《おがわしょうき》(暗器使い)
柿本太郎《かきもとたろう》(剣闘士)
片上敦基(槍使い)
木戸涼介《きどりょうすけ》(ヘビーファイター)
久野朝霞《くのあさか》(両手剣士)
小林大記(魔術師)
阪本聡《さかもとさとし》(薙刀使い)
里中優斗(格闘家)
柴田《しばた》あいり(召喚術師)
鈴木貞三郎(賢者)
鈴木保子(軍略家)
須藤賢也(銃剣士)
瀬戸希里穂《せときりほ》(斧使い)
曽根美紀《そねみき》(盾戦士)
高園縁佳(狙撃手)
津村日色《つむらひいろ》(格闘家)
堂丸勇也《どうまるゆうや》(ガンシューター)
中西晴美《なかにしはるみ》(プリースト)
野口将輝《のぐちしょうき》(暗器使い)
原田勇気《はらだゆうき》(砲撃手)
早川《はやかわ》たかし(太刀剣士)
村瀬音夢《むらせねむ》(笛使い)
森川巧《もりかわたくみ》(双剣士)
山崎勇希《やまさきゆうき》(錬金術師)
山本純一(拳闘士)
米田小夜《よねださや》(呪術士)
和田奈央《わだなお》(弓使い)