そのあとのことは、恥ずかしくて思い出したくないけど、多分、私が彼女を家に誘ったの。
　彼女、「帰ろうか。」なんて淡白なことをいうものだから、彼女のシャツを掴んで「まだ一緒にいたい。」って甘えたの。
　彼女ったら、何を興奮したのか、すぐに支度をして私の家に向かったの。夜は始まったばかりだと言うのに、私に合わせて、けど急ぎ足で私の部屋まで行ったの。
　その後のことは、本当に忘れちゃったけど、朝起きるとベッドの上で裸だったの。化粧も落とさないまま寝てしまって。服なんて床に散らかっているの。バックもどこに置いたか分からない。
　けど、そこに彼女の姿はなかった。きっと、先に起きて出て行ってしまったと思うの。私の寝顔を見ながら、「またね」なんて言ってさ。
　もしかしたら、昨日のことは夢だったのかもしれない。私が一人酔って、帰って散らかしただけなのかも。別にそれでもいいわ。どっちも変わらないもの。
　さようなら、好きだった人。