「正直、結婚した当初はこんな気持ちは無かった。彼の熱い気持ちに絆されたっていうのが本音。
でも、彼の優しい気持ちに触れて色々な事を教えてもらって、一緒に魔物浄化に行くようになって、
どんどん好きになっていったの。今ではなくてはならない存在だね」
そんな話をしたら、
「ね、こんなこと聞くのは野暮だけど…。子作りってどうしてるの?」
瑠衣がしれっとストレートに聞いてきた。
「瑠衣ったら、もうちょっと遠回しに言ってよ~!」と悪態をついて、私は羞恥に悶えつつも
「初夜の時にね、来たるべき時が来るまで待つって言われたの。だから私達はまだそういった関係ではないの。」
「「え!そうなの?!」」
「うん。私の想像だけど、17歳の私はまだ半分子供だったし、気持ちが追い付いてなかったからだと思う。今は大学行って、将来に向けて勉強してるからもう少し先かな?!と思ってる。」
「颯さん真摯だね。いや、紳士かな?」
「う~ん。両方かな。」と、笑った。
***
「じゃ、もう少し夜噺しよ?!今度は二人のコイバナ!!」
「えぇ~!それ有りなの?!」
「当たり前でしょ!!さあさあ、話して?」
私は二人にグイグイ迫ったが、二人とも急に静かになった。
「じゃ、指名させて。まず瑠衣からね。」ニィっと怪しい笑顔を浮かべた。。
「・・・いや、話すことはなにもないけど。ええと・・・。」と言いつつしどろもどろになっている。
「ふふ。都会に出て好きな人出来たんじゃない?!なんとなくそんな匂い?するんだけどね。
私には言えない?!」と、多分悪い顔で笑顔になっている私は瑠衣に迫った。
ここに机と椅子があれば取り調べ室。
「!!なんで!分かる・?」語尾の方はほとんど聞こえない声だった。
「何年の付き合いだと思うの??さあ、”はいて”楽になろう?!」
「バケツ貸してくれる?!」
「いや、吐くじゃないから!!観念して正直に白状おし!」
「はい・・・。」
「ぶっ!!!!」私達のやり取りに結芽は我慢できなかったようで噴き出した。
「凄い良い関係だね。羨ましいわ。私も仲間になれるんだよね?!」
「もうなってる。遠慮しないからね!」
「望むところよ。」
そして、瑠衣は美大で出会った人に帰省する前に告白されたという話や、結芽はピアノが恋人という話とか、様々な話で盛り上がり、3人の姦しい夜は朝まで続いたのだった。