ゴォォ―――!と云う音と一陣の風が吹き抜けると、そこにはオオカミが佇んでいた。
『何者だ!!』
もう少しで白龍を堕とすというタイミングで、邪魔をされたことにシャドウは苛つきを隠さなかった。
「オォォ―ン!」
オオカミは遠吠えをして、素早い身のこなしで白龍の側へ近寄った。そして、白龍の身体を埋め尽くしていた魔物を、何処からともなく現れた縄が一網打尽で捕らえ、空中に現れた”炎を纏った剣”が一瞬で焼き尽くして消してしまった。そして、傷付いてボロボロの白龍の周りに強力な結界を張った。
『この縄と剣は・・・不動明王か!!』
シャドウがそう叫んだと同時に、オオカミは人間の姿へと変化した。
『!!貴様、不動明王の気配はするが不動明王とは違うな。いったい何者だ!』
「私は颯という。幽世にいたが、不動明王の名代として魔物浄化をしながら現世に生きることを許された妖だ。」
シャドウは少しの間逡巡したが、すぐに不敵な笑みを浮かべた。
『つまりは眷属でも無く、オオカミでも無いどっちつかずで、不動明王から命を少し分け与えられて、いい気になってのさばっている下等で出来損ないの、ただの使い走りのあやかしと云う事だな。
そんな者が俺を相手にして無事でいられると思うなよ。』と、それはもう、これ以上無い程、貶める言葉を吐いた。
「私は不動明王の使いであり、森羅万象の何者でもある。人はどうしても、負の感情で出来た魔物を生む。それを浄めるのが私の使命だ。それは神の世界においても同じ事。今のこの状況が私を此処へ導いた。今私がすべき事は、魔神となってしまったお前を浄め、また生まれ変わる手伝いをすることだけだ。」
そう颯が言うと、歪な笑顔を浮かべて
『クッ!たかが妖風情に俺が倒せるとでも言うのか?身の程知らずとはこういう事を言うのだな。
良かろう、相手になってやる。俺に倒された後の魂は地獄に引き摺って業火に放り込み、永久に焼いてくれる!』
そう言い放ち、また地獄から魔物を召喚した。
”Ų..〇∰¥:%・・⋣⋘⋔⋥ʭrÿŶʍ␣♐ʌ ..。ʉǛ&Ǚ!!”
呪文を唱えると、またも大量の魔物が姿を現した。
『僕よ、オオカミの妖だ。龍と違って食う所もあまり無いが、多少の腹の足しにはなる。』
その言葉を合図に魔物は一斉に襲い掛かってきた。颯はひるむ事無く、背中に迦楼羅炎を出現させて身体を守り、触れた魔物は焼き尽くした。そして羂索をひゅんひゅん回して一網打尽にし、倶利伽羅剣で魔物を一瞬で薙ぎ払った。だが魔物は後から後から際限無く襲い掛かって来て、シャドウに近づく隙が無かった。
シャドウはにんまりと笑い、『暫く僕と遊んでいろ。その間に雅白を堕とす。あやつを堕としてからゆっくりお前の相手をしてやる!』
シャドウはそう言って、白龍の所へと向かい、颯の張った強力な結界を破りにかかった。
” ⋘␣£¥Ųʭ、Ų⋘ʚʉǛ∰Ĝ⋔∰∰Ĝɵʭ﷼₧৻₶ℳ₠₰ 結界よ消えろ!! ”
そう叫ぶと、結界は消え去ってしまった。
白龍は傷だらけだったが、颯が来たお陰で有余が出来て身体が回復し、美しい立ち姿に戻っていた。
「双黒よ、どうしても吾を堕とすと申すか。」
『分かり切ったことだ。邪魔が入ったが、これからじっくりと甚振ってくれるわ。』
「そうか・・。ではもう遠慮はせぬ。」
雅白は先ほどと打って変わって眼が鋭く光り、身体全体から超振動波を発し、それは段々と周りに
波状に広がり、超振動波に触れた魔物を 悉 く消し去っていった。そして超振動波はシャドウのいる場所へと到達したのだった。
