今朝、もうすぐ梅雨明けのニュースが流れていた。
「杏子!おはよう!」
「おはよう、彩乃」
「もうすぐ梅雨明けだってねー。雨嫌いだから嬉しい!」
「うーん、私は雨の日もそんなに悪くないかな」
「えー、雨の日好きって珍しい」
雨の日は大嫌いだった。
そんな雨の日を好きになれたのは、間違いなく雨宮くんのおかげ。
さよならしたあの日から、雨宮くんは公園に姿を現さなくなった。
晴れの日も、雨の日も。
雨の匂いがすると、いつも雨宮くんを思い出す。
たわいもない話をして楽しかったあの日々を。
結局、ハンカチと傘はタイミングを逃して返せていない。
きっと雨宮くんは成仏したのだろう。
今にも雨が降りそうなどんよりとした雲の向こうで、君は微笑んでいるかもしれない。
ありがとう、雨宮くん。
さようなら、ぺトリコール。