吾輩は猫である。
名前はクオーレ。
猫といっても闇猫と言う魔物であり、レオ様の従魔ニャ。
「zzz……」
ベッドでぐっすり寝ているのが、ご主人のレオ様ニャ。
レオ様を起こすのは自分の仕事ニャ。
「ニャッ!」
“テシッ! テシッ!”
レオ様、朝ニャ。
起きる時間だニャ。
「んっ? ん~……、クオーレ?」
「ニャ~!」
「いつもありがとう」
クオーレが前足で頬を何度か叩くと、レオは目を覚ました。
いつものように、レオ様は起こしてくれたことを褒めてくれ、頭を撫でてくれる。
とても心地の良い時間ニャ。
「おはよう。ベンさん」
「おはようございます。レオ様」
この家には、レオ様の他にもう1人住んでいる。
それがこのベンヴェヌートというおっちゃんニャ。
レオ様の身の回りのお世話をしている人ニャ。
「クオーレもおはよう」
「ニャッ!」
トイレの砂や抜けた毛を掃除してくれるので、このおっちゃんには助かっているニャ。
「クオーレ。畑に行くよ」
「ニャッ!」
朝食を食べたレオ様は、いつものように畑へ向かう。
自分もそれに付いて行っているニャ。
「クオーレちゃんおはよう」
「ニャッ!」
挨拶をしてきたこの女の子はエレナという名前で、動物が好きらしく、自分もやたらと触られるニャ。
言っている側から触ってきた。
触らせないと分かりやすくへこむので、大人しくしているしかないニャ。
じゃないと、いつもエレナの側にいるセバスティアーノとか言うおっちゃんから嫌な気配が流れてくるのでしょうがない。
このおっちゃん、何か怖いんだよニャ。
「おっす! レオ」
「あっ! ガイオさん、おはようございます」
もう一人ヤバいのが来た。
ガイオとか言うおっちゃんニャ。
このおっちゃんも時折怖い気配を放つから、大人しくしているのが一番ニャ。
「おっす!」「よお!」
「おはよう。ドナートさん、ヴィートさん」
このドナートとヴィートとか言う兄弟も何気に面倒だ。
「よお! クオーレ」
「…………」
逃げるといつまでも追いかけてくるので撫でさせることにしているが、その撫で方が雑ニャ。
ドナートの方が特に雑。
レオ様のとは雲泥の差で、何だかテンション下がるニャ。
「2人とも。稽古に行くぞ」
「「……ハイ」」
ガイオのおっちゃんに言われて2人とも表情が暗くなる。
化け物みたいなガイオのおっちゃんとの稽古で、2人がボコボコにされるのは、若干ざまあみろと思えて来るニャ。
「おはようございます。ジーノさん」
「おはようさん」
今日は魔法の指導を受ける日のため、レオ様は海岸へと向かう。
瞑想をして、レオ様が体内の魔力を動かす訓練をしていると、ジーノのじいちゃんがやってきた。
レオ様の魔法を指導してくれるじいちゃんニャ。
人間でもエルフとか言う種族で、かなり長生きしているらしく、たしか240歳は越えているとか言う話ニャ。
「今日は【水】の魔法の練習をしようかの?」
「はい!」
そう話し合うと、レオ様は海の水を操る練習を始めた。
見ていることしかできないので、少し離れた所でおとなしくしているニャ。
「あっ!?」
「ニャッ!!」
魔法の練習をしている途中、レオ様が浮かせた水球の中から魚が飛び出してきた。
海岸に落ちた魚に、クオーレは飛び掛かった。
「クオーレ、お昼前だけど食べる?」
「ニャッ!」
お魚は大好きニャ。
煮ても焼いても、生でも美味しいニャ。
レオ様の許可を得て、生で美味しく頂いたニャ。
「そろそろ眠る時間かな? お家でおやすみ」
「ニャ……」
レオ様と一緒にお昼を食べた後、自分はそろそろ寝る時間ニャ。
普通の猫と違い、闇猫は夜行性の魔物で、特に新月の夜は実力を発揮すると言って良いニャ。
お昼を食べ終わり、いつものようにウトウトしていると、レオ様はお家で寝るように促してくる。
その言葉に甘えて、眠らせてもらうニャ。
「はい。エトーレの夕飯だよ」
「♪」
クオーレが目を覚ますと、夕食の時間だった。
最近クオーレと同じく従魔になった蜘蛛のエトーレに、レオはご飯を与えていた。
「エトーレも魚好きなんだね」
“スッ!”
