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 懐かしい気持ちに浸りながら、きーくんからのDMを眺める。タイムリープして始めた青春時代は夢のように楽しかった。このまま、二人で過ごしていけると思ってしまうくらい。

 ……でも、人生はそう甘くないことを知った。

 きーくんに会いたくて入学した高校は、一年生の時に事故がきっかけで休学することになってしまった。本来の私の人生では起きなかった事故に、恐怖を覚えてしまったのもある。

 本来、交わらない縁を無理矢理につなげた結果なんだろうと当時の私は思っていた。怖くなって、元の人生に近づける行動を取るようなってしまった。無意識のうちに。

 きーくんを避け続けるうちに私の人生はどんどんと元の方向へと修正されていった。私の記憶にある通りの人生。違うことといえば、高校だけ。

 きーくんともそのまま、離れ離れになってしまった。でも、きっとこのSNSでこの名前で、前のように書き綴り続ければまたつながると信じていた。戻る前と同じように。

『お久しぶりです。とても、会いたいです』

 素直に書いた言葉はずっと、きーくんに言いたかったもの。私がきーくんと青春時代を過ごすためだけに、時間を飛んだ時の年齢まできた。ここから先は、まだ未経験。だから、今からやり直しても多分うまくいく。

 大丈夫。今度こそ、青春時代の続きをきーくんと過ごせる。今度は変なことは起きない。だってこの先は、まだ私も知らないのだから。

<了>