だが俺は即座に断ることにした。だってコイツって弱そうだし足手まといになりそうだしな。だから、「悪いけど断るわ」とハッキリと告げたのだが、彼は引き下がらなかった。それどころかしつこく頼んできた。俺は面倒くさくなってきたので高橋さんと山本を連れて部屋から出ていこうとした。だがその時、奴が口を挟んできた。
「おい、ちょっと待てよ。俺は佐藤よりもずっと前からお前の味方をしているんだぞ?それなのにお前は俺を信じてくれないっていうのかよ?ひどすぎるんじゃないのか?」
その言葉を聞いた瞬間、俺はカチンときてしまった。
ふざけんなよ?お前のどこに信頼する要素があるっていうんだ?お前って見た目がチャラくてウザい感じだしな。正直言って生理的に無理なんだよな。それにお前って、女にモテてたせいで自分は特別だと思い込んでるみたいだけど、実はそうでもないと思うぞ?というわけで俺は彼の説得に応じることにした。「はあ、しょうがないな。分かったよ。一緒に行ってやるよ」と伝えると、彼はニヤリと笑みを浮かべた。そして俺達はようやくギルドを出ることができたのである。
俺達は街にある宿へと泊まることにした。そこで今後のことについて話し合うことにしたのだ。ちなみに、この世界では文字が読めたり書けたりするのは、一部の人間だけである。だが、この世界に来た時点で、自動的に覚えてしまうらしい。便利なものである。そこで、話し合いをした結果。俺はまずレベル上げを行うことに決まった。理由としては俺のレベルが低すぎて弱いからである。俺ってば、未だにレベルが1のままなのだ。しかもステータスもかなり低いし、武器もない。なのでまずはレベルを上げてから色々と行動することにしたのだ。
翌日になり、早速レベルを上げるために街の外に出ることにした。
「よし!張り切っていきましょうか!」と俺が叫ぶと、皆が苦笑いをしていた。
「な、なに笑ってんだよ?」と尋ねてみると、鈴木が代表するように答えてくれた。
「いやさ、なんつーかさ、佐藤があまりにも嬉しそうにしていたもんでな。ついつい笑っちまっただけだ。悪りぃな」
どうやら俺は相当浮かれていたみたいだな。少し反省しておくとしよう。そんなことを話していると森が見えてきた。
「あれがこの街の近くにある森だよ」と俺が教えると、皆のテンションが上がったみたいだ。俺も少し興奮気味になってきている。「よし!さっさとモンスターを倒して、レベルアップしてやるぜ!」
俺達は森に入り進んでいく。そして数分程進んだ時に敵と遭遇した。ゴブリンだ。数は四体程いるみたいだな。まあ、大したことはない相手である。俺と鈴木の二人でサクッと倒すことにしたんだが……
えっ!?ちょまっ!?速すぎでしょコイツら! めっちゃ速いんですけど!?というかコイツら、攻撃を当てることすらできなかったんですけど!
「おい、何やってんだよ!全然当たらねえじゃねえか!」と文句を言ったんだが、
「はあ?なに言ってんだよ!ちゃんと当ててるっての!」と反論されてしまった。嘘つけよ! 絶対外しまくってるだろ! と、言い合いをしていると鈴木の放った剣が見事に命中した。おお! 当たったじゃん! ちゃんと当てることができたんだな!と、喜んだのも束の間、今度は俺の番だった。俺が弓を射ると、見事に命中し一匹を倒すことに成功した。
おっ! いい感じじゃね? これってもしかして俺が一番活躍できてんじゃない? よっしゃ! どんどんいくぜ! それから俺達は順調に狩りを進めていった。
俺は二匹目を倒せたんだけど、 残りの奴らは全部避けられちまってたな。「いやいや、俺はちゃーんと当たってたっての!」と抗議してきたので、はいはいと適当に返事をしておいたが、その後も何度か言い合いが続いた。
そしてようやく森の外へ出ると、そこには俺達の帰りを心配していたのだろうか、たくさんの人が待っていた。俺達が帰ってくるなり皆は歓声をあげた。どうやら無事に生還できたことを喜んでくれているようだ。「皆さん、ただいま!」と言うと、再び歓声が上がった。
その後、ギルドに戻ると受付嬢が俺のところにやってきた。
「佐藤和真様! お話がありますので、ついてきてください!」
彼女は真剣な表情でそう言ってきた。一体なんだろう?まさか……!?もしかして遂に……!! 俺達二人は、個室へと移動することになった。そして扉が閉まると同時に彼女が口を開いた。
「実はですね、この国にある三つのダンジョンの最下層まで辿り着いた者にのみ、魔王を討伐することを許可するというお触れが出ておりまして……。そして、魔王を倒した者には莫大な報酬を与えるとも書かれておりました。そして、その魔王というのは……」