蜘蛛のエトーレも、クオーレと同じように何でも食べる。
言葉が話せないため、前脚の反応で感情を表現しているらしく、両脚を万歳するようにして、嬉しさを表現していた。
「ニャ~!」
「あっ、起きた? クオーレのはこっちだよ!」
「ニャッ!」
そう言って出されたのは、焼き魚にトマトソースとパセリをかけた料理だった。
今日はレオ様が作ってくれた料理ニャ。
料理長のピエトロの料理も美味しいが、自分はレオ様の料理の方が好きニャ。
しかも、お昼前と同様、お魚が食べられて幸せニャ。
「もしかして、クオーレは同じ魚好きって分かったからエトーレを認めたのかな?」
「ニャッ♪」
レオ様は鋭いニャ。
それは正解ニャ。
初めて会って嗅いだ時、エトーレからは川魚の匂いがしていたニャ。
同じ魚好きのような気がして、認めてやることにしたのニャ。
「おやすみ。クオーレ、エトーレ」
「ニャッ!」“スッ!”
夕食を食べて、お風呂に入ったレオ様は、自分とエトーレに挨拶をして布団に入った。
今度はレオ様が寝る時間ニャ。
「ニャッ!」
“スッ!”
レオ様が眠ったのを確認したので、自分はいつものように動き出すニャ。
外に出るので、エトーレに小さく声をかけて、扉を開けて外へと向かった。
「ニャッ!?」
今日は新月。
一番自分の能力が使える日ニャ。
新月の日にしか使えない魔法の影移動を使い、一気に防壁の側に来る。
「ニャッ!」
“スッ!”
今日の防壁周辺の見回りはロイさんとオルさんニャ。
ロイさんたちは、レオ様のスキルで動く人形ニャ。
小さく弱かった自分を、他の魔物から救ってくれたのがロイさんニャ。
自分が来たことに気付くと、ロイさんは手を上げて挨拶をしてくれた。
「ニャッ!!」
一声かけて、クオーレは影移動で防壁の外へと向かった。
ここからは気合いを入れないといけない。
何をしに来たかというと、魔物を相手にした戦闘訓練ニャ。
1匹で出るのは普段は危険なのだが、今日は新月のため注意すれば何とかなるニャ。
「シャッ!!」
「っ!!」
音も立てずに移動し、近くにいたバッタの魔物を爪で斬り倒す。
近付かれたことに気付いた時には、もう遅い。
それが闇猫の戦闘方法ニャ。
倒した魔物は一ヵ所にまとめて置いておく。
そうしておけば、翌日ロイさんたちが魔石の採取や死骸の後始末をしてくれるニャ。
こうして訓練をしているのは、もしもの時にレオ様を守ることができるようにするためニャ。
レオ様は自分をペットのように可愛がってくれるニャ。
それはそれで穏やかに過ごせて嬉しいが、この島は魔物が沢山いるニャ。
いつみんなが住んでいる所に攻め込んでくるか分からないニャ。
その時に、せめてレオ様だけでも守れるように、自分を鍛えているニャ。
「ニャ~……」
魔物の死骸で小さい山ができた所で、日が開け始めたのを感じた。
これ以上は1匹で戦うのは危険になるため、影移動できるうちに帰ることにするニャ。
ロイさんに魔物の死骸の山を作った方角を示して、自分はレオ様の所へ帰らせてもらうニャ。
「ニャッ!」
家に入る前に体を舐めてキレイにし、いつものようにレオ様を起こす時間が来る。
“テシッ! テシッ!”
「んっ? ん~……、おはよう。クオーレ」
「ニャッ!」
いつものように起こし、レオ様の一日が始まる。
今は新月の時にしか危険なために出てないが、もう少ししたら毎日出ても大丈夫なくらいに強くなりたいニャ。
「……たまに夜いなくなるけど、クオーレは何をしているの?」
「ニャッ!?」
どうやら新月の時にいなくなることに、レオは気付いていたらしい。
そのため、レオが問いかけると、クオーレは黙って俯いた。
「ん~……危険なことはしないでね?」
「ニャッ!」
やっぱりレオ様は鋭いのニャ。
もしかしたら自分のしていることも気付いているのかもしれないニャ。
でも、まだ秘密ニャ。
もっと強くなったら胸を張って教えるニャ。
名前はクオーレ。
猫といっても闇猫と言う魔物であり、レオ様の従魔ニャ。
「zzz……」
ベッドでぐっすり寝ているのが、ご主人のレオ様ニャ。
レオ様を起こすのは自分の仕事ニャ。
「ニャッ!」
“テシッ! テシッ!”
