「なら、会えてよかった。実は夕方ぶーちゃんと佐藤と夏実の家に行こうとしたの。渡したいものがあったんだけど、間に合わないから私が代表して渡しちゃうね」と、後部座席から紙袋を取り出すとそっと差し出す。
「お誕生日おめでとう。今まで言えなかったけど、夏実が生まれてきてくれたことちゃんと感謝したい。このプレゼントは私達から」
“__生まれてきてくれてありがとう”
秋雄の手紙を思い出し震えそうになる唇を噛み締める。
「ありがとう。開けていい?」
「もちろん」
そっと包みを開けると、私の好きな赤い林檎を被った黄緑色の熊のご当地キャラクターのグッズが並んでいた。
ストラップ。Tシャツ。ハンカチ。それらは全て今年の新作商品だ。
「……嬉しい。ありがとう」
真由の言葉もみんなの気持ちも嬉しくて、思わず泣きそうになる私の背中をそっと撫でてくれる。
「良かった。たまたま、ぶーちゃんが昔と同じキャラTを着た夏実が農園を歩いているのを見たって言ったから。今も好きなんだと思ってそれにしたの」
まさか目撃されていたとは思ってもいなかったけれど、この場所なら大丈夫。誰も笑うことなく本当の私を受け入れてくれる。
「お恥ずかしながら実家では健在です」
苦笑すると真由は口を大きく開けて笑い出す。
「そうなんだ! 良かったー。夏実は夏実のままだったか!」
__私は私。
それは温かな場所だから。と、いう言葉は飲み込む。だって覚悟さえあればどんな場所でも自分らしくいられるはずだから。
「お誕生日おめでとう。今まで言えなかったけど、夏実が生まれてきてくれたことちゃんと感謝したい。このプレゼントは私達から」
“__生まれてきてくれてありがとう”
秋雄の手紙を思い出し震えそうになる唇を噛み締める。
「ありがとう。開けていい?」
「もちろん」
そっと包みを開けると、私の好きな赤い林檎を被った黄緑色の熊のご当地キャラクターのグッズが並んでいた。
ストラップ。Tシャツ。ハンカチ。それらは全て今年の新作商品だ。
「……嬉しい。ありがとう」
真由の言葉もみんなの気持ちも嬉しくて、思わず泣きそうになる私の背中をそっと撫でてくれる。
「良かった。たまたま、ぶーちゃんが昔と同じキャラTを着た夏実が農園を歩いているのを見たって言ったから。今も好きなんだと思ってそれにしたの」
まさか目撃されていたとは思ってもいなかったけれど、この場所なら大丈夫。誰も笑うことなく本当の私を受け入れてくれる。
「お恥ずかしながら実家では健在です」
苦笑すると真由は口を大きく開けて笑い出す。
「そうなんだ! 良かったー。夏実は夏実のままだったか!」
__私は私。
それは温かな場所だから。と、いう言葉は飲み込む。だって覚悟さえあればどんな場所でも自分らしくいられるはずだから。