付き合い始めて早数ヶ月。

 今日はデートに来ている。

 昨日から冬休みに入って、夜空がフリーの日だったので、久しぶりのデートを入れたのだ。

 ちなみに真昼は最近できた彼氏とどっか遊びに行った。

「家デートじゃなくて良かったのか?」
「いいのよ。勉強ばかりじゃ、疲れちゃうのよ。たまにはオシャレしてお出かけしたいわ。」
「今日髪巻いたんだな。いいな、可愛い。」
「あら…!ありがとう。朝日もそのピアス似合ってるわ。」
「あんがと。」

 夜空の笑顔が俺の何よりの宝物だ。

 というのも、会ったばかりのことは俺のことを警戒しまくってて、一言として話してくれなかった。

 なんせ元父から暴力を受けていたらしいから、男を警戒していたのだろう。

 俺の父と夜空母が再婚した訳だが、俺らとは一緒に住んでない。

 2人はある楽団の団員なのだが、それゆえ演奏会であちこち飛び回っている。

 連絡は取ってるが、毎回住んでん場所が違うなんていうことも多々あって、高校に上がる時俺らと離れて暮らすことにした。

 ちなみに俺の両親の離婚理由は元母の不倫、演奏会で居ないことをいいことに二股してやがった。

「そういえば、夜空から見た俺の第一印象は?気になる…」
「バカそう、ね。」
「酷くね?」
「そんなものよ。じゃあ、朝日はどうなのよ。私の第一印象。」
「硬そうでヤな奴、だな。」
「そう変わらないじゃない。」

 今では笑い話になる、そんな関係が嬉しい。


『ほら、2人とも挨拶して?』
『私、黄昏真昼ね!これからよろね!』
『朝日。よろしく。』
『…………夜空……』