レオ様、朝ニャ。
起きる時間だニャ。
「んっ? ん~……、クオーレ?」
「ニャ~!」
「いつもありがとう」
クオーレが前足で頬を何度か叩くと、レオは目を覚ました。
いつものように、レオ様は起こしてくれたことを褒めてくれ、頭を撫でてくれる。
とても心地の良い時間ニャ。
「おはよう。ベンさん」
「おはようございます。レオ様」
この家には、レオ様の他にもう1人住んでいる。
それがこのベンヴェヌートというおっちゃんニャ。
レオ様の身の回りのお世話をしている人ニャ。
「クオーレもおはよう」
「ニャッ!」
トイレの砂や抜けた毛を掃除してくれるので、このおっちゃんには助かっているニャ。
「クオーレ。畑に行くよ」
「ニャッ!」
朝食を食べたレオ様は、いつものように畑へ向かう。
自分もそれに付いて行っているニャ。
「クオーレちゃんおはよう」
「ニャッ!」
挨拶をしてきたこの女の子はエレナという名前で、動物が好きらしく、自分もやたらと触られるニャ。
言っている側から触ってきた。
触らせないと分かりやすくへこむので、大人しくしているしかないニャ。
じゃないと、いつもエレナの側にいるセバスティアーノとか言うおっちゃんから嫌な気配が流れてくるのでしょうがない。
このおっちゃん、何か怖いんだよニャ。
「おっす! レオ」
「あっ! ガイオさん、おはようございます」
もう一人ヤバいのが来た。
ガイオとか言うおっちゃんニャ。
このおっちゃんも時折怖い気配を放つから、大人しくしているのが一番ニャ。
「おっす!」「よお!」
「おはよう。ドナートさん、ヴィートさん」
このドナートとヴィートとか言う兄弟も何気に面倒だ。
「よお! クオーレ」
「…………」
逃げるといつまでも追いかけてくるので撫でさせることにしているが、その撫で方が雑ニャ。
ドナートの方が特に雑。
レオ様のとは雲泥の差で、何だかテンション下がるニャ。
「2人とも。稽古に行くぞ」
「「……ハイ」」
ガイオのおっちゃんに言われて2人とも表情が暗くなる。
化け物みたいなガイオのおっちゃんとの稽古で、2人がボコボコにされるのは、若干ざまあみろと思えて来るニャ。
「おはようございます。ジーノさん」
「おはようさん」
今日は魔法の指導を受ける日のため、レオ様は海岸へと向かう。
瞑想をして、レオ様が体内の魔力を動かす訓練をしていると、ジーノのじいちゃんがやってきた。
レオ様の魔法を指導してくれるじいちゃんニャ。
人間でもエルフとか言う種族で、かなり長生きしているらしく、たしか240歳は越えているとか言う話ニャ。
「今日は【水】の魔法の練習をしようかの?」
「はい!」
そう話し合うと、レオ様は海の水を操る練習を始めた。
見ていることしかできないので、少し離れた所でおとなしくしているニャ。
「あっ!?」
「ニャッ!!」
魔法の練習をしている途中、レオ様が浮かせた水球の中から魚が飛び出してきた。
海岸に落ちた魚に、クオーレは飛び掛かった。
「クオーレ、お昼前だけど食べる?」
「ニャッ!」
お魚は大好きニャ。
煮ても焼いても、生でも美味しいニャ。
レオ様の許可を得て、生で美味しく頂いたニャ。
「そろそろ眠る時間かな? お家でおやすみ」
「ニャ……」
レオ様と一緒にお昼を食べた後、自分はそろそろ寝る時間ニャ。
普通の猫と違い、闇猫は夜行性の魔物で、特に新月の夜は実力を発揮すると言って良いニャ。
お昼を食べ終わり、いつものようにウトウトしていると、レオ様はお家で寝るように促してくる。
その言葉に甘えて、眠らせてもらうニャ。
「はい。エトーレの夕飯だよ」
「♪」
クオーレが目を覚ますと、夕食の時間だった。
最近クオーレと同じく従魔になった蜘蛛のエトーレに、レオはご飯を与えていた。
「エトーレも魚好きなんだね」
“スッ!”