え? マジで? ちょっとそれってヤバくない?魔王ってアレだよね? めちゃくちゃ強い奴だよね? そんな奴といきなり戦うことになってんの? そんなこと言われてもさ、俺はもう死んだ身なんだよ? それに、もうちょっとだけ人生を謳歌したいなぁとか思っちゃったりするんだよ。まあ、そんなこと無理なのは分かっているんだけどな。それでも俺はまだ生きたいと思っている。だから俺はこう答えるしかないんだよな。「すみませんが、お断りさせていただきます」
俺はこの世界にきて間もないんだ。
もう少しだけ時間が欲しいと思ってしまうのは仕方のないことなんじゃないか?それに、もしもここで魔王と戦わないと、他の誰かが代わりに戦いに行くことになるはずだ。その結果、俺と同じ目に遭う奴が出てくるのは間違いないだろう。だからといってこのまま放っておくのもダメな気がする。だってほら、また犠牲者が一人増えてしまうわけだしな。そうならないためにも魔王を早く倒しに行ったほうがいいに決まっている。そうは思っていてもやっぱり怖いわけで、 正直言って逃げてしまいたい気分だ。だけど、俺は絶対に負けられないんだよ。
なぜなら、 俺が逃げたら、あいつは俺の代わりに死んでしまったんだからな。
だからこそ俺は、 アイツの分まで生きないといけないんだ。
だから俺は行くよ。「分かりました。その役目俺に任せてもらっても構いませんか?」と俺が問いかけると、彼女は「は、はい!是非お願いいたします!」と言ってきたので、俺はすぐさま準備に取り掛かった。
「まずはこの世界にいるはずの仲間を探しに行きます」俺はまず最初にやるべきことは、この世界での仲間を見つけることだと考えているんだよ。「あ、そういえば自己紹介がまだでしたね。私の名前は、シルフィード・スターダストと言います。」彼女は丁寧に自己紹介してくれたので俺もしっかりと挨拶することにした。「佐藤和真といいます。これからよろしくお願いします」
「はい!こちらこそ、これからもよろしくお願い致します!」
こうして二人は手を取り合い魔王退治に旅立った。あれから十年が過ぎた。俺は救世主として莫大な報奨金を得たので魔王の被害から町を復興させる慈善事業を立ち上げた。妻のシルフィードは子供たちと一緒に孤児院で働いている。俺は今日も、仕事の合間に町を歩いていた。すると、町の外れで子供たちが泣いているのを見つけた。どうやら喧嘩しているようだな。俺は子供達の元へ駆けつけると仲裁に入ることにした。
「おい、ちょっと待てよ。俺は佐藤よりもずっと前からお前の味方をしているんだぞ?それなのにお前は俺を信じてくれないっていうのかよ?ひどすぎるんじゃないのか?」
その言葉を聞いた瞬間、俺はカチンときてしまった。
ふざけんなよ?お前のどこに信頼する要素があるっていうんだ?お前って見た目がチャラくてウザい感じだしな。正直言って生理的に無理なんだよな。それにお前って、女にモテてたせいで自分は特別だと思い込んでるみたいだけど、実はそうでもないと思うぞ?というわけで俺は彼の説得に応じることにした。「はあ、しょうがないな。分かったよ。一緒に行ってやるよ」と伝えると、彼はニヤリと笑みを浮かべた。そして俺達はようやくギルドを出ることができたのである。
俺達は街にある宿へと泊まることにした。そこで今後のことについて話し合うことにしたのだ。ちなみに、この世界では文字が読めたり書けたりするのは、一部の人間だけである。だが、この世界に来た時点で、自動的に覚えてしまうらしい。便利なものである。そこで、話し合いをした結果。俺はまずレベル上げを行うことに決まった。理由としては俺のレベルが低すぎて弱いからである。俺ってば、未だにレベルが1のままなのだ。しかもステータスもかなり低いし、武器もない。なのでまずはレベルを上げてから色々と行動することにしたのだ。
翌日になり、早速レベルを上げるために街の外に出ることにした。
「よし!張り切っていきましょうか!」と俺が叫ぶと、皆が苦笑いをしていた。
「な、なに笑ってんだよ?」と尋ねてみると、鈴木が代表するように答えてくれた。
「いやさ、なんつーかさ、佐藤があまりにも嬉しそうにしていたもんでな。ついつい笑っちまっただけだ。悪りぃな」
どうやら俺は相当浮かれていたみたいだな。少し反省しておくとしよう。そんなことを話していると森が見えてきた。
「あれがこの街の近くにある森だよ」と俺が教えると、皆のテンションが上がったみたいだ。俺も少し興奮気味になってきている。「よし!さっさとモンスターを倒して、レベルアップしてやるぜ!」
俺達は森に入り進んでいく。そして数分程進んだ時に敵と遭遇した。ゴブリンだ。数は四体程いるみたいだな。まあ、大したことはない相手である。俺と鈴木の二人でサクッと倒すことにしたんだが……
えっ!?ちょまっ!?速すぎでしょコイツら! めっちゃ速いんですけど!?というかコイツら、攻撃を当てることすらできなかったんですけど!
