翌日、まだ思うように動けない美希に代わって、俺が二人を病院に連れて行った。やはりインフルエンザだった。帰ってすぐにゼリーを一口だけ食べさせて、早速薬を飲ませた。その後二人はすぐに眠ってしまった。美希はほっとしたのか、無理して動いたのが祟ったか、その後再び微熱と激しい咳に襲われた。今日が休みでよかった。ご飯もちゃんと準備できるし、汗でぐっしょりになったパジャマや下着も洗濯できた。その合間に仕事も進めた。俺は今、自分ができることを精一杯やりたかった。それが俺の戦い方だと思った。インフルエンザなんかに、負けたくなかった。
子どもの回復力とはすごいもので、日曜日には熱が下がった。多少の風邪症状は残るものの、食欲も取り戻した。美希の体調も安定している。三人で並んでテレビを見ている姿は以前からよく見る光景なのに、何とも微笑ましかった。我が家に、日常が戻りつつあった。