今日は週の途中の祝日だ。もう9時近くになっているが、奈緒はまだ眠っている。昨夜も奈緒がぐったりするまで可愛がってやった。奈緒は死んだように眠った。

安らかな顔で眠っている。僕は奈緒のその安らかな寝顔を見ているのが好きだ。目を開けた。僕が見つめているのに気がついてはにかんだ。その奈緒を抱き寄せる。

「ひとつ提案があるんだけど、素直に聞いてほしい。僕は君が大好きだ。だから毎日愛してあげたい。そうしないと離れて行ってしまいそうで心配だから。でも君が疲れているみたいで、今日も今までぐっすり眠っていた。それに僕も週末に近づくと疲れが出てくる。それでこれからは愛し合うのは週末だけにしたらどうかと考えている。君がそれでよければだけど」

「私のためを思ってそうしてくれていると思っていました。あなたが疲れている思ったときも、愛してくれていると思っていました。そうして下さい」

「それでいいかな。それでも週の途中はいつでも抱き締めてもいいかな? もちろん君が抱き付いてきてもいいから」

「それがいいです。抱き締めて寝てもらえると心が満たされますから、それに我慢して週末に集中した方が喜びも増すと思います」

「それじゃあ、そうしよう。それから小森君から聞いたけど、由美さんに赤ちゃんができたそうだ」

「それはよかったですね。でもそうなったらいままでのように愛し合うことができないのではないですか? どうするんですか?」

「小森君の話では由美さんが僕にはとても頼めないようなことをしてくれるといっていた」

「そんなことはありません。その時のために練習させてもらえませんか? いいでしょう」

「ええ、まあ、いいけど」

奈緒はすぐに「これでいいですか、こんな感じですか」といいながら始めている。僕は断る理由がない。驚いてなすが儘になっている。

快感が走った。

「奈緒,ごめん」

奈緒はゴクンとそれを飲み込んだ。しばらく何もしゃべらないで黙っている。

「大丈夫?」

「由美さんから一度してあげたらと言われていました。私からは言い出せなくて。それにうまくできるか分からなくて。喜んでもらえた?」

「ああ、感激した。ありがとう」

「喜んでもらえてよかった。これなら赤ちゃんができても大丈夫みたい」

由美さんと奈緒は情報交換を密にしているみたいだ。おそらく僕が小森君に相談した内容が由美さんを通じて奈緒に伝わっていたのではないかと思う。小森君は由美さんには何でも話しているみたいだ。それにしても奈緒は僕のためにしてくれた。本当に良い娘を嫁にもらった。