1月は「行く月」、2月は「逃げる月」、3月は「去る月」と小学校の担任は言った。
ほんとそのとおりだ。
3月になってすぐ、俺らは高校を卒業した。
「卒業生代表、黄昏夜空。」
「はい。」
夜空は入学式では宣誓を、卒業式は代表に選ばれた。
学年主席に生徒会長、妥当だろうな。
先生には音楽での海外留学を惜しまれるほどだった。
最後の最後まで先生たちは説得に粘っていたが、一度として彼女が首を縦に振ることはなかった。
「朝日、夜空、真昼。卒業おめでとう。父さん嬉しいよ、三人がここまで大きく育ってくれた。ありがとう。」
「お母さんもとっても嬉しいわ。でも、少し寂しいわ。子供の巣立ちがもう目の前だなんて。」
ふたりとも目には涙が浮かんでいた。
今月の後半には皆バラバラだ。
明後日から二泊三日で旅行、しかも夜空と二人で。
真昼も一星と旅行らしい。
両親は俺らが旅立ってすぐ、また全国で公演があるようだ。
自然と現実味を帯びてきた。
「なんか…やだな。楽しかったなぁ…」
「朝日…ううん、きっとこれからも楽しいわ。」
「何弱気なの。らしくないなぁ。朝日は一日の初め!しょぼんとしないで。」
真昼の意外な言葉に笑った。
つられ笑いをする双子。
空は気持ちがいい程には晴れていた。
友達とも別れを告げ、三年間通った道を一歩一歩進む。
思い出は花のように儚い。
それでいて美しいからこそ思い出されるのだ。
俺は「見つめる未来」があるから、こうしていられるのだろうな。
ほんとそのとおりだ。
3月になってすぐ、俺らは高校を卒業した。
「卒業生代表、黄昏夜空。」
「はい。」
夜空は入学式では宣誓を、卒業式は代表に選ばれた。
学年主席に生徒会長、妥当だろうな。
先生には音楽での海外留学を惜しまれるほどだった。
最後の最後まで先生たちは説得に粘っていたが、一度として彼女が首を縦に振ることはなかった。
「朝日、夜空、真昼。卒業おめでとう。父さん嬉しいよ、三人がここまで大きく育ってくれた。ありがとう。」
「お母さんもとっても嬉しいわ。でも、少し寂しいわ。子供の巣立ちがもう目の前だなんて。」
ふたりとも目には涙が浮かんでいた。
今月の後半には皆バラバラだ。
明後日から二泊三日で旅行、しかも夜空と二人で。
真昼も一星と旅行らしい。
両親は俺らが旅立ってすぐ、また全国で公演があるようだ。
自然と現実味を帯びてきた。
「なんか…やだな。楽しかったなぁ…」
「朝日…ううん、きっとこれからも楽しいわ。」
「何弱気なの。らしくないなぁ。朝日は一日の初め!しょぼんとしないで。」
真昼の意外な言葉に笑った。
つられ笑いをする双子。
空は気持ちがいい程には晴れていた。
友達とも別れを告げ、三年間通った道を一歩一歩進む。
思い出は花のように儚い。
それでいて美しいからこそ思い出されるのだ。
俺は「見つめる未来」があるから、こうしていられるのだろうな。