「っへっっっ?!?!?!?!?!」
いきなり私が出した声に驚いたのか、ロミとジュリが飛び上がって、
事態を把握できないのか右往左往し始める。
そんな二匹をごめんね、と撫でて、もういちどモニターとむきあう。
そこには確かに、[いつも拝聴させていただいています。歌い手グループ「青春屋」のリーダーの あお と申します。いつも素敵な歌詞とメロディで、なおかつAIが歌っているとは微塵も感じさせない花香──いつも私の活動名として名乗っている──さんの曲、ときに泣きながら、笑いながら聞かせてもらっています。突然で申し訳ないのですが、僕達「青春屋」の初のオリジナル曲として、作詞・作曲をお願いできませんか]とDMが来ていた。
…はじめて、依頼が来た。
……………でも、どう作れば…。
今までは色の感覚と、自分の気持ちだけで作ってきた。
どう、作れば期待に答えられるだろうか。
[ご依頼ありがとうございます。とても嬉しいです。恥ずかしながら、歌い手グループの歌を聞いたことがないので、そちらと青春屋さんの歌・性格の分析などが終わり次第、取り掛からせていただきます。]
…堅すぎたかな。
歌い手の曲や青春屋さんの魅力を知らずにいつもどおり作るのは簡単。
だけど、それでは依頼してくれたあおさんに申し訳ないし、何より自分にとってこの初の依頼曲をそんな適当に作って良いものなのかと考えたときに、きちんと考えて作りたいと思った。
あおさんのアイコンをクリック、さらにグループのプロフィール欄に行き、最近のツイート・メンバーである、あおさん・はるさん・ゆうやさんのツイッターも見る。
オリジナル曲すら出していないのに、青春屋さんのフォロワー数は20万人を超えていた。