シャドウは超振動波に飲み込まれる寸前で後退して結界を張った。だが結界はすぐに破られた。
『小癪な!』
そう言ってシャドウは黒い霧を発した。黒い霧はシャドウを包み込み、みるみるうちに大きな黒い影となり、影から姿を現したのは黒龍だった。
白龍は、一瞬驚いた様な表情をしたがすぐにまた眼光鋭い顔つきに戻った。
「其方は黒龍に姿を変えることが出来るのか…。」
『暗黒神は鷹揚な方だからな。俺を元の姿に戻してくれた。クク、お前と戦うにはこの姿が相応しい。』
「・・・。」
黒龍は鋭く目を光らせ白龍と対峙して暗黒の呪文を唱え始めた。
”ⅿⅻⅱⅲↆↀ∂⊜⊙⊖⊓⊐⊏⊏⋽⌗⋹⋸⋱⋰⋮⋵⨌⨊⨈⨇⨂⨘⨛”
すると白龍の周りに黒い靄が現れ、纏わり付いて全身覆われた。
白龍は息が出来ず苦し気に呻くが、如何しようも出来なかった。
黒龍は更に呪文を唱え白龍の出す振動波と逆の振動波を出して打ち消した。そして白龍を
巨大な縄で締め上げて動きを封じた。
『雅白、俺とお前は嘗て二人でひとつであった。そして、どちらかが暴走した時に止められるようにお互いの力を打ち消す力もあった。お前の力など何の役にも立たない。俺が堕ちて使えなくなってしまったと思ったか。俺は元の姿を取り戻したと同時に力も基に戻った。しかも、暗黒神のお陰で新しい力を与えられている。お前がどう足掻いても勝機は万にひとつも無い。』
そう黒龍が言い放っている間にも縄は生きているかのように更にきつく白龍を締め付けていった。
『何者だ!!』
もう少しで白龍を堕とすというタイミングで、邪魔をされたことにシャドウは苛つきを隠さなかった。
「オォォ―ン!」
オオカミは遠吠えをして、素早い身のこなしで白龍の側へ近寄った。そして、白龍の身体を埋め尽くしていた魔物を、何処からともなく現れた縄が一網打尽で捕らえ、空中に現れた”炎を纏った剣”が一瞬で焼き尽くして消してしまった。そして、傷付いてボロボロの白龍の周りに強力な結界を張った。
『この縄と剣は・・・不動明王か!!』
シャドウがそう叫んだと同時に、オオカミは人間の姿へと変化した。
『!!貴様、不動明王の気配はするが不動明王とは違うな。いったい何者だ!』
「私は颯という。幽世にいたが、不動明王の名代として魔物浄化をしながら現世に生きることを許された妖だ。」
シャドウは少しの間逡巡したが、すぐに不敵な笑みを浮かべた。
『つまりは眷属でも無く、オオカミでも無いどっちつかずで、不動明王から命を少し分け与えられて、いい気になってのさばっている下等で出来損ないの、ただの使い走りのあやかしと云う事だな。
そんな者が俺を相手にして無事でいられると思うなよ。』と、それはもう、これ以上無い程、貶める言葉を吐いた。
「私は不動明王の使いであり、森羅万象の何者でもある。人はどうしても、負の感情で出来た魔物を生む。それを浄めるのが私の使命だ。それは神の世界においても同じ事。今のこの状況が私を此処へ導いた。今私がすべき事は、魔神となってしまったお前を浄め、また生まれ変わる手伝いをすることだけだ。」
そう颯が言うと、歪な笑顔を浮かべて
『クッ!たかが妖風情に俺が倒せるとでも言うのか?身の程知らずとはこういう事を言うのだな。
良かろう、相手になってやる。俺に倒された後の魂は地獄に引き摺って業火に放り込み、永久に焼いてくれる!』
そう言い放ち、また地獄から魔物を召喚した。
”Ų..〇∰¥:%・・⋣⋘⋔⋥ʭrÿŶʍ␣♐ʌ ..。ʉǛ&Ǚ!!”