蜘蛛のエトーレも、クオーレと同じように何でも食べる。
言葉が話せないため、前脚の反応で感情を表現しているらしく、両脚を万歳するようにして、嬉しさを表現していた。
「ニャ~!」
「あっ、起きた? クオーレのはこっちだよ!」
「ニャッ!」
そう言って出されたのは、焼き魚にトマトソースとパセリをかけた料理だった。
今日はレオ様が作ってくれた料理ニャ。
料理長のピエトロの料理も美味しいが、自分はレオ様の料理の方が好きニャ。
しかも、お昼前と同様、お魚が食べられて幸せニャ。
「もしかして、クオーレは同じ魚好きって分かったからエトーレを認めたのかな?」
「ニャッ♪」
レオ様は鋭いニャ。
それは正解ニャ。
初めて会って嗅いだ時、エトーレからは川魚の匂いがしていたニャ。
同じ魚好きのような気がして、認めてやることにしたのニャ。
「おやすみ。クオーレ、エトーレ」
「ニャッ!」“スッ!”
夕食を食べて、お風呂に入ったレオ様は、自分とエトーレに挨拶をして布団に入った。
今度はレオ様が寝る時間ニャ。
「ニャッ!」
“スッ!”
レオ様が眠ったのを確認したので、自分はいつものように動き出すニャ。
外に出るので、エトーレに小さく声をかけて、扉を開けて外へと向かった。
「ニャッ!?」
今日は新月。
一番自分の能力が使える日ニャ。
新月の日にしか使えない魔法の影移動を使い、一気に防壁の側に来る。
「ニャッ!」
“スッ!”
今日の防壁周辺の見回りはロイさんとオルさんニャ。
ロイさんたちは、レオ様のスキルで動く人形ニャ。
小さく弱かった自分を、他の魔物から救ってくれたのがロイさんニャ。
自分が来たことに気付くと、ロイさんは手を上げて挨拶をしてくれた。
「ニャッ!!」
一声かけて、クオーレは影移動で防壁の外へと向かった。
ここからは気合いを入れないといけない。
何をしに来たかというと、魔物を相手にした戦闘訓練ニャ。
1匹で出るのは普段は危険なのだが、今日は新月のため注意すれば何とかなるニャ。
「シャッ!!」
「っ!!」
音も立てずに移動し、近くにいたバッタの魔物を爪で斬り倒す。
近付かれたことに気付いた時には、もう遅い。
それが闇猫の戦闘方法ニャ。
倒した魔物は一ヵ所にまとめて置いておく。
そうしておけば、翌日ロイさんたちが魔石の採取や死骸の後始末をしてくれるニャ。
こうして訓練をしているのは、もしもの時にレオ様を守ることができるようにするためニャ。
レオ様は自分をペットのように可愛がってくれるニャ。
それはそれで穏やかに過ごせて嬉しいが、この島は魔物が沢山いるニャ。
いつみんなが住んでいる所に攻め込んでくるか分からないニャ。
その時に、せめてレオ様だけでも守れるように、自分を鍛えているニャ。
「ニャ~……」
魔物の死骸で小さい山ができた所で、日が開け始めたのを感じた。
これ以上は1匹で戦うのは危険になるため、影移動できるうちに帰ることにするニャ。
ロイさんに魔物の死骸の山を作った方角を示して、自分はレオ様の所へ帰らせてもらうニャ。
「ニャッ!」
家に入る前に体を舐めてキレイにし、いつものようにレオ様を起こす時間が来る。
“テシッ! テシッ!”
「んっ? ん~……、おはよう。クオーレ」
「ニャッ!」
いつものように起こし、レオ様の一日が始まる。
今は新月の時にしか危険なために出てないが、もう少ししたら毎日出ても大丈夫なくらいに強くなりたいニャ。
「……たまに夜いなくなるけど、クオーレは何をしているの?」
「ニャッ!?」
どうやら新月の時にいなくなることに、レオは気付いていたらしい。
そのため、レオが問いかけると、クオーレは黙って俯いた。
「ん~……危険なことはしないでね?」
「ニャッ!」
やっぱりレオ様は鋭いのニャ。
もしかしたら自分のしていることも気付いているのかもしれないニャ。
でも、まだ秘密ニャ。
もっと強くなったら胸を張って教えるニャ。