西暦2007年、1月9日──

あの日、母さんは俺の目の前で、アイフォーンに殺された──

──変わらない日々だった。いつもの日常だった。
明日もただ普通の毎日が来ると──俺はそう、思っていた。

「母さん、この料理美味いよ! おかわり!」
「そんなに急がなくても、まだまだたくさんおかわりはあるわよ」
「お母さん、私もおかわり」
「あらあら、二人して」
「今日はいつにも増して食べるな~、二人とも」
「たくさん食べないと、力が出ないからな!」
「カールは、少し食べることを自重した方がいいかもね~」
「何だよ、アネットも俺と同じくらい食べてる癖に!」
「こらこら、二人とも喧嘩しない」
「そうだぞ~、喧嘩は良くないぞ~。喧嘩するなら、父さんの強烈な足キックをお見舞いするぞ~」
「「それは嫌だ! だって、強烈なのはキックじゃなくて、足の臭いだもん!!」」
「二人して父さんをいじめないでくれよ。悲しいぞ~」

そんなたわいもない話をしながら、朝食を食べているとき──
ドゴオォォォォーーン
突如、外で爆発音が聞こえた。