呪文を唱えると、またも大量の魔物が姿を現した。
『僕よ、オオカミの妖だ。龍と違って食う所もあまり無いが、多少の腹の足しにはなる。』
その言葉を合図に魔物は一斉に襲い掛かってきた。颯はひるむ事無く、背中に迦楼羅炎を出現させて身体を守り、触れた魔物は焼き尽くした。そして羂索をひゅんひゅん回して一網打尽にし、倶利伽羅剣で魔物を一瞬で薙ぎ払った。だが魔物は後から後から際限無く襲い掛かって来て、シャドウに近づく隙が無かった。
シャドウはにんまりと笑い、『暫く僕と遊んでいろ。その間に雅白を堕とす。あやつを堕としてからゆっくりお前の相手をしてやる!』
シャドウはそう言って、白龍の所へと向かい、颯の張った強力な結界を破りにかかった。
” ⋘␣£¥Ųʭ、Ų⋘ʚʉǛ∰Ĝ⋔∰∰Ĝɵʭ﷼₧৻₶ℳ₠₰ 結界よ消えろ!! ”
そう叫ぶと、結界は消え去ってしまった。
白龍は傷だらけだったが、颯が来たお陰で有余が出来て身体が回復し、美しい立ち姿に戻っていた。
「双黒よ、どうしても吾を堕とすと申すか。」
『分かり切ったことだ。邪魔が入ったが、これからじっくりと甚振ってくれるわ。』
「そうか・・。ではもう遠慮はせぬ。」
雅白は先ほどと打って変わって眼が鋭く光り、身体全体から超振動波を発し、それは段々と周りに
波状に広がり、超振動波に触れた魔物を 悉 く消し去っていった。そして超振動波はシャドウのいる場所へと到達したのだった。
シャドウは超振動波に飲み込まれる寸前で後退して結界を張った。だが結界はすぐに破られた。
『小癪な!』
そう言ってシャドウは黒い霧を発した。黒い霧はシャドウを包み込み、みるみるうちに大きな黒い影となり、影から姿を現したのは黒龍だった。
白龍は、一瞬驚いた様な表情をしたがすぐにまた眼光鋭い顔つきに戻った。
「其方は黒龍に姿を変えることが出来るのか…。」
『暗黒神は鷹揚な方だからな。俺を元の姿に戻してくれた。クク、お前と戦うにはこの姿が相応しい。』
「・・・。」
黒龍は鋭く目を光らせ白龍と対峙して暗黒の呪文を唱え始めた。
”ⅿⅻⅱⅲↆↀ∂⊜⊙⊖⊓⊐⊏⊏⋽⌗⋹⋸⋱⋰⋮⋵⨌⨊⨈⨇⨂⨘⨛”
すると白龍の周りに黒い靄が現れ、纏わり付いて全身覆われた。
白龍は息が出来ず苦し気に呻くが、如何しようも出来なかった。
黒龍は更に呪文を唱え白龍の出す振動波と逆の振動波を出して打ち消した。そして白龍を
巨大な縄で締め上げて動きを封じた。
『雅白、俺とお前は嘗て二人でひとつであった。そして、どちらかが暴走した時に止められるようにお互いの力を打ち消す力もあった。お前の力など何の役にも立たない。俺が堕ちて使えなくなってしまったと思ったか。俺は元の姿を取り戻したと同時に力も基に戻った。しかも、暗黒神のお陰で新しい力を与えられている。お前がどう足掻いても勝機は万にひとつも無い。』
そう黒龍が言い放っている間にも縄は生きているかのように更にきつく白龍を締め付けていった。