「おい、何やってんだよ!全然当たらねえじゃねえか!」と文句を言ったんだが、
「はあ?なに言ってんだよ!ちゃんと当ててるっての!」と反論されてしまった。嘘つけよ! 絶対外しまくってるだろ! と、言い合いをしていると鈴木の放った剣が見事に命中した。おお! 当たったじゃん! ちゃんと当てることができたんだな!と、喜んだのも束の間、今度は俺の番だった。俺が弓を射ると、見事に命中し一匹を倒すことに成功した。
おっ! いい感じじゃね? これってもしかして俺が一番活躍できてんじゃない? よっしゃ! どんどんいくぜ! それから俺達は順調に狩りを進めていった。
俺は二匹目を倒せたんだけど、 残りの奴らは全部避けられちまってたな。「いやいや、俺はちゃーんと当たってたっての!」と抗議してきたので、はいはいと適当に返事をしておいたが、その後も何度か言い合いが続いた。
そしてようやく森の外へ出ると、そこには俺達の帰りを心配していたのだろうか、たくさんの人が待っていた。俺達が帰ってくるなり皆は歓声をあげた。どうやら無事に生還できたことを喜んでくれているようだ。「皆さん、ただいま!」と言うと、再び歓声が上がった。
その後、ギルドに戻ると受付嬢が俺のところにやってきた。
「佐藤和真様! お話がありますので、ついてきてください!」
彼女は真剣な表情でそう言ってきた。一体なんだろう?まさか……!?もしかして遂に……!! 俺達二人は、個室へと移動することになった。そして扉が閉まると同時に彼女が口を開いた。
「実はですね、この国にある三つのダンジョンの最下層まで辿り着いた者にのみ、魔王を討伐することを許可するというお触れが出ておりまして……。そして、魔王を倒した者には莫大な報酬を与えるとも書かれておりました。そして、その魔王というのは……」
え? マジで? ちょっとそれってヤバくない?魔王ってアレだよね? めちゃくちゃ強い奴だよね? そんな奴といきなり戦うことになってんの? そんなこと言われてもさ、俺はもう死んだ身なんだよ? それに、もうちょっとだけ人生を謳歌したいなぁとか思っちゃったりするんだよ。まあ、そんなこと無理なのは分かっているんだけどな。それでも俺はまだ生きたいと思っている。だから俺はこう答えるしかないんだよな。「すみませんが、お断りさせていただきます」
俺はこの世界にきて間もないんだ。
もう少しだけ時間が欲しいと思ってしまうのは仕方のないことなんじゃないか?それに、もしもここで魔王と戦わないと、他の誰かが代わりに戦いに行くことになるはずだ。その結果、俺と同じ目に遭う奴が出てくるのは間違いないだろう。だからといってこのまま放っておくのもダメな気がする。だってほら、また犠牲者が一人増えてしまうわけだしな。そうならないためにも魔王を早く倒しに行ったほうがいいに決まっている。そうは思っていてもやっぱり怖いわけで、 正直言って逃げてしまいたい気分だ。だけど、俺は絶対に負けられないんだよ。
なぜなら、 俺が逃げたら、あいつは俺の代わりに死んでしまったんだからな。
だからこそ俺は、 アイツの分まで生きないといけないんだ。
だから俺は行くよ。「分かりました。その役目俺に任せてもらっても構いませんか?」と俺が問いかけると、彼女は「は、はい!是非お願いいたします!」と言ってきたので、俺はすぐさま準備に取り掛かった。
「まずはこの世界にいるはずの仲間を探しに行きます」俺はまず最初にやるべきことは、この世界での仲間を見つけることだと考えているんだよ。「あ、そういえば自己紹介がまだでしたね。私の名前は、シルフィード・スターダストと言います。」彼女は丁寧に自己紹介してくれたので俺もしっかりと挨拶することにした。「佐藤和真といいます。これからよろしくお願いします」
「はい!こちらこそ、これからもよろしくお願い致します!」
こうして二人は手を取り合い魔王退治に旅立った。あれから十年が過ぎた。俺は救世主として莫大な報奨金を得たので魔王の被害から町を復興させる慈善事業を立ち上げた。妻のシルフィードは子供たちと一緒に孤児院で働いている。俺は今日も、仕事の合間に町を歩いていた。すると、町の外れで子供たちが泣いているのを見つけた。どうやら喧嘩しているようだな。俺は子供達の元へ駆けつけると仲裁に入ることにした。