男は穢れの無い美しい場所にたどり着いた。此処は一体…。男は暫く逡巡した。
辺りを見回せば、広大な草原の向こうに美しい森が見えた。
森に近づくと木々は美しい新緑色。森に入ると美しい川が優雅に流れ、木漏れ日がキラキラ水面を輝かせている。奥に進むと滝があった。ゴーゴー、ザァザァと勇壮な音を立てる中、滝つぼ近くに丸い虹が現れ、真ん中に白龍が美しい姿を現していた。
男は白龍のあまりの美しさに呆然と見つめていた。だが、次の瞬間魔神が男の身体を乗っ取った。
乗っ取られた男は体中が黒く変色し、鱗が全身を覆い、鋭く射貫く目付きは獰猛で邪神そのものだった。
白龍はピクッとして異変を感じ取り、視線をこちらに向けた。男の姿を確認した白龍は驚愕の表情を浮かべ、
「其方は!」と言って絶句した。
男の身体を乗っ取った魔神から憎悪の感情と共に出た言葉は、
『クックック!白龍・・いや、雅白。久しぶりだな。会えて嬉しいぞ。このような所に居たとはな。
ここで会えて何よりだ。昔、お前に裏切られた恨みをここで晴らす機会が来たのだからな。クク!!この男に力を貸してやって良かったと心から思えたぞ!偶然とは云え、お前に会えたからな。
お前を、俺が味わった地獄に落としてやる。』そう言って、醜悪な顔付きで微笑んだ。
「黒龍、其方…。従属になったのでは無かったのか・・・。」
『お前に裏切られ、天帝によって力を削がれて地上に落とされ烏にされた。それは、俺には屈辱以外の何物でも無い。そんな事になった元凶のお前に、呪いの言葉を吐き続けていた。そうしたら、目の前に暗黒神が現れて力を俺に分けて、救ってくれた。地獄に仏とはまさにこういう事だ。その時俺は忠誠を誓い、魔神となって復活したのだ。』
「双黒…。」
『そのような名前など知らぬわ!俺は暗黒神に帰依した魔神”シャドウ”だ。覚悟しろ!』
そう言い放ち、
魔神から真っ黒い闇がブワッと煙のように放たれた。それは次第に辺りを支配していった。
闇は最初はじわじわと森を覆い始め、それから驚異のスピードで高原全体を覆いつくしていった。
そして闇は空をも飲み込んでいった。
空も地上も闇に覆われ、動物も植物も苦しんで弱っていった。美しい川からは悪臭がして、
魚が死んだ。
その光景は楽園から地獄へと塗り替えられた。白龍が闇を跳ね返そうとするが、びくともしない。
「止めるのだ!罪も無いものに手を出すな!」と叫んだが、闇の力は益々強まっていく。
怒りと憎しみの力は凄まじい威力を発揮した。
『俺は無敵になったのだ。お前の持つ守護の力では俺には勝てない。たっぷりと苦しめ。お前の守るもの、愛でるもの全てを奪ってやる!お前が苦しんでいる様をたっぷり見てから消去してやる!!』
そして、闇の力は山に生きる者の命をじわじわ追い詰め奪い去っていった。
白龍は必死に守ろうとするが、圧倒的な闇の力に圧され、為す術も無かった。
辺りを見回せば、広大な草原の向こうに美しい森が見えた。
森に近づくと木々は美しい新緑色。森に入ると美しい川が優雅に流れ、木漏れ日がキラキラ水面を輝かせている。奥に進むと滝があった。ゴーゴー、ザァザァと勇壮な音を立てる中、滝つぼ近くに丸い虹が現れ、真ん中に白龍が美しい姿を現していた。
男は白龍のあまりの美しさに呆然と見つめていた。だが、次の瞬間魔神が男の身体を乗っ取った。
乗っ取られた男は体中が黒く変色し、鱗が全身を覆い、鋭く射貫く目付きは獰猛で邪神そのものだった。
白龍はピクッとして異変を感じ取り、視線をこちらに向けた。男の姿を確認した白龍は驚愕の表情を浮かべ、
「其方は!」と言って絶句した。
男の身体を乗っ取った魔神から憎悪の感情と共に出た言葉は、
『クックック!白龍・・いや、雅白。久しぶりだな。会えて嬉しいぞ。このような所に居たとはな。
ここで会えて何よりだ。昔、お前に裏切られた恨みをここで晴らす機会が来たのだからな。クク!!この男に力を貸してやって良かったと心から思えたぞ!偶然とは云え、お前に会えたからな。
お前を、俺が味わった地獄に落としてやる。』そう言って、醜悪な顔付きで微笑んだ。
「黒龍、其方…。従属になったのでは無かったのか・・・。」
『お前に裏切られ、天帝によって力を削がれて地上に落とされ烏にされた。それは、俺には屈辱以外の何物でも無い。そんな事になった元凶のお前に、呪いの言葉を吐き続けていた。そうしたら、目の前に暗黒神が現れて力を俺に分けて、救ってくれた。地獄に仏とはまさにこういう事だ。その時俺は忠誠を誓い、魔神となって復活したのだ。』
「双黒…。」
『そのような名前など知らぬわ!俺は暗黒神に帰依した魔神”シャドウ”だ。覚悟しろ!』
そう言い放ち、
魔神から真っ黒い闇がブワッと煙のように放たれた。それは次第に辺りを支配していった。
闇は最初はじわじわと森を覆い始め、それから驚異のスピードで高原全体を覆いつくしていった。
そして闇は空をも飲み込んでいった。
空も地上も闇に覆われ、動物も植物も苦しんで弱っていった。美しい川からは悪臭がして、
魚が死んだ。
その光景は楽園から地獄へと塗り替えられた。白龍が闇を跳ね返そうとするが、びくともしない。
「止めるのだ!罪も無いものに手を出すな!」と叫んだが、闇の力は益々強まっていく。
怒りと憎しみの力は凄まじい威力を発揮した。
『俺は無敵になったのだ。お前の持つ守護の力では俺には勝てない。たっぷりと苦しめ。お前の守るもの、愛でるもの全てを奪ってやる!お前が苦しんでいる様をたっぷり見てから消去してやる!!』
そして、闇の力は山に生きる者の命をじわじわ追い詰め奪い去っていった。
白龍は必死に守ろうとするが、圧倒的な闇の力に圧され、為す術も無かった。